昨今、BtoB業界でも『コンテンツマーケティング』に取り組み出す企業が増えてきました。
インターネットが発達した現在、顧客企業は営業マンに会う前の情報収集で、購買プロセスの60%を終わらせていると言われています。
そのため、コンテンツマーケティングで『情報収集』のフェーズへ積極的なアプローチをすることが、ビジネスチャンスに繋がると言っても過言ではありません。
今回は、業績をあげたいと思っているBtoB企業のために、コンテンツマーケティングの基礎知識や、BtoB企業にマッチしたコンテンツマーケティングのポイントを紹介していきます。
この記事を読んだらわかること
・BtoB企業がコンテンツマーケティングを行うべき3つの理由
・BtoB企業がコンテンツマーケティングを行う時の4つのポイント
・BtoB企業のコンテンツマーケティング成功事例
コンテンツマーケティングには広告、動画、SEO、オウンドメディアなど、様々な種類がありますが、弊社はオウンドメディアを軸としたコンテンツマーケティングの提案が得意です。 初心者の方からコンテンツマーケティングで成果を出せない方など幅広いお客様への対応が可能ですので、ぜひご相談ください!
そもそもコンテンツマーケティングとは?
コンテンツマーケティングとは、以下の一連の施策のことを言います。
- 種まき:顧客にとって有益な情報を提供し、自社に興味や信頼感を持ってもらう
- 育成:様々なコンテンツで優良見込み客へ育てていく
- 収穫:最終的に自社のファン(リピーター)になってもらう
わかりやすいように、顧客を『成熟すれば何度も収穫可能な果実の木』と例えてみました。その木に対して『種まき・育成・収穫(その後も育成・収穫をリピート)』をする一連の作業がコンテンツマーケティングだと考えてみてください。
この手法では、種まきの段階で顧客の悩みや疑問や興味に対して有益なコンテンツを提供します。
そのため『今すぐ客』だけでなく、自社や商材についてのニーズが顕在化していない幅広い『潜在客』にもアプローチできます。
インターネットは地域に縛られないので、地方・都市部・海外のように地理的に離れていても関係ありません。
そういった幅広い見込み客・潜在顧客を、『何度も果実をつけてくれる木に育てる』ことで、より安定した収益につなげられるのです。
BtoB企業がコンテンツマーケティングを始めるべき3つの理由
上記のコンテンツマーケティングの基礎知識だけでも、BtoB企業へのメリットの高さがわかるでしょう。しかし、その他にもBtoB企業がコンテンツマーケティングを始めるべき理由が3つあります。
- BtoB商材は高価格であるため
- btoB商材は認知度を獲得しづらい
- Googleの評価基準『YMYL』の考え方
BtoB商材は高価格であるため
BtoB商材は高価格なので、BtoCのように個人が即決で購買を決定することはありません。なぜなら顧客側は、『価格に見合ったリターンが自社にもたらされるかどうか?』を検討する必要があるからです。
BtoB企業で商材の導入を検討する場合、担当者が必ず商材について企業サイトからパンフレット、書籍・Webサイト・知人など様々な媒体を通して綿密なリサーチを行っていきます。
また、そのリサーチ結果に基づいて企業の上役の稟議を通す必要も出てくるでしょう。そこで上役から許可が降りれば、実際に商談に移り、営業担当と何度も交渉を重ねていきながら最終的に契約となっていきます。
BtoB商材は高価格で『失敗できない』というプレッシャーもあるので、こういった慎重なプロセスが重要になってくるのです。そのため販売側も、見込み客が十分に検討できるように様々な情報を提供する必要があります。
コンテンツマーケティングでは、上述した検討材料となるコンテンツをフルに使用して、情報発信していくマーケティング手法です。
その見込み客のフェーズに合わせて最適なコンテンツを提供し、顧客の熱量が上がった段階で営業担当に引き継ぐこともできるので、十分な検討が必要なBtoB商材と非常に相性がいいと言えます。
BtoB商材は認知度を獲得しづらい
BtoB商材は、BtoC商材に比べて一般的に認知度が高くありません。
例えば世界一性能のいい機械の部品(BtoB商材)と、国内に浸透している扇風機(BtoC商材)のどちらが認知度が高いかといったら、後者の方をあげる人がほとんどでしょう。
そのため見込み客は自力で情報収集して商材まで辿り着く必要があります。
ちなみに、認知度の低い商材について調べる見込み客は、以下のように商品名や企業名ではなく商材に関連しそうなキーワードで検索するケースが多いです。
半導体のスイッチ部品が欲しい!
↓
最適な企業・商品がわからない
↓
『半導体 スイッチ』で検索
↓
上位表示されたページや企業をチェック
その点コンテンツマーケティングでは、認知度が低くい商材でも関連性のあるキーワードを使ってコンテンツを作り、検索上位表示されるように対策していく手法も行なっていきます。
そのため、テレビCMなどの広告を打たなくても、見込み客にリーチすることが可能です。
また、見込み客が求めている商材や関連ワードに対して専門性の高いコンテンツを提供することで、企業のブランディングや信頼にも繋がっていきます。
Googleの評価基準「YMYL」の考え方
また、BtoB企業のコンテンツマーケティングは、Googleの評価基準『YMYL』の視点から見ても相性が抜群です。
『YMYL』とは、『Your Money or Your Life』の略称で『あなたのお金、あなたの人生』という意味。簡単にいうと、ユーザーのお金や人生に関わりが深い情報に対して『正確性・信頼性』を重視するということです。
例えば、素人が医療について語るのと、医師免許を持った人が医療を語るのでは、後者の方が信頼性や正確性は高いと判断されます。
検索エンジン(特にGoogle)のAIは、リンク・コンテンツの質・表示速度のような様々な評価基準を持っていますが、その中でもこの基準がとても重要視されています。
そのため、素人よりも専門性が高い企業の方が、Google検索においては有利に働くのです。
BtoBコンテンツマーケティングの4つのポイント
コンテンツマーケティングの性質上、BtoB企業は非常に相性が良いことをわかっていただけたかと思います。しかし、ただ闇雲にコンテンツマーケティングを行なっても成果は出せません。
特にBtoB業界はBtoCと販売プロセスが異なるので、巷に溢れるBtoCコンテンツマーケティング情報を参考にしてもうまくいかない可能性があります。
そこで、BtoBコンテンツマーケティングには、以下の4つのポイントに気をつけましょう。
- 中長期的な計画を立てる
- ターゲットに合わせた施策を策定する
- 目的に合わせたKPLを設定する
- 運営体制を整える
中長期的な計画を立てる
コンテンツマーケティングは、軌道に乗れば広告費をかけずとも継続的に成果を出していけますが、効果が出るまでには時間がかかります。
まず実際にコンテンツ制作に入る前に、ニーズ調査や競合調査やキーワード調査などに時間がかかりますし、コンテンツ制作をする際にも多くの時間を要します。
また、コンテンツ配信後に成果を出していくためには、ユーザーの動きを分析してPDCAを回す必要がありますが、アクセス数がなければ分析のためのデータも集まりません。
アクセス数が増えるためには検索上位表示されたり、SNSで拡散される必要がありますが、検索エンジンに評価されたりSNSのフォロワー数が増えるまでの時間もかかるのです。
そのためコンテンツマーケティングの場合、最低でも半年〜1年以上を想定して中長期的な計画を立てていく必要があります。
引用:https://wacul.co.jp/pressrelease/aiw_launch/
上記は『AIアナリスト』を展開したWACULのコンテンツマーケティング推移のグラフです。
初めのうちは費用をかけている割に効果が薄いことがわかるでしょう。
コンテンツマーケティング開始時から1年弱で効果が出始め、安定するにつれ費用対効果が良くなっています。
ターゲットに合わせた施策を策定する
当たり前のことですが、他社がコンテンツマーケティングで成功したからといって、同じ施策で成功するとは限りません。BtoB企業によって扱っている商材が異なれば、狙っているターゲットも異なるためです。
そのため、まずはターゲットを明確にしていく必要があります。
ターゲットが決まれば、動画が必要なのか?記事で説明した方がいいのか?メルマガでダウンロード資料を提供したらいいのか?と、必要な施策が浮かんできます。
施策を明確にするカスタマージャーニーマップ
ターゲットに合わせた施策を明確にしていくには、カスタマージャーニーマップを作成していくことが重要です。
カスタマージャーニーマップとは、ターゲットが企業や商材を認知してから購入してファンになっていくまでのプロセスを、地図のように図にして可視化したものです。
それぞれのフェーズにおいて、ターゲットがどのような気持ちだったか?どのような疑問や課題を抱えているか?が明確になるため、ターゲットに合わせたコンテンツマーケティング施策が可能になります。
参考:コンテンツマーケティングに必要なカスタマージャーニーとは?必要性や作成方法について解説
目的に合わせたKPIを設定する
コンテンツマーケティングでは行っていく施策が多岐に渡るため、その施策や目的によってKPIが異なります。
例えば、オウンドメディア・コーポレートサイト ・ブランディング別でKPIを設定した場合は、以下の通りです。
【オウンドメディアのKPI例】
- PV数
- クリック数
- 更新記事数
- SNSシェア数など
【コーポレートサイトのKPI例】
- CV
- CVRなど
【ブランディングのKPI例】
- コンテンツマーケティング開始時の商談化率
- 商談成功率
他にも、会員(リード)獲得数やエンゲージメント数、リテンション数などがあります。
運営体制を整える
コンテンツマーケティングには、目標設定から実際のコンテンツ制作や、制作したコンテンツの編集・分析・改善・広告・SNSなど、あらゆる業務があります。
そのため、他の業務と兼業してしまうと煩雑になり、成果が出しにくくなります。
ですので、コンテンツマーケティングを行うことを決定した場合は、1人の社員に兼業でまかせるのではなく専門の運営チームを作っていきましょう。
どのような施策を行なっていくかによっても変わってきますが、運営チームで基本的に必要となる人材は以下の通りです。
- PM(プロダクトマネージャー)
- メディア編集長
- ライター
- デザイナー
- マーケッター
- エンジニア
- ディレクター
- 動画製作者
また、社内リソースが足らない場合は外注も可能ですが、コンテンツマーケティングの方向性の舵をとる担当者は、必ず必要です。
しかし、質の高いコンテンツを制作できれば、ほぼ永続的に集客ができるのが最大の強みです。
片手間で始動しても効果は薄いので、やるからには1~2年の長期的な計画を行い、費用と人材も十分に準備しておきましょう。
BtoBコンテンツマーケティングの成功事例
ここからは、BtoBコンテンツマーケティングで参考にしたい成功事例を紹介していきます。
MFクラウド 公式ブログ(株式会社マネーフォワード)
クラウド会計サービスを展開する株式会社マネーフォワードでは、お金や運営に悩んでいる担当者やこれから起業する人を主なターゲットにオウンドメディアでコンテンツを配信しています。
役立つ情報を掲載しているだけでなく、見積書や請求書のテンプレートのダウンロード資料を用意し、よりコンバージョンに近い見込み客を呼び寄せています。
さらに、サービスについてのホワイトペーパーも用意していて、ダウンロード時に顧客情報を取得することでリード獲得に成功しています。
CustomerSuccess(株式会社セールスフォース・ドットコム)
マーケティングオートメーションなど、さまざな顧客管理オートメーションを世界規模で展開するセールスフォースも、コンテンツマーケティングを展開しています。
マーケティングに関する悩み解決情報はもちろん、セールスフォースしか提供できない世界規模のイベントレポートなどで独自性を発揮。
ユーザーの興味を引きつけつつ、マーケティングに悩んでいる人に対して独自で行なった様々な調査結果をeBOOKで提供しています。
eBOOKのダウンロード時は顧客情報を入力するようになっているため、リード獲得に貢献しています。
バーコード講座(株式会社キーエンス)
ファクトリー・オートメーション総合メーカーである株式会社キーエンスでは、バーコードや2次元コードの基礎知識が学べるオウンドメディアを展開しています。
説明されただけではわかりにくいコードの仕組みが図解されているので理解しやすく、無料会員登録すれば40種類以上にも登るPDF資料を自由にダウンロードできます。
センサー技術やコードなどに対する専門的でわかりやすい情報を配信することで、企業のブランディングや見込み客の囲い込みに成功しています。
MISOCA(株式会社Misoca)
株式会社マネーフォワードの競合である株式会社Misocaでも、オウンドメディアを配信しています。
株式会社Misocaは、有名な会計ソフト弥生シリーズで信頼性やシェアを勝ち取っているためか、オウンドメディアでは堅苦しさを捨ててユーザー目線に立った語りかけるようなハウツーコンテンツが特徴的です。
『わかりやすさ』を重視することで、これから顧客になる見込みのある起業家やフリーランスの囲い込みに成功しています。
XD(PLAID)
CXプラットフォーム『Karte』を展開する株式会社プレイドでは、顧客体験を向上していくための情報をオウンドメディアで配信しています。
世界に名だたる日本の大企業を顧客に持っているため、顧客体験向上の成功事例や大手のインタービューなど、他では得られない独自の情報を数多く掲載しています。
このオウンドメディアでは、サービスをプッシュするのではなく顧客体験向上の重要性を認知させ、サービスの必然性に繋げています。
まとめ:BtoBコンテンツマーケティングで集客を強化しよう
現在は企業も、必要な商品・サービスを導入する前に、インターネットの情報収集などでほとんどの購買プロセスを完了させる時代です。
これまでとは購買プロセスの流れが変わっているので、今までと同じようなプッシュ型のマーケティング手法では限界がきてしまうでしょう。
BtoB企業は、コンテンツマーケティングを行うことで自社の専門性や信頼性を見込み顧客に認知してもらい、検索エンジンにも評価されやすい点が大きなメリットです。
とはいえ、コンテンツが飽和状態になってしまうと競争が激化するのは言うまでもありません。競合他社に後れを取る前にコンテンツマーケティングを導入し、集客を強化していきましょう。
この記事のおさらいポイント
・BtoB商材は、コンテンツマーケティングに適している
・コンテンツマーケティングは中長期的に計画して運営体制を整える
コンテンツマーケティングには広告、動画、SEO、オウンドメディアなど、様々な種類がありますが、弊社はオウンドメディアを軸としたコンテンツマーケティングの提案が得意です。 初心者の方からコンテンツマーケティングで成果を出せない方など幅広いお客様への対応が可能ですので、ぜひご相談ください!