差別化価格政策とは
差別化価格政策とは、ひとつの商品やサービスを、顧客・場所・時期等によって異なる価格で提供することをいいます。一例として、大手ハンバーガーチェーン店が定価表を設けず、地域によって違う値段で販売していたことが挙げられます。場所や時期によってニーズにかなりの差があり、複数の価格を管理するコストよりもメリットが大きいとき、差別化価格政策は上手く機能します。また実施する企業は一定のブランドを確立しており、消費者の反感を買うおそれが少ないという条件も必要です。さらに飲食店では問題になりませんが、転売が容易な商品だと、消費者が安い地域で買って高い地域で売るといったことが可能です。ですからどんな商品にでも使えるわけではありません。
差別化価格政策のお役立ち情報
大量生産・大量消費の時代には一物一価が原則であり、規模のメリットを活かして利潤を上げることができましたが、現在は多品種少量生産が主流になりつつあり、差別化価格政策が受け入れやすくなっていると言えます。インターネットを通じて大量の顧客データを収集し、分類・分析することは、顧客に合わせたサービスと価格を設定する下地になります。消費者側も、自分の好みに合ったサービスが適正な価格で提供されるなら、価格の差別化に反発を覚えることは少ないと考えられます。大幅な売上増が期待できず、値引き競争にも限界が見えている今、細かな顧客管理は収益力アップの有効な手段であり、その中の重要な部分に差別化価格政策も位置づけられるでしょう。