採用サイトはフォーマットが決まっている求人サイトなどとは違い、企業の特徴や社風などを独自の表現でアピールできることがメリットです。
その中でも特にキャッチコピーは企業の第一印象や求職者の興味を引きエントリーに繋げられるかにも大きく影響するなど重要な役割を担っています。
そこで今回はキャッチコピーを作る際のコツや参考になる採用サイトをしていくので、キャッチコピーをどうするか悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
この記事を読んだらわかること
・効果的なキャッチコピーを作るためのステップ
・キャッチコピーを作る上での重要なポイント
・参考になる採用サイト10選
・キャッチコピー自動作成ツール
採用サイトは、採用戦略の1つでしかなく、とりあえず採用サイトを制作しても求人が増えることはありません。
弊社は、お客様の採用戦略に最適な採用サイトの提案ができますので、ぜひご相談ください!
採用サイトにおいてキャッチコピーが担う重要な役割
まずはどういった目的を持ってキャッチコピーを作ればいいかを考えるために、採用サイトにおいてキャッチコピーが担っている役割を理解しておきましょう。
キャッチコピーの役割は大きく分けると以下の4つです。
・応募数を増やす
・会社に興味を持ってもらう
・ブランディングにつなげる
・ミスマッチを防ぐ
ここではこれらの役割を細かく解説していくので、どういった目的でキャッチコピーを書けばいいかわからない人は参考にしてください。
応募数を増やす
キャッチコピー1つで本当に応募数が増えるのかと疑問に思われる方もいるかもしれませんが、実際にコピーを変えただけで応募が増えたという事例もあります。
特に認知度の高い大手企業でも無い限り、企業の存在を把握した上で採用サイトに訪れることは稀です。一般的には先に求人サイトを見て、良さそうだと感じたら説明会にエントリーする、採用サイトを訪れるといった行動をとります。
前述のような求職者は企業に関する情報が0の状態なので、目に留まるキャッチコピーがあれば詳しく知ろうと思ったり、とりあえず説明会に参加してみようと考えたとしても不思議ではありません。
会社に興味を持ってもらう
現在、就職は売り手市場と呼ばれていて多くの企業が採用活動に力を入れています。
そのため、インターネット上には求人情報が溢れていて、求職者は興味を持ったサイトしか詳細を見ません。
そこで一番効果的なのがキャッチコピーです。
コピーが面白いと、会社にも興味を持ってもらうことができるので、それが入口となってエントリーにつながります。
なので、一言で会社に興味を持ってもらえるようなキャッチコピーを考えましょう。
ブランディングにつなげる
採用サイトのキャッチコピーはブランディングにつなげる役割も担っています。
ブランディングとは、他社との違いを明確にし、この商品やサービスと言えば○○といった市場におけるポジションを確保することです。
キャッチコピーを通して自社の魅力や経営理念、ビジョン、他社との違いなどが伝われば、業界や市場において認知度の向上を図り、最終的に絶対的なポジションの確保できます。
ミスマッチを防ぐ
前述したようにキャッチコピーは企業の経営理念やビジョンなどを伝えることができるので、キャッチコピーに共感して応募した人はミスマッチが起こりにくくなります。
もちろん、キャッチコピーだけでは完全にミスマッチを防グノは不可能ですが、少なくとも社風が合わないという理由は防げるなど一定の効果は得られます。
効果的なキャッチコピーを作る3つのステップ
キャッチコピーは闇雲に考えても効果的は出ないので、次に効果的なキャッチコピーを作るための手順を解説していきます。
手順は非常に簡単で、以下の3ステップに従うだけです。
・誰に伝えるかを明確にする
・何を伝えるかを明確にする
・複数の案を出す
ここではそれぞれの手順を詳しく解説していきます。
誰に伝えるかを明確に
まず大切なのがどんな人に応募してほしいのかを明確にすることです。
例えば、新卒もしくは中途なのか、どんな考え方や目標を持っているのかなど、誰に伝えたいか明確にしましょう。
誰に伝えるかを明確にできれば自然とキャッチコピーも思いつきますし、求職者も誰に向けられているのか明確に理解できます。
何を伝えるかを明確に
応募してほしい対象が決まったら、次にどんなコンセプトを伝えたいのかを考えます。コンセプトとは経営理念や事業内容、ビジョンといった企業の持つ考え方や価値観を指します。
コンセプトが決まったらそれをキャッチコピーという形で短くも興味を引く文章にして求職者たちに発信します。
案は複数出す
単語が1つ違うだけなど似たコピーであっても読み手に与える印象は大きく変わるので、キャッチコピーの案はできるだけ多く出しましょう。
複数の案を一つ一つを比較し、どれが伝わりやすいか、時には異なる案を組み合わせるなどして、キャッチコピーを作りましょう。
とにかく応募を増やそうとかっこいいキャッチコピーを並べたり、美化されたコンテンツを並べてもそれは企業の偽りの姿であり、採用できたとしても、入社前のギャップがありすぎて離職につながってしまいます。
誰に何を伝えたいかを明確にし、求職者の共感を得られる素直でまっすぐなキャッチコピーを意識しましょう。
採用サイトのキャッチコピーで重要な5つのポイント
日本語は多様性なためキャッチコピーの表現方法も無数に存在する言語です。そのため、単語のチョイスを変えたり、漢字やカタカナ、ひらがなといった表記を変えるだけで全く印象が変わります。
ここで紹介する以下の5つのポイントに注意をしてキャッチコピーを作りましょう。
・素直な言葉で伝える
・ダラダラとしたコピーはNG
・インパクトのあるコピー
・ひらがな・カタカナ・ローマ字で強調
・「、」「。」をうまく使用する
素直な言葉で伝える
素直な言葉と聞くと難しい印象を受けますが、新卒の大学生などにメッセージを届ける上で美しいフレーズや難しい言葉、着飾った表現などは不要です。
格好つけた聞き馴染みの無い言葉よりも平凡でありきたりな表現の方が理解がしやすく、求職者にも響きやすくなります。
ダラダラとしたコピーはNG
キャッチコピーは一息で読んでもらい、一瞬で伝えたいことを伝えなければいけません。そのため、ダラダラと長いものはNGで、基本的には1行を目安に長くても2行以内にまとめる必要があります。
一般的に人が一瞬で知覚できる文字数の限界は13文字以内と言われているので、余計な文字は省いて簡潔な言葉で表現しなければいけません。
インパクトのあるコピー
興味を持ってもらうためにはインパクトのあるコピーが重要です。なんだこのコピー?、どういう意味だ?と思ってもらえると採用サイトにも興味を持ってもらい、詳細を見てもらえるようになります。
実際に企業のキャッチコピーの例を見てみましょう。
・グローバルSAMURAI 結集セヨ(日清食品ホールディングス株式会社)
・オッサンも変わる。ニッポンも変わる。(森下仁丹株式会社)
このように、インパクトはあるがどういう意味を示しているのかわからないコピーは、ユーザーの好奇心を煽り、意味を理解としたいという感情を掻き立てます。
ひらがな・カタカナ・ローマ字で強調
文字の表記方法によってそれぞれ特徴が異なります。
そのため、一般的には漢字で表記する単語をひらがなやカタカナに変えることで印象を変えたり、目を引くなどの工夫をしています。
実際に企業のキャッチコピーの例を見てみましょう。
・キミがスタメンになれる強みは、なんだ。(アサツーディケイ)
・もっとワクワクの未来へ(バンダイ)
・好奇心を、シゴトに。(読売新聞グループ本社)
このように1つの文章に様々な表記を入れれば、一部分を強調したり、より強い印象を与えます。
「、」「。」をうまく使用する
ひらがなやカタカナなどの表記以外にも句読点を使った表現をするのもおすすめです。まずは以下で紹介する例を見てみましょう。
・道なき道を、進もう。(ヤマト運輸株式会社)
・で、どうする?(サッポロビール株式会社)
・電通を、つかえ。(電通)
このように非常に短いキャッチコピーにする際は、句読点が程よいアクセントになります。また、どういう意味なのかとユーザーの興味を引くキャッチコピーを作る際にもおすすめです。
キャッチコピーの参考になる採用サイト10選
キャッチコピーの作り方の手順やポイントがわかったところで、実際に企業が採用しているキャッチコピーを見ていきましょう。
今回はキャッチコピーが参考になる10通りの採用サイトを紹介していくので、どのようなことを伝えようとしているのか、どのくらいの文字数かなどをチェックしてみてください。
エイチ・アイ・エス
https://www.his.co.jp/global/japan/recruit/
まず1つ目は大手旅行会社であるエイチ・アイ・エスで、キャッチコピーは「世界を変える挑戦者であれ」です。
これは非常にシンプルな表現ですが、同社は最近になり電力事業や再生エネルギー事業に新規参入したことから「世界を変える」や「挑戦者」というワードがピッタリで、同社の特徴がしっかり捉えられています。
また、旅行会社という事業内容にもマッチしたフレーズなので、世界を股にかけた仕事をしたい人は興味を持つ可能性が高いです。
リクルート
求人広告や人材派遣などのサービスを行っているリクルートのキャッチコピーは「KEEP YOU WEIRD」となっています。これは「変人であれ」という意味で、非常にインパクトの強いフレーズです。
また、採用サイトではキャッチコピーの下に「そのままの君で進め。」というメッセージがありますが、就職をするとその会社に染まらなければいけないなどの固定概念がある人ほど気になってしまいます。
全文ローマ字表記のキャッチコピー自体も比較的珍しいことから、見た目だけも十分に興味を引けるキャッチコピーです。
タカラトミー
https://www.takaratomy.co.jp/company/recruit/
玩具メーカーであるタカラトミーのキャッチコピーは「おもちゃで創る未来を考えろ!」です。シンプルでありながら「新しい遊びの価値を創造」という同社の経営理念がうまく表現されています。
それ以外にも同社はエコトイというコンセプトで100年後にもおもちゃを残すための環境活動を行っていますが、このキャッチコピーはこうしたコンセプトにもマッチした内容です。
また、採用サイトを開いた瞬間に目に飛び込んでくる「挑戦状」という文字もインパクトがあり、つい中を見てみたくなるので、こうした強い単語をキャッチコピーに使うこともおすすめです。
GMO
インターネットに関連するサービスを広く展開しているGMOのキャッチコピーは非常に面白く『「日本一、 無理でしょ?」笑うやつをいつか、笑い返してやろう』となっています。
少し長めの印象をうけますが、1行目の内容に意外性がありすぎて思わず二度見をしてしまいます。
コピーからは、困難にも立ち向かって乗り越えようという企業の強い意志が感じられますし、文字数も1行目は括弧や間の空白を入れて13文字、2行目と3行目は9文字と見た目のバランスも綺麗に調整されています。
少し長めのキャッチコピーにする場合は、この例を参考にして、見た目のバランスなども考慮したものを作りましょう。
大和ライフネクスト株式会社
https://www.daiwalifenext.co.jp/shinsotsu_saiyo/
マンション管理などを行う大和ライフネクストのキャッチコピーも面白く、見た瞬間にユーザーを思考停止に追い込みます。そのキャッチコピーとは『「 」、ツケテいこうぜ。』です。
声に出して読むと「カッコつけていこうぜ」となり意味がわかりますが、上記の文字だけを見せられると意味不明過ぎてついつい考えてしまいます。
インパクト重視、句読点を使う、カタカナ表記にするといったテクニックがうまく活用されていますが、これは単純に求職者の目に止まることだけを考えて作られたキャッチコピーではありません。
このコピーは複数の意味があり、自分を演出するといった恰好をつけるという意味や、本来「」はセリフに使うというのを逆手に取り、自分の考えを声に出して主張しようという意味合いも含まれています。
ここまでのキャッチコピーは簡単に思いつきませんが、インパクトと会社の特徴を同時に伝えるにはこれくらい捻ったコピーも有効です。
KADOKAWA
https://ir.kadokawa.co.jp/recruit/2020/
大手出版社である角川のキャッチコピーは「”好きすぎる”は、才能」です。これはどんな人物を求めているかが明確であり、さらに「才能」という言葉によって「好き」というアイデンティティが肯定されています。
もしかしたら自分の好きが活かせるかもという期待を抱かせるので、求職者もより詳細な情報を知ろうとする可能性が高いです。
テクニック的な面では句読点をうまく配置することで、「才能」がうまく強調されている他、文字数も括弧を入れて12文字と短い構成になっているので目に止まりやすく、理解もしやすいコピーになっています。
電通
https://www.career.dentsu.jp/recruit/2020/top/
日本最大の広告代理店である電通のキャッチコピーは非常にシンプルで「電通を、使え。」です。全体で8文字、句読点を除くとわずか6文字しかありませんが、どういう意味かと惹きつけられる文言になっています。
サイト内には、電通は自由に個性を発揮するための場であるというコピーの補足があります。自分の能力、個性を活かしたいと思っている人はエントリーへの意欲を高めるはずです。
また、コピーの見た目に関しても2行とも「3文字+1記号」という構成なので、スッキリしていて目にも留まりやすくなっています。
Sky
ソフトウェア開発を行うSkyのキャッチコピーは「好きだから働く。好働力!」となっています。このキャッチコピーは求めている人物が明確であるだけでなく、それを「好働力」という造語で表現しているところもオシャレです。
この造語は「こうどうりょく」と読めますが、同じ読み方だと「行動力」という単語を連想します。憶測ですが、求職者に対して仕事を好きになれるという裏の意味合いも含まれているように思います。
アサツーディケイ
大手広告代理店のアサツーディケイでは「キミがスタメンになれる強みは、なんだ。」というキャッチコピーを採用していますが、これは同社のスタメン採用という採用コンセプトが元になっています。
企業であまり使わない「スタメン」という言葉や個性を連想させる「強み」というワードも求職者が関心を寄せる可能性が高いです。
また、一般的には「なんだ」のあとは疑問符が使われますが、それだと強みなんてないと考えてしまう人もいます。そのため、あえて句点を用いて肯定文にすることでネガティブに捉えさせない工夫をしているようにも感じます。
トゥモローゲート
http://www.tomorrowgate.co.jp/special/#firstPage
最後に紹介するのは全てがユニークなトゥモローゲートのキャッチコピー「ようこそ、ブラックな企業へ。」です。
同社は面白い会社作りを目指し、オフィスやサイト、企画書までも黒で統一していて、キャッチコピーの黒い会社もそうした特徴から来ています。
特にインパクトがあるのは、ブラック企業に対して強いパッシングがある現在の風潮の中で、「ブラックな企業」というワードでインパクトを与えていることです。
また、採用サイトも企業らしからぬアーティスティックなデザインになっている他、ブラック企業を匂わせるような「噂」が掲載されているなど、全体を通して面白い会社作りというコンセプトに沿って構成されています。
創作のヒントになるキャッチコピー自動作成ツール
ここまで様々なキャッチコピーを紹介してきましたが、なかなかオリジナリティのあるものを考えるのが難しいという人もいると思うので、自動でコピーを作成してくれるツールを紹介してきます。
ただ、こうしたツールに頼らず自社が求める人材と伝えたいメッセージからコピーを考える方が効果があるので、あくまでどうしても浮かばないといった時に使用するよう注意してください。
今回紹介するのは以下の3つのツールです。
・コピーメカ
・ぽいっとキャッチコピー
・キャッチコピーメーカー
コピーメカ
これは「服」や「旅行」など一般的な商品やサービスの名称と企業独自の固有名詞を入力し、プルダウンリストの中から「買う」「見る」といった動詞を選択することで7つの異なるコピーが自動作成されます。
全部で220通りの案があり、毎回作成されるコピーは異なります。基本的に一定のテンプレートに沿ったものしかできませんが、テンプレート自体が面白いので、ここで作成した案を元に再考するのもおすすめです。
ぽいっとキャッチコピー
このツールはアピールしたいキーワードを入力するだけで、それに合わせたキャッチコピーを大量に作ってくれます。
こちらも型にはまった表現しかできないので、しっくりこないものも多いですが、とにかく膨大な数のコピーを作ってくれるので、複数の表現を組み合わせれば名案が浮かぶかもしれません。
また、このサイトでは入力したキーワードを元に楽天で商品検索ができるようになっているので、キーワードから連想される商品や類似商品のリサーチもできるようになっています。
キャッチコピーメーカー
このツールも入力したキーワードを元にテンプレートに沿ったキャッチコピーが作れます。ただ、1回に1つしか作成されないので、他の2つと比べるとそれほど使い勝手はよくありません。
作成されるキャッチコピーが句読点を用いた表現が多いので、そういったコピーを作りたい場合は参考にしてみるのも1つの手段です。
また、作成したコピーは直接ツイートできるので、先にインターネット上で反応を確認できます。
まとめ:採用サイトを読んでみたくなるキャッチコピーを考えよう
今回はキャッチコピーの作り方や参考となる例を紹介してきましたが、キャッチコピーは求職者に興味を持ってもらったり、エントリー数の増加やブランディングといった役割を担っています。
そのため、誰に何を伝えるのかを明確にしつつ、シンプルさやインパクトなども意識したコピーを目指しましょう。
各企業のコピーや自動作成ツールなどを参考にしながら、求職者が採用サイトを読みたくなるようなフレーズを考えましょう。
この記事のおさらいポイント
・経営理念やビジョンなどにもキャッチコピーに含める
・キャッチコピーは求職者の属性と伝えたい内容を明確にして決める
・複数の案を出し、それらを組み合わせるなどしてキャッチコピーを考える
・美化したフレーズや難しい言葉では求職者に響かない
・シンプルさとインパクトを重視し、短いフレーズを考える
・ひらがなやカタカナ、句読点などをうまく活用してキャッチコピーを作る
採用サイトは、採用戦略の1つでしかなく、とりあえず採用サイトを制作しても求人が増えることはありません。
弊社は、お客様の採用戦略に最適な採用サイトの提案ができますので、ぜひご相談ください!