マーケティングの世界で『カスタマージャーニー』という施策がよく使われるています。
コンテンツマーケティングでは、ユーザーを見込客からリピーターになるまで育成していく中で『カスタマージャーニー』を明確にすることが重要です。
とはいえ、『カスタマージャーニー』という言葉を初めて聞いた人や、具体的な制作方法がわからない人も多いでしょう。
そこで、今回はカスタマージャーニー』についての基礎知識や作成するメリット、具体的な作り方や作成時の注意点などをわかりやすく解説していきたいと思います。
この記事を読んだらわかること
・カスタマージャーニーマップの作成方法
・作成時の注意点やオススメのツール
コンテンツマーケティングには広告、動画、SEO、オウンドメディアなど、様々な種類がありますが、弊社はオウンドメディアを軸としたコンテンツマーケティングの提案が得意です。 初心者の方からコンテンツマーケティングで成果を出せない方など幅広いお客様への対応が可能ですので、ぜひご相談ください!
カスタマージャーニーとは?
カスタマージャーニーとは、ペルソナの商品・サービスの認知・購入・リピーターとなるまでの過程を予測したものです。その一連の過程を『旅』になぞらえてまとめていく様子から、英語で『顧客の旅』という意味で『Customer Journey』と名付けられました。
例えば、サプリメントを販売している企業がカスタマージャーニーを行なった場合、以下のようになります。
【例】
- 会社の人間ドッグで数値が良くなかった
↓ - 数値改善にはサプリメントがいいことを知った
↓ - どんなサプリメントがいいのか?価格や特徴やメリット・デメリットなどを情報収集する
↓ - 自分にぴったりのサプリメントが見つかり、購入する
↓ - サプリメントを試して、数値が改善した!
↓ - リピート購入して口コミも投稿した
このように、それぞれのタイミングのペルソナの気持ちや行動を把握し、その流れに沿ったアプローチ方法を考えていきます。
カスタマージャーニーマップとは
カスタマージャーニーマップは、予測したペルソナの行動や気持ちをわかりやすく図にして可視化したものです。
カスタマージャーニーがペルソナの『旅』と表現されるため、その旅の『地図』という意味で『カスタマージャーニーマップ』と名付けられました。
引用元:https://webtan.impress.co.jp/e/2013/11/14/16305
このようにペルソナの動きをただリストアップするだけでなく、わかりやすく可視化することで、必要な施策が一目でわかるようになります。
カスタマージャーニーマップの必要性
カスタマージャーニーマップは、以前にも増して必要性が高まってきています。
その背景として、スマホなど様々なデバイスの普及があります。
これまでは、ユーザーが商品・サービスと接点を持つシチュエーションは、テレビや新聞などのメディア広告や店舗などが主流でした。しかし、スマホなどのデバイスが普及したため、ユーザーはいつでも簡単に商品・サービスと接点を持てるようになり、購入までの経路も多様化しています。
また、SNSやアクセス解析ツールの発達によりユーザーの行動が手にとってわかるようにもなりました。そのため、カスタマージャーニーで購入経路などをおさらいすることで『どこでどういった施策を打つのか』といった戦略が立てやすくなるのです。
カスタマージャーニーマップは、ユーザーの行動を可視化させ、チームの共通認識に繋げます。
カスタマージャーニーマップを制作するメリット
前項で少し触れましたが、カスタマージャーニーマップを制作するメリットをおさらいしておきましょう。
- 顧客目線に立てる
- ペルソナへのアプローチに一貫性が出る
- チームで共通認識が持てる
以上の3つのメリットについて、具体的に解説していきます。
顧客目線に立てる
商品・サービスの開発・営業スタッフなど企業側に立つ場合、常に意識していないとユーザー目線を忘れがちです。
例えば、開発で新技術を導入するため必要性の低い機能を追加したり、実績や評価を上げるために単発のキャンペーンばかり企画したりと、思い当たる節は誰にでもあるでしょう。
カスタマージャーニーマップを利用すれば、忘れがちなユーザー目線を常に再認識し、ユーザーへの理解を深めながら事業に取り組めます。
ペルソナへのアプローチに一貫性が出る
コンテンツマーケティングでは様々な施策を行なっていきますが、ユーザーが途中で離脱せずに流動的に育成されていくのが理想です。
しかし、カスタマージャーニーマップがない場合、施策をする上でペルソナがバラバラになり、一貫性のない単発のアプローチになりがちです。そのため、流動的なコンテンツマーケティング施策にならないので、ユーザーの離脱が増えてしまいかねません。
ユーザー満足度を上げリピーターへ繋げるためには、アプローチの一貫性が非常に重要です。カスタマージャーニーマップを上手く利用しながら、様々なコンテンツマーケティング施策に一貫性が生まれます。
チームで共通認識が持てる
カスタマージャーニーマップを利用すると、チームの共通認識が生まれます。
たとえ小規模の企業でも経営側・開発側・営業側で認識を統一するのは簡単ではありません。それぞれの部署ごとに立場や考え方があるため、コミュニケーションのミスがやトラブルが発生する場合もあるでしょう。
カスタマージャーニーマップは全体の共通認識を統一させるため。そういったミスやトラブルを軽減させる効果もあります。
オウンドメディアで集客した後、コーポレートサイトへの導線を作るのか、資料請求を促すのかなど様々な施策をカスタマージャーニーを元に設計していきましょう。
カスタマージャーニーマップの作り方
カスタマージャーニーマップの必要性やメリットについて理解したところで、次は具体的な作り方を紹介していきます。
カスタマージャーニーマップを制作する際は、以下の手順に沿っていきましょう。
ペルソナを設定する
ペルソナとは、商品・サービスの顧客や見込客の中で、最も主要なターゲットとなる人物像を指します。
ペルソナが固まらず汎用性の高いマーケティングを行うと結果に繋がりづらくなります。
なぜなら、マーケティングを行う社員それぞれのユーザー像が異なれば、アプローチ方法も異なり、ユーザーに刺さりにくくなるからです。
しかし、事業で一番重要なターゲット像を以下のように詳細に設定していけば、アプローチ方法やユーザーに提供すべき情報の認識を統一できます。
また、カスタマージャーニーマップ制作でも具体性を高められるので、ユーザーに最も刺さるアプローチが可能となります。
【例】
- 年齢
- 性別
- 居住地
- 職業
- 役職
- 年収
- 趣味
- 特技
- 価値観
- 家族構成
- 生い立ち
- ライフスタイル
こういったペルソナはただ想像するのではなく、実際のユーザーにヒヤリングしたりアンケートを行うことでより正確な設定できます。
ペルソナの行動や感情、フェーズの設定
次に、ペルソナが商品・サービスを認知してから、購買・リピートや評価に至るまでの具体的な行動や感情などのフェーズを設定していきます。
引用元:https://webtan.impress.co.jp/e/2013/11/14/16305
フェーズの設定は、ペルソナ像の元となった実際のユーザーにヒヤリングしながら設定していくのが一番です。しかし、それが難しい場合はアクセス解析ツールや検索の複合キーワード、質問サイト、SNSなどあらゆる手段で情報収集しながら、ユーザーの行動を探っていきます。
その際に、AISASやAISCEAS、AIDA、AMTULなど、自社にあった購入プロセスモデルを参考にするのもオススメです。
ペルソナのチャネルやタッチポイントの設定
チャンネルやタッチポイントは、例えばペルソナが商品・サービスに接する時に使用しているデバイスやWebサービスなどです。
もし、企業で一番の顧客層が新聞広告から問い合わせてくる場合が多いなら、チャンネルは新聞、タッチポイントは広告となります。
スマホで運営メディアへアクセスすることによって商品・サービスの認知に至るなら、チャンネルがスマホ、タッチポイントは運営メディアとなります。
引用元:https://webtan.impress.co.jp/e/2013/11/14/16305
また、タッチポイントは上記画像のように、最終的な評価にたどり着くまでに商品・サービスに接するポイントが数多くあります。この項では、これら全てのフェーズでチャンネル・タッチポイントを洗い出すことが重要です。
ペルソナの思考・感情の想定
次に、フェーズやタッチポイントごとのペルソナの思考や感情を想定していきます。
ユーザーはフェーズごとに様々な考えや感情の変化を体験していて、それに基づいて商品・サービスへアクセスしてきます。カスタマージャーニーマップでそういった思考や感情まで想定すれば、よりピッタリのアプローチ方法でユーザーの心を掴むことが可能となります。
引用元:https://webtan.impress.co.jp/e/2013/11/14/16305
思考・感情は、良い感情も悪い感情も全て引っくるめて想定すれば、共感性を高めるだけでなく改善点のあぶり出しもできるようになります。
ペルソナの求めている情報の想定
ここまでの工程で、ユーザーのフェーズごとの思考・感情が手に取るようにわかるようになっているかと思います。
最後にその内容を元に、ユーザーがフェーズごとに潜在的に求めている情報や機能・サービスなどを洗い出していきましょう。
引用元:https://webtan.impress.co.jp/e/2013/11/14/16305
そうすることで、コンテンツマーケティングとして具体的に必要なコンテンツ施策が浮かび上がってきます。
カスタマージャーニーマップ作成の注意点
カスタマージャーニーマップの作り方の全体像をわかっていただけたかと思いますが、作成の際には以下の3つの注意点を守る必要があります。
- ペルソナは一人を具体的に設定
- 自社の理想を反映させない
- 徐々に制度を高めていく前提
この3ポイントがズレてしまうと、カスタマージャーニーマップを作っても成果につなげることが難しくなるので注意しましょう。
ペルソナは一人を具体的に設定
商品・サービスによっては、ペルソナが複数人になる場合もあるでしょう。
しかし、複数人のペルソナを元にカスタマージャーニーマップを作成するのは禁物です。なぜなら、少しの違いでフェーズごとのアプローチ方法が変わってくる可能性が高いからです。
カスタマージャーニーマップを作成する際は必ず『1人』のペルソナに絞ることを徹底してください。もしペルソナが複数人必要なビジネスの場合は、その人数分のカスタマージャーニーマップを作成しましょう。
自社の理想を反映させない
カスタマージャーニーマップ作りでは、ユーザーの目線に沿ったプロセスを想定するのが最も重要です。
企業にはアピールしたい部分や見たくない現状があるために、時にユーザー目線から逸脱して自社の理想を反映させてしまうケースも少なくありません。また、一人の社員が作成する場合に、その社員の思い込みが入ってしまうことも良くあるケースです。
しかし、カスタマージャーニーマップにそういった主観が入ってしまうと、ユーザーが本当に求めている情報をあぶり出すのが難しくなります。自社の理想や一個人の思い込みは反映させないように、あくまでも現状を包み隠さず記載しながら客観的に作成していきましょう。
徐々に精度を高めていく前提
カスタマージャーニーマップは幅広い項目があり、ユーザーの複雑な感情も取り入れていくため、最初から完璧性を求めるのは困難です。
項目の多さで目的を見失ってしまわないように、はじめは骨組みだけを制作し、徐々にユーザーのアンケート結果など細かい情報も取り入れて精度を高めていきましょう。そのように仕上げていくことで、認識のズレが生じることも少なくなってきます。
カスタマージャーニーマップを簡単に作れるツール
最後に、カスタマージャーニーマップの作成に便利なツールを紹介していきます。カスタマージャーニーマップはエクセルなどでも作成可能ですが、ツールで簡単に作成したい人は以下のサービスを試してみてください。
ExperienceFellow
https://www.experiencefellow.com/
Experience Fellowでは、プロジェクトを作成しユーザーに商品・サービスを実際に体験してもらいながら、ユーザーから受け取ったフィードバックを元に自動でカスタマージャーニーマップが作成されます。
カスタマージャーニーマップ制作に重要なユーザーの生の声を、インタビューなどせずにユーザー自身が入力して自動マップ化されるため、社員の負担を減らせるのがメリットです。
また、自動でカスタマージャーニーマップが生成されたらフィルター・タグ・コラボレーションなどで分析をし、チーム内で意見共有することもできます。
このツールの料金体系は以下の通りです。
内容 | |||
プラン | 価格(ユーロ/円) ※円は目安 |
分析メンバー | 参加顧客数 |
MINI | 9ユーロ/1100円 | 1人 | 3人 |
SINGLE | 49ユーロ/6000円 | 1人 | 25人 |
TEAM | 89ユーロ/10800円 | 3人 (10ユーロで追加可能) |
50人 |
AGENCY | 159ユーロ/20,000円 | 5人 (10ユーロで追加可能) |
100人 (100ユーロで100人追加可能) |
Marketing Cloud
https://www.salesforce.com/jp/
Marketing Cloudは、マーケティングに関するあらゆる製品を駆使して顧客とOne to Oneのデジタルマーケティングを自動化できるサービスです。顧客へのメッセージ送信や広告やデータ管理、SNS管理などあらゆる製品がありますが、その中でもJourney Builderでカスタマージャーニーマップを作成できます。
Journey Builderでは、ドラッグ&ドロップでカスタマージャーニーマップを簡単に作成できます。また、作成したカスタマージャーニーと他の製品を連携して顧客にマッチしたメッセージなどを的確に送れます。価格は個別見積もりとなっているので、導入を検討する場合は問い合わせてみましょう。
まとめ:カスタマージャーニーマップを作成して適切な施策を打とう
コンテンツマーケティングでは、ユーザーが商品・サービスの利用に至る過程で、そのユーザーにぴったりのコンテンツを提供していくことが重要です。そのために、カスタマージャーニーマップは、ユーザーの行動を視覚化させるために欠かせません。
初めから完璧なカスタマージャーニーマップを制作していく必要はありません。少しずつでいいので、アンケートやインタビューなどでユーザーの声を集めながら、ユーザーが潜在的に求めているものを提供できるように企業全体で取り組んでいきましょう。
この記事のおさらいポイント
・カスタマージャーニーマップを作成する際は、常にユーザー目線を忘れない
・最初から完璧性を求めず、情報収集しながら精度を高めていく
コンテンツマーケティングには広告、動画、SEO、オウンドメディアなど、様々な種類がありますが、弊社はオウンドメディアを軸としたコンテンツマーケティングの提案が得意です。 初心者の方からコンテンツマーケティングで成果を出せない方など幅広いお客様への対応が可能ですので、ぜひご相談ください!