ユーザーと良好な関係を築きながら、長期的な成果につながる『コンテンツマーケティング』。今日では、BtoC・BtoBに限らずメリットを見出した多くの企業が、コンテンツマーケティングを行なっています。
その流れから、新たにコンテンツマーケティングを導入しようと思っているBtoC企業も少なくないでしょう。
しかし、いざコンテンツマーケティングを行おうとしても、どのようなコンテンツを配信したらいいのか?どの成功事例を参考にしたらいいのか?がわからないケースが多いです。
そこで、今回は業績を上げていきたいBtoC企業のために、コンテンツマーケティングの基礎知識やBtoC企業に合ったコンテンツマーケティングのポイントなどを解説していきたいと思います。
BtoCコンテンツマーケティングで成功した事例も紹介していくので、ぜひ参考にしてください。
この記事を読んだらわかること
・BtoCとBtoBのコンテンツマーケティングの違い
・BtoCコンテンツマーケティングを行う際のポイント4つ
・BtoCコンテンツマーケティングの成功事例
コンテンツマーケティングには広告、動画、SEO、オウンドメディアなど、様々な種類がありますが、弊社はオウンドメディアを軸としたコンテンツマーケティングの提案が得意です。 初心者の方からコンテンツマーケティングで成果を出せない方など幅広いお客様への対応が可能ですので、ぜひご相談ください!
そもそもコンテンツマーケティングとは?
コンテンツマーケティングとは、ユーザーにとって有益なコンテンツを配信して企業や商材に興味を持ってもらい、最終的にファン(リピーター)になってもらうように育成していく一連の手法です。
その手法には様々な施策があるのですが、ユーザーの悩み・興味などに対して有益なコンテンツを配信していくので、『今すぐ客』だけでなく企業・商材を認知していない『潜在顧客』にもアプローチできるのが特徴です。
例えば、サプリメントに興味がないユーザーが、会社の健康診断で高い数値を出してしまったとしましょう。
そういったユーザーに対して有益な健康情報を配信すれば、企業や商品であるサプリメントの存在を認知し、興味を持ってもらえる可能性が高まります。
そして購買してもらった後も、継続して有益なコンテンツを提供すれば企業のファンになり、継続的な売り上げに貢献してくれる可能性もあるでしょう。
このように最終的にユーザーをファンとして育てていけば、継続的に安定した収益を生み出せるのもコンテンツマーケティングの特徴です。
BtoCとBtoBのコンテンツマーケティングの違いは?
BtoCとBtoBの購買プロセスは、原則的に大きな違いがあります。
違いを認識しておかないと、適切なアプローチに繋がりません。
BtoCとBtoBのコンテンツマーケティングには、以下の2つの違いがあるのでしっかり確認しておきましょう。
- ターゲット層
- 検討期間
ターゲット層
まずBtoCとBtoBでは、以下のようにターゲット層が大きく異なります。
- BtoC:基本的に個人
- BtoB:企業(主に決済者)
そのため、コンテンツでアプローチしていく際にも違いが生まれます。
例えばBtoCの場合、購買を決定する人はその個人である場合がほとんどなので、個人の疑問・悩み・興味などに直接アプローチしていきます。
逆にBtoBの場合は、商材を検討している担当者に決裁権があるとは限りません。
その商材の導入によって企業にメリットがあるかどうか?を上役から厳格にチェックされますし、担当者に決裁権がない場合は許可を得てから商談を行い、購買するというプロセスを考慮する必要があります。
検討期間
BtoCとBtoBでは、購買までの検討期間も異なります。
- BtoC:比較的購入までの検討が早い
- BtoB:高価な商材が多いため、検討は長期化
BtoCの場合はターゲットが個人なので、検討期間が長期化することはあまりありません。配信するコンテンツやユーザーのニーズによっては即決で購入してくれる可能性もあります。
しかし、購買後の企業との繋がりは希薄になりがちです。
対して企業をターゲットとするBtoBでは、高価な商材が多いためすぐに購入には至りません。担当者による緻密なリサーチや上役との稟議、営業担当との幾重にものぼる商談を経て、初めて購買となります。
そのため、Web上での集客を行なった後もセミナーや展示会、メルマガ、営業担当への引き継ぎなど様々なプロセスが必要になります。
しかし、その代わりに購買後も企業との繋がりは長期化します。
BtoCコンテンツマーケティングの5つのポイント
BtoCコンテンツマーケティングを展開していく場合は、以下の5つのポイントに気をつけましょう。
- 中長期的な計画を立てる
- ターゲットに合わせた施策を策定する
- 目的に合わせたKPIを設定する
- 運営体制を整える
- ECサイト×コンテンツマーケティング
中長期的な計画を立てる
コンテンツマーケティングは、軌道に乗れば広告費をかけずとも長期的に成果を出していけますが、効果が出るまでには時間がかかります。
まず実際にコンテンツ制作に入る前に、ユーザーニーズ調査や競合調査、キーワード調査などに時間がかかりますし、コンテンツ制作をする際にも多くの時間を要します。
特に、ユーザーに有益なクオリティの高いコンテンツを制作するとなると、1つのコンテンツで数日かかるケースも少なくありません。
また制作したコンテンツを配信しても、検索エンジンに評価されたり、FacebookやツイッターなどのSNSでフォロワー数が増えてアクセス数が増えるまでにも時間を要します。
さらに、成果を出していくためにアクセスしてきたユーザーの分析データでPDCAを回す必要もあるのです。
そのため、コンテンツマーケティングの場合、最低でも半年〜1年以上を想定して中長期的な計画を立てていく必要があります。
引用:https://wacul.co.jp/pressrelease/aiw_launch/
上記は『AIアナリスト』を展開したWACULのグラフです。
初期は費用をかけている割にCV数が少なく、費用対効果が良くないことがわかります。
コンテンツマーケティング開始時から1年弱で効果が出始め、安定しだすにつれて費用対効果が良くなっています。
ターゲットに合わせた施策を策定する
コンテンツマーケティングを行なっていく前に、競合他社や様々な企業の事例を見る人は多いでしょう。しかし、ある企業の事例で成功していた方法を自社で行なっても、必ずしも成功するとは限りません。
なぜなら、企業によって扱っている商材が異なれば、狙っているターゲットも異なるからです。
例えば同じ医療関係でも、小児科と美容整形外科では全くターゲットが違います。
小児科であれば、親がターゲットになります。小児が自分の健康に関して情報収集すると言うのは考えられませんからね。
子供の病気や怪我や発達などに対するコンテンツを配信し、時には緊急時に役立つアプリなどのコンテンツも必要となるかもしれません。
しかし美容整形外科なら、ターゲットは一般女性です。美容整形や脱毛や美容の基礎知識などについてのコンテンツを配信する必要があります。
このように、まずはターゲットを明確にしてそのターゲットに合わせたコンテンツマーケティング施策が重要となってくるのです。
施策を明確にするカスタマージャーニーマップ
ターゲットに合わせた施策を明確にしていくには、カスタマージャーニーマップを作成していくことが重要です。
カスタマージャーニーマップとは、ターゲットが企業や商材を認知してから購入してファンになっていくまでの一連のプロセスを、地図のように図にして可視化したものです。
これにより、それぞれのフェーズでのユーザの気持ちや課題が明確になるので、ターゲットに合わせたコンテンツマーケティング施策ができるようになります。
参考:コンテンツマーケティングに必要なカスタマージャーニーとは?必要性や作成方法について解説
目的に合わせたKPIを設定する
様々な業務を行なっていく上で、現場の一体感や上司への報告目安としてKPIを設定する企業も多いでしょう。コンテンツマーケティングの場合は、様々な施策があるので目的や施策によってKPIが異なってきます。
例えば、オウンドメディアであればPV数やクリック数、コーポレートサイトであればCVやCVRをKPIとして設定します。
企業自体のKGIも考慮しつつ、どの施策でどういった目的を元にKPIを設定していくのか考えていきましょう。
運営体制を整える
コンテンツマーケティングには、Webサイト構築・コンテンツ制作・広告運用・デザイン・SNS運用など、ありとあらゆる業務があります。
また制作していくWebサイトも、コーポレートサイト ・オウンドメディア・ECサイトなど様々です。
そのため、1人の社員を他の様々な業務と兼任にしてしまうと、コンテンツマーケティングの業務が煩雑になり成果が出しにくくなるのです。
コンテンツマーケティングを運用すると決めたら、以下のような人材を揃えて運用体制を整えましょう。
- 責任者
- 編集長
- ライター
- デザイナー
- SEO分析
- 広告運用
- SNS運用など
ECサイト×コンテンツマーケティング
BtoC商材を扱っている場合、すでにECサイトがある企業も少なくないでしょう。
コンテンツマーケティングは、ECサイトのアクセス数を底上げさせて売り上げにも貢献できるため、掛け合わせて運用するとメリットが大きくなります。
すでにECサイトがある場合は、ECサイト内にブログ記事などのコンテンツを投稿できるように環境構築をしましょう。環境が整い、コンテンツを配信し続ければ、検索エンジンからの評価も上がるため、様々なキーワードで上位表示されやすくなります。
しかし、質の高いコンテンツを制作できれば、ほぼ永続的に集客ができるのが最大の強みです。
片手間で始動しても効果は薄いので、やるからには1~2年の長期的な計画を行い、費用と人材も十分に準備しておきましょう。
BtoCコンテンツマーケティングの成功事例
ここからは、BtoCコンテンツマーケティングを行う上で参考になる成功事例を紹介していきます。
ニキペディア
ニキビケア用品でおなじみのザ・プロアクティブカンパニー株式会社では、ニキビに対するお役立ち情報をオウンドメディアで配信しています。
ニキビの種類からニキビ対策やニキビ痕、体のニキビや、ニキビに関連した様々な悩みまで配信していて、専門性の高い有益なコンテンツが豊富です。
また、コンバージョンはもちろん自社商品ですが、コンテンツの中にはニキビ対策に最適な方法として医療機関やサプリメント、お役立ちアイテムなどを紹介していて、自社製品に偏らない中立性が信頼感を高めています。
くらしの良品研究所
『無印良品』を展開する株式会社良品計画では、『ユーザーとのコミュニケーションから商品開発をしていく』というモットーをコンテンツマーケティングで活かしています。
ECサイトと連動したオウンドメディアでは、ECサイトのリクエストページに寄せられたリクエストや、リクエストから開発された商品を紹介。
リクエストから開発された商品には開発者のコメントが掲載されていて、ユーザーのリクエストがどのように反映されたのかがわかります。
旅ブロ
旅行会社を展開する株式会社エイチ・アイ・エスでは、コンテンツマーケティングで『世界各地にいる支店スタッフが現地情報を発信する』という面白い取り組みをしています。
普段は見えにくい海外支店のスタッフが間近に感じられ、親近感を与えています。。また、現地の観光情報やスタッフの生の感想を届けることで、ユーザーが旅行計画を立てる際の資料としても役立っています。
ニチイの介護サイト
幅広い社会福祉事業を展開している株式会社ニチイ学館では、介護が必要なターゲットに対してコンテンツマーケティングを行なっています。
オウンドメディアでは介護について専門性の高いコンテンツが豊富で、文章で説明が難しい内容は画像や動画を使ってわかりやすさに努めています。
また介護を頼みたいターゲットに対して、様々な種類の介護サービスで必要な料金や、施設・サービス内容などを詳細に紹介しています。
大人の自由な一人旅
リゾート施設を日本全国で展開している株式会社星野リゾートでは、『一人旅を楽しみたい』ターゲットに対してコンテンツマーケティングを行なっています。
一人旅をする際のアドバイスや、オススメの旅スタイル、地域別のおすすめプランなどを紹介することで、『一人旅したいけど、どんな風にしたらいいかわからない』というターゲットの潜在ニーズに答えています。
ライフネット生命
店舗を持たずに保険の見積もりから契約までをWeb上で完了できるライフネット生命保険株式会社では、コンテンツマーケティングで『保険に対してのニーズが顕在化していない潜在顧客』にアプローチしています。
そのため、オウンドメディアでは保険に関連するキーワードがほとんど圏外となっています。
しかし、人生・お金・仕事・健康など様々なジャンルに興味を持つユーザーを惹きつけて信頼性を持たせておくことで、企業や商材の存在を認知してもらい、後のコンバージョンに導いています。
メガネスタイルマガジンONGPRESS
『店舗に行かずにWeb上でメガネを購入できる』新感覚なビジネスモデルを展開しているオーマイグラス株式会社では、見込み顧客の獲得手段としてコンテンツマーケティングを行なっています。
オウンドメディアでは、メガネの知識やトラブルの対処法から、目の健康やファッショナブルなメガネ情報まで、役立つ情報を配信。
メガネや目に関するキーワードからたどり着いたユーザーに企業の存在を知らせ、専門性のあるコンテンツで信頼性を高めています。
北欧、暮らしの道具店
北欧の生活雑貨をWeb上で販売する株式会社クラシコムでは、月間1500万PVを誇る人気ECサイトとコンテンツマーケティングを組み合わせています。
このECサイト&オウンドメディアでは、商品ページやそれ以外のコンテンツページが全て、雑誌のようなテイストになっています。
そのため、アクセスしてきたユーザーがお洒落な雑誌を読む感覚で閲覧でき、その中で気に入った商品を気軽に購入できるという、新感覚な楽しみ方を提供しています。
Suumoタウン
株式会社リクルートは、全国の不動産情報を扱っているSUUMOと連携してコンテンツマーケティングを展開しています。
『物件探しの時は良さそうに見えたが、実際住んでみて違った』といった経験は誰にでもあるでしょう。
しかし、SUUMOタウンではそういったギャップを減らすための取り組みとして、体験によって実際に見た街の姿を配信しています。
時には著名人のインタビューであったり、ライターがエッセイのように執筆していたりと形式は様々で、雑誌のような面白さがあるためファンの獲得にも成功しています。
まとめ:BtoCコンテンツマーケティングで集客を強化しよう
BtoC商材はBtoBとは違って回転が早い分、たとえ認知度が高くてもコンバージョン後にユーザーが離れてしまいやすいという特徴があります。
しかしコンテンツマーケティングであれば、ユーザーとの関係性をき築きながら、継続的な業績アップを狙えます。
また、ECサイトと組み合わせて価値あるコンテンツを配信していくことで、サイト自体の評価も上がり、将来顧客になる可能性がある潜在顧客の囲い込みも可能となるのです。
『業績をあげたい』『莫大な広告費用などはかけずに、質のいい顧客を増やしたい』と感じているなら、早速コンテンツマーケティングを導入して集客を強化していきましょう。
この記事のおさらいポイント
・BtoCとBtoBでは、顧客層や購買プロセスが大きく異なる
・BtoCでは、特にECサイトとコンテンツマーケティングを組み合わせるのが効果的
コンテンツマーケティングには広告、動画、SEO、オウンドメディアなど、様々な種類がありますが、弊社はオウンドメディアを軸としたコンテンツマーケティングの提案が得意です。 初心者の方からコンテンツマーケティングで成果を出せない方など幅広いお客様への対応が可能ですので、ぜひご相談ください!