技術やデバイスの進化でインターネット利用者が増加し、Web上でのマーケティングも一般的になりました。Webマーケティングには様々な施策や手法がありますが、その中でも代表的な手法になりつつあるのが『コンテンツマーケティング』です。
コンテンツマーケティングは、成功すると広告費を大きくかけなくても成果を出せる手法ですが、運営方法によっては失敗してしまうケースも少なくありません。しかし失敗は、事前に失敗事例を理解しておけばある程度防げます。
今回は、コンテンツマーケティングの失敗を防いでより成果に繋げていくために、失敗事例とその解決方法について詳しく解説していきます。
この記事を読んだらわかること
・コンテンツマーケティング展開中の失敗事例
・その他の失敗事例
コンテンツマーケティングには広告、動画、SEO、オウンドメディアなど、様々な種類がありますが、弊社はオウンドメディアを軸としたコンテンツマーケティングの提案が得意です。 初心者の方からコンテンツマーケティングで成果を出せない方など幅広いお客様への対応が可能ですので、ぜひご相談ください!
失敗1.目的やゴールが曖昧
現在はWordPressのようにコンテンツを更新するのに便利なCMSが数多く提供されており、システム構築さえしてしまえば誰でも手軽にオウンドメディアなどでコンテンツマーケティングを始められます。
そのため、なんとなく立ち上げて自社の好みのコンテンツを制作・配信しているケースも少なくありません。
しかし、「競合他社が始めたから、とりあえずうちも始めよう」という動機で、目的やゴールを曖昧にしてしまうと失敗するため注意が必要です。
回避策
コンテンツマーケティングは確かに成果が出ればコストパフォーマンスが良くなりますが、効果が出るまでは予算を組んで人材投入する必要もあります。
そのため、予算や業務計画などから『どの程度のラインをゴールにできそうか?』を以下のように導き出すことが重要です。
- なぜコンテンツマーケティングを取り組むのか?(目的)
- 売り上げ、PV数、CV数など(ゴール)
- 期間も設定
もし、自社に合った目標・ゴールの基準がわからない場合は、専門家に相談しましょう。
失敗2.運営体制が整っていない
コンテンツマーケティングは様々な業務が必要となるため、通常の業務と兼任で行なってもうまくはいきません。
そのため、運営体制を整える必要があります。運営に必要な面ガーは以下の通りです。
- ライター&編集者
- プロデューサー
- ディレクター
- デザイナー、エンジニア
- マーケター
ユーザーを納得させられるコンテンツ制作には多くの時間や技術が必要ですし、広告・SNS・メルマガなど様々な運用があり効果測定や改善も必要です。
回避策
こういった失敗を回避するためには、コンテンツマーケティングを社内で取り組む上で誰をどのポジションに抜擢するのかを決める必要があります。
ただしある程度の規模の企業でもない限り、前述した専任メンバーを社内で全て賄うのは困難な場合が多いです。自社で足りないリソースがあれば、マーケティング会社やクラウドソーシングなど、外部に委託しましょう。
失敗3.ターゲットが明確ではない
マーケティングを成功させるためにはターゲット設定が必要不可欠ですが、コンテンツマーケティングでも例外ではありません。
ターゲットを設定しなければ、どのようなコンテンツを配信したらいいか明確にならず、コンテンツ制作が自己満足のものになってしまいがちだからです。また、訴求がぼやけたコンテンツは誰にも響かないため、成果に繋がらず失敗します。
ターゲットの性別や年齢層が違うだけでもコンテンツマーケティングの施策が大きく異なってくるため、必ず明確に設定しましょう。
回避策
ターゲット設定では、ただ『30代男性』のように大雑把に設定するだけでは訴求がぼやけてしまいます。ターゲットとなる大まかなユーザー層を設定したら、次は具体的な架空の人物像(ペルソナ)を設定していきましょう。
またペルソナ設定後は、ターゲットがどのような過程をたどって自社との接点を持ち、どのようにコンバージョンに繋がっていくかを想定する『カスタマージャーニーマップ』の制作も重要となります。
参考:コンテンツマーケティングに必要なカスタマージャーニーとは?必要性や作成方法について解説
失敗4.効果測定ができていない
コンテンツマーケティングはコンテンツを制作・配信したら、効果測定を行わなければいけません。当たり前のことですが、意外にこの効果測定ができていない企業様を多く見かけます。
コンテンツを配信し、PV数や流入経路の分析、コンテンツの分析などを行わなければ、何が成果に繋がっているかわからないため失敗に終わってしまいます。
回避策
コンテンツマーケティングでコンテンツを配信したら、コンバージョン率を最大限高めるためにも、常にPDCAを回しながらコンテンツの改善を行なっていく必要があります。
まずは、Googleアナリティクス・ヒートマップ ・サーチコンソールなどの解析ツールを導入し、効果測定できる体制を整えましょう。
そして最初に設定した目標やゴールからKPIを設定し、効果測定から仮説を立て、具体的な改善策を練っていくことが成功の近道です。
失敗5.自社に都合の良い情報だけを掲載してしまう
ターゲットの項でも触れましたが、コンテンツを制作する際に自社の都合の良い情報だけを掲載してしまい、ユーザーの離脱やコンバージョン低下の原因になっているケースが多いです。
ユーザーは、欲しいと思った情報でなければ興味を示しません。自社の自己満足なコンテンツ配信は、ユーザーに閲覧してもらえないためアクセスが集まりません。
回避策
コンテンツマーケティングは、ユーザーに有益なコンテンツを配信して最終的に自社のファンとなってもらう施策です。そのため、自社にとって都合が良い情報ではなく、『ユーザーに役立つ情報』を提供して信頼性を高めることが重要です。
まずは、ユーザーがどんなことで困っているのか?を調査しましょう。方法としては、以下の方法からあぶり出していくのがオススメです。
- キーワード調査
- 該当インタビュー
- 問い合わせ内容
YouTubeやSNSのトレンドなどから、ユーザーが欲している情報を探すのもおすすめです。
失敗6.初期投資が少ないもしくは、かけ過ぎてしまう
オウンドメディアなどでコンテンツマーケティングを展開する場合、初期投資やランニングコストがかかります。これは、例え外部委託を避けて自社リソースだけで展開している場合でも同じで、コンテンツマーケティングを展開していく際に人件費がかかります。
初期投資はもちろんコンテンツマーケティングに当てる予算内から出していくのですが、計画的に投資を行わないと上手く続きません。
例えば、初期投資が少なすぎる場合はサイトがなかなか育たず、反対にかけ過ぎてしまうとコンテンツ制作やPDCAを回していくための体力がなくなってしまいます。
そのため、予算配分によって長続きせずに失敗してしまうケースも多いのです。
回避策
社内にWebマーケティングに詳しい社員がいる場合は予算配分も取りやすいですが、そうでないケースも少なくありません。社内リソースがない場合は、やはりマーケティング会社から見積もりを取り、中長期的な計画プランを練っていくことをオススメします。
面倒に感じるかもしれませんが、コンテンツマーケティングは中長期的に適切な施策を打っていかなければ効果が出にくいため、このフェーズを怠ると上手くいかなくなってしまいます。
失敗7.ノウハウがなく集客できない
コンテンツマーケティングには、以下のように様々な集客方法があります。
- SEO
- SNS
- YouTube
- Web広告など
これらは、専門的なノウハウがなければ効率よく展開できません。
もちろん、才能やセンスは関係なく学習すれば誰でもできるようになりますが、学習時間やコストを捻出できる会社員は多くないのが現実です。
そのため、知識不足のままコンテンツマーケティングに取り組んでしまい、きちんと効果を出せずに失敗してしまうケースも多いのです。
回避策
前述した集客方法などのノウハウがないというのは、恥ずかしいことではありません。もし、学習時間やコストを捻出できる場合はノウハウの取得をオススメしますが、難しい場合は潔く専門家に相談するのが早道です。
ただし学習時間・コストだけでなく、予算の関係で専門家へ相談するコストすら捻出できない場合は、むしろコンテンツマーケティングを初めから行わない方が賢い選択と言えます。
失敗8.アクセス数は伸びたものの、収益化できなかった
オウンドメディアでのコンテンツマーケティングは、アクセス数を伸ばしても収益化が難しいです。
自社サービスにユーザーを繋げる場合はオウンドメディアとの関連性が重要となりますが、そもそも自社サービスがユーザーにとって緊急性の高い商材でもなければ売上になかなか繋がりません。
このように、コストや時間をかけた割に業績につなげることができず、収支が合わなくなり失敗してしまうケースも多いのです。
回避策
まずは、自社の商材がコンテンツマーケティングに向いているかどうか?を確認しましょう。
コンテンツマーケティングは中長期的に行なってこそ効果が出てくる施策なので、例えば低価格商品を短期間で回していきたい場合などは収益化が難しいです。
また例え向いていたとしても、以下のように何をゴールにするかで成果が大きく異なってきます。
- 無料資料ダウンロードで顧客情報を集める
- 商材の購入など
そのため「目的・ゴール」の項でも触れましたが、ゴール設定を明確にしていくことが重要です。
失敗9.炎上してしまった
コンテンツマーケティングでは、企業側が配信するコンテンツによってユーザーの信頼性を高めていくことが重要です。しかし、配信したコンテンツによって炎上してしまうとメディアを閉鎖せざるを得ない状況に陥る場合があります。
コンテンツは自社や担当者が良かれと思って制作・配信しても、ユーザーに不快感を与えたり社会的に不適切なケースもあります。一度炎上してしまえば、商品のイメージが落ちるだけでなく会社のブランド価値も下がってしまう可能性があるので注意が必要です。
回避策
バズると確かにアクセス数が増加して、一時的に収益が上がる可能性はあります。しかしあくまでも一時的で継続性はなく、コンテンツによっては炎上の危険性もあります。
そのためコンテンツを制作・配信する際には、過激な内容でないか?を確認し、バズを狙い過ぎないようにすることが大切です。一時的な話題性だけを狙うのではなく、ユーザーが求めている情報をきちんと提供していきましょう。
ですので、必要最低限の予算を確保し中長期で運用できる計画を必ず立ててください。
やり方を間違えれば、いつまで経っても投資額を回収できないので、ノウハウがない会社は専門家にアドバイザーとして参画してもらいながら進めましょう。
まとめ:先人たちの失敗を繰り返さないようにしよう
いかがでしたでしょうか。
必ずしも成功するコンテンツマーケティングというのは存在しませんが、失敗している特徴はどの企業も共通しているように感じます。
まずは先人たちの失敗を繰り返さないよう、前述したポイントは必ず押さえ、どうすればさらによくなるかを試行錯誤し、改善するよう心がけてください。
幸いにも今の時代は、自社の足りないリソースは外部に委託できます。そのためにも何を外部委託するのか明確に設計し、委託先とのコミュニケーションも密に行うことが重要です。
この記事のおさらいポイント
・ターゲットとなるユーザーの目線に沿ってコンテンツ配信・分析・改善を行う
・施策に対する専門知識も欠かせない
コンテンツマーケティングには広告、動画、SEO、オウンドメディアなど、様々な種類がありますが、弊社はオウンドメディアを軸としたコンテンツマーケティングの提案が得意です。 初心者の方からコンテンツマーケティングで成果を出せない方など幅広いお客様への対応が可能ですので、ぜひご相談ください!