ランディングページとは、「様々なネット広告やリンクをクリックした際に表示される、サイトを含むWEBページ全般」を意味し、略して「LP」「ランペ」とも呼ばれています。
ランディングページの目的は、主にひとつの商品やサービスを売るために作られている、一枚の長いWEBページです。はっきり言ってしまうと「インターネットを上手に活用し売り上げを上げるための重要な戦略」なのです。ランディングページを改善しただけで、「ネット上での顧客獲得数が6倍になった」という事例もあります。
このように売り上げアップに繋がるランディングページは、企業の業種や企業の目的に応じて適切な制作と使い方をすれば売り上げ上昇に繋がり、満足できる結果が得られます。そのため、ランディングページといっても多くの種類があるのです。
ランディングページの依頼を考えている方に、できる限り確率を高めた設計をするため、制作依頼前に最低限知っておくべきランディングページの基本情報と準備をゼロが詳しく説明します。
【目次】
ランディングページってなに?
①ランディングページは、集客元であるインターネット広告とのつながり
②ランディングページは目的によって形が変わる
制作前に必ず実行しておくランディングページの戦略
①制作に必須の目標数値の設定
②必要な月間コンバージョン数を求める
③必要な月間アクセス数を求める
ランディングページを出稿するキーワードの選定
①高いコンバージョン率が出るPPCキーワードとは
②キーワードの選定ステップ1 概要編
③キーワードの選定ステップ2 実践編
④ランディングページは事前リサーチでほぼ決まる
ランディングページのターゲット選定 3ステップ
①顧客分析
②メインターゲット設定
③ストーリー作り
競合の分析
①主要キーワードでGoogle・Yahoo!で実際に検索する
②検索結果1ページ目に表示された競合ランディングページを開き、競合ランディングページの分析を洗い出す
③競合分析のチェック項目
自社の分析の目的
①自社分析の3ステップ
②競合が訴求できていないポイントに対して自社の対応を書き出す
まとめ
ランディングページってなに?
まずランディングページとは、リスティング広告を含む様々な広告やリンクからの飛び先のページです。検索からは公式サイトへ飛ばし、広告からの飛び先はランディングページとなっている場合が多いです。
前述でお伝えしたように、ランディングページは縦長の長いページです。リスティング広告をクリックした人は、最初にこの長いランディングページを見ることになります。ここでランディングページを訪れた人に、企業はセールスを行い、購入をその場で即決させるのです。
例えば、住居の購入を検討しているとします。不動産会社の営業マンが必ず担当につき、住居をみせながらセールスを行います。購入を検討している人に、申し込みに誘導するため「行動を決断させる後押し」をするのが営業マンの役割です。その際営業マンは「セールストーク」でお客様を納得させますね。成績優秀な営業マンは、「誰に、何を、どのような順番で、どのように伝えるか」を相手に合わせて上手に伝えることが購入に繋がるのです。
このような優秀な営業マンのセールストークをパターン化し、ランディングページに作り込んだものが、縦長のランディングページなのです。
①ランディングページは、集客元であるインターネット広告とのつながり
売り上げ向上のため、成果の上がるランディングページを作るためには、お客様の集まるインターネット広告との繋がりを意識して作ることが重要点のひとつです。インターネットでキーワード検索した結果表示されていたリスティング広告が、「自分の探し求めている情報がここにありそうだ」と感じれば、リスティング広告をクリックし、ユーザーはランディングページを見ることになります。
いいかえれば、ランディングページはリスティング広告と整合性の取れた内容でなければと、せっかくリスティング広告をクリックしたユーザー(見込み客)は、「自分が探していた情報と違う…」と感じ、結果的にこの内容な自分には必要ないと判断され、ランディングページから離れていってしまいます。
つまり、効果が上がるランディングページを作るには、リスティング広告運用者の集客情報を持った人から、しっかり情報を聞き、リスティング広告とランディングページの整合性を図ることが重要なのです。
②ランディングページは目的によって形が変わる
お客様が抱えるニーズに答えるランディングページを作るために、ランディングページを「商品・サービスの特性」や「目的」によって変える必要があります。
目的とランディングページの特徴
表を見ると、目的の違いによって様々なランディングページの種類があることが分かります。ネット販売で購入を検討している人にとっての最大のデメリットは、インターネット上の商品を実際に手に取ることができないこと。ですので、ランディングページにはなるべく多くの情報を記載します。ですからHPの1ページに比べて長い傾向があります。
制作前に必ず実行しておくランディングページの戦略
多少、ランディングページについてご理解いただけたでしょうか。では早速制作前の準備するべきことをご紹介しましょう。
ランディングページは顧客のターゲットを定めて、そのターゲットを納得させとを購入に誘導することを目的としたウェブページです。
そしてランディングページは完全に数字の世界でそこにはセールスのルールがあります。このセールスルールを知りロジカルに組み立てれば、必ず目標数値を得ることができます。ここで設定しなければいけない数値は3つあり目標数値の設定はそのための第一歩です。
- 月間の目標売上を決める
- 必要な月間コンバージョン数を求める
- 必要な月間アクセス数を求める
このように、目標数値は売上から逆算して換算します。もう少し簡潔にしましょう。
①制作に必須の目標数値の設定
通販のランディングページであれば売上金額、美容室であれば来店予約の電話本数、BtoB商材であれば、見込み顧客からの問い合わせ数などから計算して目標売上を決めましょう。その目標に対して、達成するための具体的な計画を立てます。
② 必要な月間コンバージョン数を求める
次に目標売上の達成に必要なコンバージョン数を設定します。「コンバージョン数」とは、BtoCの場合は売上本数、BtoBの場合は反響数を意味します。下記の計算式を参照に、自社に合った必要なコンバージョン数を求めましょう。
BtoCの場合の必要なコンバージョン数
「商材の購買が目的で、単価10万円の商材で、5000万円を達成したい!」
BtoBの場合の必要なコンバージョン数
「客単価500万円の商材を、5000万円売りたい。!営業成約率は25%」
③必要な月間アクセス数を求める
次に、目標コンバージョン数達成のため必要なアクセス数を求めます。
例えば、先ほどのBtoC商品の場合だと、「40反響 ÷ 0.018 = 2222PV」で月間約1,000のアクセスを集めれば目標売上を達成できることが分かります。
こうした目標値の設定は聞いてみると当たり前のように感じられるかもしれませんが、多くの企業が設定していないのです。ランディングページを作って売上をあげられるかどうかはこの時点で決まるので、必ず目標数値を明確にしておきましょう。
ランディングページを出稿するキーワードの選定
さあ、これで目標設定は完了です。次に、広告の出稿キーワードを決めましょう。
キーワード設定する理由として、ランディングページで大きなコンバージョン率を生み出すため、「適切で必要なアクセスのみを集めること」です。要は無駄を省き必要なものを取り入れるため出稿キーワードの決定が大切で、適切なキーワードを明確にしておくことが重要です。「キーワードを明確にすること」が良いランディングページを作る材料にもなり、目標達成のひとつの大切な要素なのです(※詳しくは後述)
では、早速キーワードを選定していきましょう。
①高いコンバージョン率が出るPPCキーワードとは
<高いコンバージョン率が見込めるキーワードの参照>
縦軸は、
指名キーワードか
一般キーワードか、という軸です。
ユーザーが「Amazonで買いたい」というように、ランディングページや企業を指定して訪問するニーズがあるかどうかは、ユーザーの行動の違いです。ここを把握しておくことが大切です。
横軸は、
行動キーワードか
情報キーワードか、という軸です。
「医療保険を申し込みたい」というニーズがあるかというのは、「医療保険の選び方を知りたい」という情報収集ニーズがユーザーにあるかどうかでユーザーの行動に違いが出ます。そのため区別して把握しておきます。
ZEROのランディングページが「高いコンバージョン率を出す」と評判が高い一番の理由は、
(
指名検索キーワード、検討検索キーワード、調査検索キーワード)×行動キーワード
これ以外は徹底的に除外するようにしているからなのです。これにより、大きくランディングページの成功率が高まります。
②キーワードの選定ステップ1 概要編
前述のキーワード選定とは、ランディングページで大きなコンバージョン率を生み出すため、「適切で必要なアクセスのみを集めること」とお伝えしました。目標の売上を達成するために必要なアクセス数を確保し、かつ高いコンバージョンが見込める「
キーワード」を抜き出すことです。
さらにここでは詳しくお伝えします。
ぜひ、覚えておいて欲しいのは「
インプレッション数とクリック数の関係」です。
そしてランディングページへのアクセス数は、インプレッション数 × 広告のクリック率によって求ることができます。さらに、検索ユーザーが広告をクリックする確率は平均1%だと言われている。(●●●による)
ですので必要な月間アクセス数を確保するためのインプレッション数の計算式の算出方法をお伝えします。
例えば必要な月間アクセス数が1,000PVだとしたら、必要なインプレッション数は
つまり、キーワード選定では、以下の2つのポイントを満たすキーワード群を見つける必要があるのです。
- 合計で必要なインプレッション数を満たす検索数がある
- コンバージョンが出るキーワード3種のうちのどれかに該当する
それでは、いよいよ必要なキーワード選定を実践です!
③キーワードの選定ステップ2 実践編
ここでは、歯科医院のランディングページを作ると仮定します。
まずは「歯科医院」に関するキーワードで、上述した指名検索・検討検索・調査検索に該当するキーワードを抜き出し検索需要や推奨単価を調べます。
以下は当社が実際に調べたものの一部です。
(画像ハイル)
※2014 ZERO調べによる
こうして調べた結果、わかることは、
- ニキビ跡のキーワードで月間約122,180のインプレッション数が得られた!
1,000 ÷ 0.01 = 100,000インプレッション数(後ほど表より入れます)
1,000 ÷ 0.01 = 100,000インプレッション数
- 月間約50万~100万円の広告費で月間約1200のアクセスを得られた!
1,000 ÷ 0.01 = 100,000インプレッション数
このリサーチから戦略を練ることが十分な商材であることが分かります。
※「歯科医院」の場合の、最もコンバージョンが出やすい3種のキーワードのみの結果です。
市場を「歯医者」に広げると更に3倍以上の需要があります。
さらに「虫歯」や「歯周病」などの関連キーワードに広げると5〜6倍の需要があります。
これは、ランディングページを作り込んで行くと更に大きく広くコンバージョンを獲得できることを表しています。
④ランディングページは事前リサーチでほぼ決まる
ランディングページでの集客が成功するかどうかの8割は、リサーチをしてどこまで正確な情報を得られるかによって決まります。とても重要な作業といえるでしょう。しかし、リサーチは地道な作業なので、ほとんどの方は軽視したり手を抜いたりしてしまうのです。
検索ユーザーの視点を第一に考え、そのニーズに答えるためのコンテンツを作ることが、ランディングページで高いコンバージョン率を得ることにつながります。だからこそ、リサーチで手を抜いてはいけません。面倒とお思いでしょうが、リサーチが終われば実際の制作の時間は遥かに短くて済むのです。
さて、ここまででご紹介したWEB上での需要なキーワードのリサーチが終わりました。
さあ、制作に!と取り掛かる前に、まだやるべきことがあるのです。それは「ターゲットの選定」です。
ランディングページのターゲット選定 3ステップ
目標設定、検索キーワードの事前リサーチをした後の工程は、3つあります。
3C分析は
「顧客分析」→「競合分析」→「自社分析」の順番で行います。顧客が決まれば競合が決まり、競合が決まれば自社の打つべき戦略が決まるのです。
顧客分析の結果に基づき競合分析を行い、競合分析の結果に基づき自社分析を行えば、根拠を積み重ねて戦術を組み立て、成果につながる戦略が生まれるのです。
①顧客分析
顧客分析の目的は、
顧客のニーズを知り、どのニーズをターゲットにするのかを決めるためです。そのための
材料を集めることが顧客分析に繋がります。ニーズが決まったら、そこからターゲット像を肉付けしてペルソナを作成していきます。ここで指すペルソナとは戦術のペルソナです。
②メインターゲット設定
検索キーワードはユーザーのニーズを言葉で検索するため、キーワード自体がニーズそのものなのです。下記の表を参考に、グループ分けすることで、似たようなキーワードでも、それぞれ微妙に意図や目的が異なることが分かります。
これらの中から、どのキーワードを主要キーワードにするのかを決めます。そして、その主要キーワードで検索するユーザーがどのようなユーザー像なのか、さらに掘り下げてユーザー像を明らかにしていきます。
- 性別⇒そのキーワード群で検索する人の性別は?
- 年齢⇒そのキーワード群で検索する人の年齢は?
- 地域⇒そのキーワード群で検索する人の地域は?
- 年収⇒そのキーワード群で検索する人の年収は?
- 趣味・思考⇒そのキーワード群で検索する人の趣味・思考は?
- ターゲットの悩み・ニーズ⇒そのキーワード群で検索する人のニーズは?
③ストーリー作り
ユーザー像を考えるとき、ただキャラクターについてだけ考えるのではなく、そのユーザーの行動についても考えます。具体的には、そのユーザーが「最初にあなたの商品・サービスが必要だと感じたきっかけ」⇒「キーワード検索」⇒「実際にあなたのランディングページに到達する」までのストーリーをイメージしていきます。
そのストーリーの流れを全体的に把握しておくことが、縦長ランディングページの文章を作成する際に、ユーザーの心理と行動に伴った「共感」を生むセールストークを作りやすくなりますので、しっかりとユーザー心理と行動をイメージしておきましょう。
ここまで顧客分析が終わると、今までふわふわしていたユーザー像とユーザーニーズが、かなり明確にイメージできるようになっていると思います。そのイメージをもったまま、次は競合分析に進んでいきます。
競合の分析
①主要キーワードでGoogleやYahoo!で実際に検索する
顧客分析でメインターゲットとするニーズ(検索キーワード)を決めたら、Google・Yahoo!で実際にその検索キーワードで検索をします。そのとき、注意したいことはいつも自分が利用しているブラウザで検索しないことです。検索エンジンは、よく見るランディングページを上位に表示するように設定されているからです。
競合検索で常に上位の位置づけを避けるために、インターネットエクスプローラーでは新規タブを作るときに「InPrivate ブラウズ」を選択します。Chromeでは「新規シークレット ウィンドウ」、FireFoxでは「プライベート ウィンドウ」、Safariでは「プライベート ブラウザ」をそれぞれ開くようにしましょう。
そして、検索結果1ページ目に表示されたランディングページ一覧を1つずつ閲覧して確認しながら、競合になりうるランディングページについて調査していきます。このとき自然検索結果とリスティング広告の両方を調査します。
②検索結果1ページ目に表示された競合ランディングページを開き、競合ランディングページの分析を洗い出す
競合ランディングページのチェックは、
検索結果をクリックして表示された最初のページのみ行います。下層ページまで丁寧にチェックしても良いですが、チェックするページが増えるとその分手間が増えます。費用対効果を考えて、ご自身が効率的にできる範囲内でチェックしましょう。競合分析を行うとき、検索結果をクリックして表示された最初のページがこれといった特長がなければ、競合とはいえません。そのようなランディングページは分析する必要はなく、帰って効率が悪くなる原因です。
③競合分析のチェック項目
・URL
・キャッチコピー
・訴求軸
・ベネフィット
・LPの構成
・メインビジュアルイメージ
・強み・実績
・ターゲット
・サービスの優位性
「これは競合が強くアピールしているな」とか「この表現方法は上手いな」と思ったら、後で参考にするために洗い出しておきましょう。その中から一番の手ごわい競合相手を見極めていきましょう。
自社の分析の目的
自社分析の目的は、
競合分析の結果を踏まえて、自社が打つべき対策を立てることです。ZEROでは「後出しじゃんけん方式」と呼んでいます。
競合が強い部分は「あいこ」狙い。
競合が弱い部分は確実に勝つ!
顧客の相対評価ポイントを積み重ね、確実に負けないランディングページを作るための材料を集めます。
①自社分析の3ステップ
競合分析で洗い出した点をもとに自社の対応策とアピールポイントを洗い出します。
・キャッチコピー⇒競合をもとにどのようにキャッチコピーにするのか?
・訴求軸⇒競合をもとにどのような訴求軸にするのか?
・ベネフィット⇒競合をもとにどのようにベネフィットを訴求するのか?
・LPの構成⇒競合をもとにどのような構成にするのか?
・メインビジュアルイメージ⇒競合をもとにどのようなイメージにするのか?
・強み・実績⇒競合をもとにどのように強み・実績を訴求するのか?
・ターゲット⇒競合をもとにどのようなターゲット層にするのか?
・サービスの優位性⇒競合をもとにどのような優位性を訴求するのか?
②競合が訴求できていないポイントに対して自社の対応を書き出す
競合が訴求できていないポイントに対して自社の対応を記入するとき、競合の訴求が強くて自社では勝てなさそうな場合は、無理に勝とうとせず「あいこ」狙いの内容を埋めます。もし「実績数が足りない」など全く同じ項目で「あいこ」も厳しい場合は、思い切って戦う土俵を変え別の項目で、競合が訴求できていない部分を見つけ、その項目で自社の訴求するようにします。
自社の訴求ポイントは、全ての項目について必須ではありませんが、それぞれの大項目でみたときに、バランスよく訴求ポイントが配置されるようにしましょう。
完成した材料をもとに、自社のベネフィット・訴求軸を考えていきましょう。
まとめ
ランディングページは、実際に表示されていリスティング広告をクリックした人が、初めて見る長い長いページです。実はこの長いページが、広告を出向する上で、重要なカギを握っていることがお分かりになりましたか。費用対効果を上げるためには、ランディングページを充実させ、法則にしたがって作成することが大切なのです。作成ノウハウ、競合リサーチ、ターゲットの選定などなど、多くの要素を含んだランディングページです。御社のランディングページを一度見直してみるのはいかがでしょうか。