直帰率はECサイトのパフォーマンスを測る代表的な指標の1つです。
Web解析ツールを導入して直帰率を計測し、分析することで、ECサイトの改善点がわかるようになります。
ただWeb担当者のなかには直帰率は把握しているけど、何を目安に良しとしていか、直帰率が高い場合はどう改善すればいいか等いまいちピンときていない方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では業界別のECサイト直帰率や直帰率が高くなる原因、直帰率を改善する方法について解説していきます。ECサイトを改善するうえで直帰率を活用したいと考えている方はぜひ参考にしてください。
この記事を読んだらわかること
・7つの業界のECサイト直帰率(参考値)
・直帰率が高くなる3つの原因とその改善方法
ECサイトは、一から構築すると莫大な費用がかかってしまいますが、弊社はWordPressを使用し、最小限に費用を抑えたECサイトの構築が得意です。ECサイトの制作で費用が気になるという方は、お気軽にご相談ください!
直帰率とは?
直帰率とは、ユーザーがWebサイトを訪れた時、最初に訪れたページのみを見て、Webサイト内の他のページを訪れることなく離脱してしまったセッションの割合を指します。
*「セッション」はサイト訪問から離脱までの一連の流れ。
*「離脱」はブラウザを閉じる、リンクから別サイトに移動する、30分以上何もアクションを行わないでいる等の行為。
直帰率の具体的な数値を出す式は以下のとおりです。
{(1ページだけの閲覧で終わったセッション数)÷(全体のセッション数)}×100=直帰率(%)
数式だけだと少し分かりづらいと思うので、具体例でみていきましょう。なお例はページA,B,C,Dの合計4ページで構成されたホームページで考えます。
【例】
月:A→B→C→D→離脱
火:B→A→D→離脱
水:B→離脱
木:B→C→D→A→離脱
金:A→離脱
上記例の場合、ページAの直帰率は50%、ページBの直帰率は33%となります。
*ページAから始まったセッションが2回(月・金)あり、そのうち1回(金)がページAだけ閲覧して離脱しているので、直帰率は(1÷2)×100=50%。
*ページBから始まったセッションが3回(火・水・木)あり、そのうち1回(水)がページBだけ閲覧して閲覧しているので、直帰率は(1÷3)×100=33%。
ページC、ページDはセッション開始のページとはなっていないので、どちらも直帰率0%になります。
合わせて覚えておきたい離脱率
直帰率と勘違いされやすい指標「離脱率」。離脱率と直帰率を混同してしまい、ホームページ改善に役立てられていない人も少なくないので、違いを説明しておきましょう。
離脱率とは全セッションのうち離脱ページとなった割合をページごとに示す数値で、以下の数式で算出します。
{(対象ページで離脱した回数)÷(全セッションで対象ページにアクセスした回数)}×100=離脱率(%)
前述した例をもとに各ページの離脱率を考えると、
ページA:アクセス4回離脱2回→離脱率50%
ページB:アクセス4回離脱1回→離脱率25%
ページC:アクセス2回離脱0回→離脱率0%
ページD:アクセス3回離脱2回→離脱率66%
ということになります。
【業界別】ECサイトの直帰率まとめ
ここで業界別のECサイト直帰率をみてみましょう。参考サイトの情報をもとに、7つの業界の直帰率を以下の表にまとめました。
業界 | 直帰率 | |
サイト全体 | トップページ | |
店舗商材 | 45%~55% | 25%~35% |
果物 | 60%~70% | 60%~70% |
スポーツ用品 | 60%~70% | 35%~45% |
インテリア | 45%~55% | 25%~35% |
雑貨 | 55%~65% | 35%~45% |
健康食品 | 75%~85% | 40%~50% |
美容食品 | 65%~75% | 75%~85% |
この数値はあくまで参考値なので実際とは異なりますが、ざっと見ただけでも業界によって直帰率の傾向に違いがあると分かりますね。
ただ直帰率に正解や理想値というものはないので誤解しないようにしてください。
ECサイトは同じ業界でも広告の打ち方、集客方法、キャンペーンのリピート施策などによって直帰率が全く異なる場合もあります。
あくまでECサイトの改善ポイントを理解するうえで有用な指標の1つに過ぎないことを理解したうえで、参考にしましょう。
よくあるECサイトの直帰率が高くなる原因
直帰率の概要や参考値を理解したところで、次はECサイトで直帰率が高くなる3つの原因について解説します。
- 他ページへの導線が分かりづらい
- 1ページの内容だけで満足している
- 商品と訪問者のニーズが合っていない
次に説明する改善方法につながる内容なので、自社サイトの直帰率が高い場合はどの原因に当てはまるのか考えてみてください。
他ページへの導線が分かりづらい
ユーザーは、商品を探したい・比較したい・購入したいと考え、ECサイトに訪れています。
そのニーズを無視してデザインに走りすぎ、他ページへ移動するリンクが分かりづらくなっているECサイトは直帰率が高くなりやすいです。
特に重要なのがトップページのリンクの分かりやすさ。
例えば、インテリア系ECサイトだと、家具の名称のテキストリンクだけで埋め尽くされたトップページよりも、家具の種類が一目で分かる画像リンクの方がユーザーの興味が持続して他ページへ移動してもらいやすくなります。
ただし、リンクが多すぎても直帰率を上げる原因になるので注意が必要です。リンクが多いほど、ユーザーは、どこをクリックすれば目的の商品にたどり着けるか把握が大変になるので、ストレスを感じてサイトから離れてしまいます。
1ページの内容だけで満足している
他ページへの導線が分かりやすくても、1ページでほしい情報が全部分かるようなECサイトは直帰率が高くなりやすい傾向にあります。
この傾向は平均滞在時間と直帰率から分析可能です。平均滞在時間が比較的長いのに直帰率が高い場合は、ユーザーが1ページで満足している可能性が高いと考えられます。
解決策の方針は1ページに全情報を詰め込まないこと、他ページも見たいと思わせる見せ方の工夫です。キャンペーンや価格など、ユーザーが興味を持ちやすい情報の見せ方には特に注意してみてください。
商品と訪問者のニーズが合っていない
ECサイトで販売している商品に対して、ベストなユーザーが流入していなければ直帰率は高くなります。
ここでいう「ベストなユーザー」とは、商品の購入を強く希望している人、求めている商品の類似商品を比較検討したい人です。
極端な例をいえば、健康食品がほしい人にスポーツ用品を勧めても、他の情報がもっと欲しいと思えるような興味を引くことはできませんよね。
ECサイトの流入経路を再度見直し、Web広告の最適化やメディアの最適化を行いましょう。
ECサイトの直帰率を改善する3つの方法
では、次に直帰率を改善する3つの方法についてみていきましょう。
- サイト内の導線を改善
- コンテンツやキーワードの見直し
- モバイルフレンドリー、AMP対応
改善方法が分かったら、あとは実行するだけです。
サイト内の導線を改善
関連記事・関連商品の内部リンクの設置、ヘッダー・フッターの設置など、サイト内で導線となるうる部分を改善すると直帰率は下がります。
導線改善の際に重要になるのが「ユーザー目線」です。自社が見せたいもの、知ってほしいものではなく、ユーザーの回遊しやすさを意識して、配置・デザインを考えましょう。
サイドメニューに商品ランキングやセールの告知をいれる等の工夫も、回遊率を上げ、直帰率を下げます。
コンテンツやキーワードの見直し
直帰率が高く、平均滞在時間が短い場合は、コンテンツの見直しが必要です。
ECサイトに訪問するユーザーは、商品を購入する際、失敗したくないと考えています。そのため、商品を即決することは珍しいです。
ですので、実際に使用した映像や写真、ユーザーのクチコミなどを掲載し、なるべくユーザーが商品を手にした際のイメージができるようなコンテンツを配置しましょう。
モバイルフレンドリー、AMP対応
モバイル対応していないサイトは時代遅れ。Googleの検索順位は下がりますし、直帰率も高くなります。
モバイルフレンドリーとはスマホ・タブレットなどモバイルデバイスでの操作しやすさ、見やすさなど表す言葉です。
近年日本ではパソコンよりもモバイルデバイスでインターネットを閲覧する人が増えているので、多くの人にECサイトを利用してもらうためにもモバイルフレンドリーは欠かせません。
またモバイルの表示速度を早くするAMP対応も直帰率改善に繋がります。AMP対応とは仕様に沿ってサイトを構築することを指し、AMPに対応したページは表示速度が格段にアップします。
Googleアナリティクスを使用してECサイト全体の直帰率を確認する方法
GoogleアナリティクスとはGoogleが提供する無料Web解析ツールです。
Googleアナリティクスを使用すれば直帰率も離脱率も簡単に確認できるようになるので、ホームページ改善のデータを収集したい方はぜひホームページに設置しましょう。
Googleアナリティクスの設置はGoogleアナリティクスにログインしてトラッキングコードをホームページに張り付けるだけ。だれでも簡単にできます。
以下、Google導入から直帰率確認までの手順を画像つきで説明していきますのでぜひ参考にしてください。
Googleアカウント登録
まずは検索エンジンで「Google」を検索し、Googleの検索画面右上にある正方形型のアイコンをクリックします。
表示されたメニューの中にある「アカウント」をクリック。
Googleアカウントの公式ページが表示されます。右上の「アカウントを作成する」をクリックしてください。
次画面の登録フォームにしたがって、氏名やメールアドレス、パスワードを入力していきましょう。
入力し終えたら「次へ」をクリック。
続いて電話番号や再設定用メールアドレスを入力して「次へ」をクリックし、最終画面に移動します。
【プライバシーポリシーと利用規約】を読んで、「同意する」をクリックしたらGoogle登録手続きは完了です。
Googleアナリティクスアカウント取得
次に、Googleアカウントにログインしたまま「Googleアナリティクス」を検索し、Googleアナリティクスを開きましょう。
Googleアナリティクスの初期画面では「測定を開始」をクリックしてください。
次画面で計測対象を選択します。「ウェブ」「Apps(アプリ)」「アプリとウェブ」とあるので、ホームページ計測の場合は「ウェブ」を選んでください。
最後に表示される【Googleアナリティクス利用規約】を一読したら、2つのチェックランにチェックを入れて「同意する」をクリックします。
これでGoogleアナリティクスの登録手続きは完了です。
トラッキングコード取得・設置
次は、トラッキングコードです。Googleアナリティクスで取得したトラッキングコードをホームページに設置すれば、直帰率を自動計測できるようになります。
Googleアナリティクスの登録手続きが完了すると、トラッキングコードが発行されるのでコピーしてください。
コピーしたトラッキングコードは計測したいホームページの全ページに貼り付けましょう。
トラッキングコードを貼るのは各ページのソースコードの<head>内です。
貼り忘れがあると正確な直帰率を取得できなくなってしまうので気を付けてください。
トラッキングコードの設置が完了したら、間もなくしてホームページの直帰率他様々なデータが計測され始めます。
確認
Googleアナリティクスで確認できる直帰率は3通りあります。
- サイト全体の直帰率
- 各ページの直帰率
- 各参照元/メディアの直帰率
【サイト全体の直帰率】
左メニューで「ユーザー」→「概要」の順にクリックして、ユーザーサマリーを表示してください。
ユーザーサマリーで「直帰率」に切り替えると、サイト全体の直帰率の推移を確認できます。
【ページの直帰率】
左メニューで「行動」→「サイトコンテンツ」→「すべてのページ」の順にクリックし、サイト内の全ページのデータを表示してください。
指標の一つに「直帰率」があります。直帰率の欄をたどればそれぞれのページの直帰率を確認できます。
【参照元/メディアの直帰率】
参照元/メディアとは、サイト訪問者の流入元です。どこからアクセスしたユーザーの直帰率が高いかをチェックすることができます。
左メニューで「集客」→「すべてのトラフィック」→「参照元/メディア」の順にクリックし、参照元/メディア別のデータを表示してください。
指標の一つにある「直帰率」の欄を確認すれば、各参照元/メディアごとの直帰率がわかります。
まとめ:直帰率はECサイトによって違う
直帰率はGoogleアナリティクスなどWeb解析ツールを使えば簡単に計測可能です。
直帰率を分析すれば、どの商品がユーザーの興味を引いているかやECサイトのどの部分が離脱原因になっているかが分かるようになります。
ただ前述したとおり、直帰率は施策次第で異なる数値が簡単に出てしまうものでもあるので、分析の仕方を間違えないように気をつけなければいけません。
直帰率はECサイトを改善するうえで絶対的な指標としてではなく、参考の1つ程度にとらえておくといいでしょう。
この記事のおさらいポイント
・業種によってECサイトの直帰率の傾向は異なる
・直帰率が高くなる原因を見極めれば改善に活用可
ECサイトは、一から構築すると莫大な費用がかかってしまいますが、弊社はWordPressを使用し、最小限に費用を抑えたECサイトの構築が得意です。ECサイトの制作で費用が気になるという方は、お気軽にご相談ください!