優秀な社員が獲得できる採用ブランディングとは?採用サイトの事例も解説

最近では様々な企業で採用ブランディングという考え方が広まってきています。採用ブランディングを簡単に説明すると採用活動の際に自社をブランディング化し、この会社で働きたいと思ってもらうことです。

今回は採用ブランディングを検討中の方に向けて、メリットやデメリット、重要なポイントを解説していきます。

この記事を読んだらわかること

・採用ブランディングとは【重要視される背景、採用サイトの立ち位置】
・採用ブランディングのメリット【エントリー数増加、ミスマッチ防止、採用軸の一貫化】
・デメリット【長期間の計画が必要、コストがかかる、人事の負担が増える】
・重要なポイント【採用課題・ビジョン・ターゲット・メリットの明確化、求人媒体との一貫性】
・サイトのデザインや構成にも関わるので専門家に依頼する
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採用サイトを使ったブランディング「採用ブランディング」とは?

採用ブランディングは企業の経営理念や事業内容、提供している商品やサービス、働いている社員たちの考え方や仕事のやりがいなど、どのような企業かを発信し、新たなイメージを作り上げていく長期戦略です。

それによって求職者の信頼を得る、他社との差別化を図る、考え方に共感をしてもらうなど入社への意欲を高めてもらい、エントリーまで繋げます。

また、企業が求める人材とマッチした人物の応募が見込めることから選考辞退や内定辞退、入社後の早期離職などを防ぐぎ、採用活動を効率化できます。

採用ブランディングが重要視される背景

昨今、就職が売り手市場になり、中小企業10社が1人の学生を採用する時代になっています。
そこで注目されているのが採用ブランディングです。

ただでさえ人材が少ない中で企業が望む人材を採用するには従来の採用活動だけでなく、こうした手法を取り入れ、ミスマッチを防がなければなりません。

また、ブランディングと聞くと大手企業がするもの、大手企業しかできないというイメージがありますが、中小企業でも可能です。
イメージのない小規模の企業の方が採用ブランディングの効果も顕著に出ます。

採用ブランディングにおける採用サイトの立ち位置

採用サイトは企業の理念や企業のイメージなど目に見えないものを視覚化した媒体です。採用ブランディングも同様に理念などを発信していく戦略で、採用サイトは採用ブランディングを視覚化したものとも言えます。

また、就職活動を行う学生は基本的に採用サイトを通じて企業の特徴を知ろうとするので、採用サイトを主軸にブランディングを行っていくことが重要です。

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採用ブランディングは自社の仕事に対する共感を得たり実際に働く姿をイメージしてもらうためにも重要です。
そして、それはサイト自体のデザインや構成にも密接に関係してくるので、専門家の力を借りるようにしましょう。
池田直樹
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採用ブランディングのメリット

採用ブランディングで得られるメリットはたくさんあります。例えば認知度の向上や企業の特徴が理解しやすくなる、それによって応募者が増えたり採用活動がしやすくなるなど様々です。

ここでは代表的な以下のメリットについて詳しく解説をしていきます。

・求職者エントリー数の増加
・求職者とのミスマッチ防止
・採用の軸がブレなくなる

求職者エントリー数の増加

採用ブランディングで得られるメリットの1つがエントリー数の増加です。
ブランディングによって知名度が向上し、自社について知らなかった求職者に対してもアピールできるようになります。

また、他社との違いを明確にし、企業の良さを明確に伝えることで、他の企業と比較をして応募するのではなく、「この企業だから」という理由による企業に共感した申し込みが増えます。

単純に応募者の数が増えるだけだと人事の手間が増えるだけになりますが、求めている人物像に近い応募者が集まれば採用に繋がる確率も高まるので採用効率も改善できます。

求職者とのミスマッチ防止

ブランディングによって仕事のやりがいや企業のビジョンを求職者に伝え、入社後の姿や実際に働いている姿をイメージしやすくできるので、、ミスマッチの防止や離職率の低下へ繋がります。

採用後の課題としてよくあるのがイメージと違うなどによる早期離職です。
これを防ぐことができれば採用活動の負担は大きく軽減されるため非常に重要であると言えます。

注意点としては企業のビジョンばかりを語りすぎると現状とのギャップが発生する可能性があるので、現状をしっかりと理解してもらわなければいけません。

採用の軸がブレなくなる

採用ブランディングは、「こんな学生を採用したい」「こんなイメージを伝えたい」という採用の軸が決まります。
それによって一貫性のある採用活動を行えるメリットがあります。

軸が決まっていなければ採用担当者も求職者に何ををアピールすればいいかわかりません。逆に軸がしっかりしていれば伝えるべきポイントを自身を持って発信できます。

また、社員たちに対しても自社にはどんな良さがあるのか、知ってもらう機会になり、従業員エンゲージメントが高まり企業に愛着のある結束力が高いチームが作れる点も大きなメリットです。

採用ブランディングのデメリット

採用ブランディングは企業の採用活動を有利に進めるための様々なメリットがありますが、その裏にはいくつかのデメリットも存在します。

特に注意しなければいけないのは短期的には結果が出にくいことです。こうしたデメリットを知らずに採用ブランディングに取り組むと結果を出せずに終わってしまうので、ここでは以下のデメリットについて解説していきます。

・長期間の計画が必要
・コストがかかる
・人事の負担が増える

長期間の計画が必要

先にも少し触れましたが、採用ブランディングは短期的には結果を出すことができず、時間がかかるというデメリットがあります。これは一定の期間以上継続して情報を発信し続けなければ求職者に届かないためです。

また、その前にサイト自体を情報ができるような状態に修正を加えたり、自社が抱えている採用活動の課題は何か、どんな属性を持つ求職者にどんな情報を届けるべきかなど計画を練らなければいけません。

そのため、採用ブランディングを実施する前から半年程度の準備期間を設け、翌年からの実施を目指しましょう。

コストがかかる

採用ブランディングを行うためには一定のコストが発生します。どのようなコストかと言うと人事部の人件費であったり、サイトの修正や構築コンテンツの制作などを外部の専門業者に依頼する際の外注費用です。

企業にとってどの程度の効果が見込めるかわからないものに費用をかけることは厳しい場合もあります。しかし、前述したように中小企業の採用は売り手市場であり、思うように採用ができない厳しい状況です。

ただ、新しい人材が採用できなくなると企業に明るい未来はなくなってしまうので、ある程度の費用は覚悟して採用ブランディングに踏み切る方が可能性が広がります。

人事の負担が増える

一般的に採用ブランディングは人事部が主体となって運用することが多いです。また、実施するにあたり事前に自社の現状や強みなどを把握、分析しておかなければいけません。

その情報とは以下のようになります。

・どの部署でどんな人材が不足しているか
・どの部署にどんな問題があるのか
・自社の持つ強みとは何か
・競合他社と比べどんな違いがあるか
・自社が改善すべき点はどこか

これらは採用ブランディングをするためのコンテンツを作成していく上で必須となる項目です。こうした情報の精査エントリーが増え始めたあとの対応などが必要になるため、人事の負担は大きくなってしまいます。

採用ブランディングで重要な5つのポイント

採用ブランディングとはどんなものか、どのようなメリットやデメリットがあるのかがわかったところで、この施策に取り組む上で重要なポイントについて紹介していきます。

これらを理解しておかなければ、求める効果も得られなくなってしまうので注意をしましょう。そのポイントとは以下の5つになります。

・現在の採用課題を明確にする
・企業の理念やビジョンを明確にする
・採用したいターゲットを明確にする
・自社に入社した際のメリットを明確にする
・求人媒体との一貫性を意識する

現在の採用課題を明確にする

採用ブランディングに取り組むためには、離職率が高い、内定辞退が多い、ITに強い社員が少ない、新卒社員が少ないなどの自社が抱えている採用課題を明確にすることです。

例えば求人広告や人材派遣などを行っているリクルートでは「事業内容が多岐にわたるため、会社のイメージがしづらい」という課題がありました。

https://www.recruit-jinji.jp/

その解決策として、採用ブランディングの方針を「リクルートで活躍できる社員を採用する」とし、スター社員を前面に押し出していくといったデザインを採用しました。そのブランディングが、他社とは異なる人たちが働いている会社というイメージを作り上げました。

このように課題を明確して、それを解決するためにどのような見せ方をしていくのかを考えなければいけません。

企業の理念やビジョンを明確にする

上述した課題が明確にならない場合は、企業の理念やビジョンを明確にしましょう。
もし理念などが明確になっていれば、次にそれをどのように採用に落とし込んでいくのか考えます。

例えば老舗のお菓子メーカーであるは「伝統や地域を大切にしながらも、新しいことにも積極的な企業」という理念から、それを採用ブランディングの軸にしました。 

http://recruit.koeido.co.jp/

当時は珍しかった縦組みのレイアウトという新しい手法を取り入れることで、企業のイメージを採用サイト全体のデザインで表現しています。

現在のデザインはキレイに見せるだけではなく、理念やビジョンなどをデザインに組み込めるので、そうした情報も明確にしておきましょう。

採用したいターゲットを明確にする

企業のビジョンを明確にすればどんな人物を採用したいのかというターゲットが明確になります。

前述した廣榮堂は、理念を元に「地域おこし」「丁寧に暮らすこと」「新しいことに積極的に挑戦」という3つのキーワードに共感してくれる人がターゲットであることがわかりました。

このように理念やビジョンを具体的にすることで、どんな人物を欲しているのかも見てきますし、そうした求職者に対してどのようにアプローチをすればいいのかという基準も見えてきます。

ターゲットが曖昧なままだと採用ブランディングの効果も上がらなくなってしまうので、どういった人を求めているかは明確にしましょう。

一度明確にしたらターゲットの属性を広げる

上述したターゲットですが、それに近い人物を採用できることは非常に稀です。優秀な人材ほど大手企業に流れてしまうからです。
1年に1人そういう人を採用できれば良い方でしょう。

そのため、ターゲットはどんな属性になるのかを考え、その裾野を広げていかなければいけません。

再び前述した廣榮堂を例にすると、「地域おこし、丁寧に暮らすこと、新しいことに積極的に挑戦」というキーワードは裾野を広げると、「挑戦することが好き、アイディアの発想が得意、トレンドに敏感、ムードメーカー、協調性が強み」のように表現できます。

このように、優秀な人材をターゲットに絞るよりも、裾野を広げ、優秀な人材になりそうな人材をターゲットにすると、採用ブランディングはうまくいきます。

自社に入社した際のメリットを明確にする

ターゲットを明確にしたからといって、そこばかりを強調するのは企業の独りよがりです。仕事である以上、求職者に対してもメリットを明確にし、Win-Winの関係を築かなければいけません。

入社した際のメリットとは、こんな人物になれる、こんな仕事ができるといった、既存の社員の姿などを見せながらイメージしてもらうことです。

また、この他にも育児休暇やフレックスタイム制、海外研修、社宅完備など制度や待遇、施設といった利点を強調する方法もあります。とにかく自社が持っているリソースの中で、求職者が共感できるメリットを考え、そこを推していきましょう。

求人媒体との一貫性を意識する

採用サイトによる集客には時間がかかるため、最初はリクナビやマイナビなどの求人媒体や求人説明会などのイベントも使い、採用ブランディングと並行して採用活動を進めていかなければいけません。

その際に求人媒体と採用サイトで方向性や方針にズレがあると求職者も混乱を招いてしまいます。なので、求めている人材像、企業や理念、入社時のメリットなどに相違が無いよう注意しましょう。

まとめ:採用ブランディングで採用課題を解決しよう

採用ブランディングは採用サイトを通じて企業の理念やビジョン、実際に働いている社員の姿などを視覚化し、求職者に企業のイメージを持ってもらうための戦略です。

それによって企業の認知度が向上する他、どんな人物を求めているのか、入社することでどんなメリットがあるのか、他社との違いは何かなどを明確にできるとターゲットに近い人材が多く応募してきます。

そのためには時間やコスト、労力が必要になりますが、結果的に採用の効率を高められるという大きなリターンがあるので、ぜひ採用ブランディングを活用して現在抱えている採用課題を解消しましょう。

この記事のおさらいポイント

・採用ブランディングとは企業のイメージを視覚化し、エントリーにつなげるための戦略
・採用ブランディングは中小企業でも行える
・採用ブランディングはサイトのデザインや構成に関わるため専門家に依頼すべき
・メリットはエントリー数の増加やミスマッチの防止ができる
・デメリットは時間、コスト、労力が必要
・現在の課題、企業の理念やビジョン、採用ターゲット、入社時のメリットを明確にする
・他の求人媒体と採用ブランディングの方針を一致させる
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