現在、人材採用は売り手市場となっていて、企業が希望する人材を雇用するのが難しくなっています。そんな中で注目されているのが、エントリー率の増加や希望に沿った人材が雇用できるなど採用効率を高めてくれる採用サイトです。
採用サイトはマッチングサイトや求人雑誌などに比べると遥かに自由度が高く、企業の特徴やアピールポイント、ブランドイメージなどを直接発信できます。
但し、採用サイトを使って成果を上げるためには外せないコンテンツがあり、その一つが社員インタビューです。これは社内の雰囲気などを知ってもらうために不可欠で、今回はどのように見せると効果的かというコツなどを解説していきます。
社員インタビューの掲載を考えている方は、ぜひ今回の内容を参考にしてみてください。
この記事を読んだらわかること
・インタビューの対象は代表者、社員、採用担当者
・よりよく魅せるためのコツ
・実際のインタビュー項目、質問内容
・参考になるサイト5選
採用サイトは、採用戦略の1つでしかなく、とりあえず採用サイトを制作しても求人が増えることはありません。
弊社は、お客様の採用戦略に最適な採用サイトの提案ができますので、ぜひご相談ください!
採用サイトにおける社員インタビューの役割
採用サイトにおける社員インタビューの役割は、「魅力」と「安心感・信頼感」を与えることです。
そのために、インタビューする対象は以下の3パターンを必ず用意しましょう。
・代表者インタビュー
・社員インタビュー
・採用担当者インタビュー
代表者インタビュー
インタビューで欠かすことが出来ないのが会社代表者です。
会社の方向性や成し遂げたいビジョンなどについて説明をするとより効果的ですが、あまりビジョンばかりを語りすぎると採用から遠のいてしまうので注意が必要です。
できるだけ希望する人物像をイメージしながら企業の特徴やアピールポイントなどを伝えるようにしましょう。
社員インタビュー
社員は求職者が最も親近感を覚える対象です。
社内の環境や仕事の内容を中心にインタビューすれば、会社の内側をイメージしやすくなります。
求職者が気になる質問内容が大切で、例えるなら以下のような内容です。
・入社後と入社前のギャップ
・仕事のやりがい
詳細は後述しますが、こうした情報がわかると入社後の働く様子が頭に浮かびます。また、年齢や性別、職種に応じたインタビューがあると様々な属性の求職者に響くのでおすすめです。
採用担当者インタビュー
意外と忘れてしまいがちなのが採用担当者のインタビューです。
実は求職者が一番関わるのが採用担当なので、このコンテンツも代表者や社員へのインタビュー同様に忘れてはいけません。
内容は採用に対する考え方であったり、どのように会社に貢献していきたいかという熱意などをインタビューすると魅力をアピールできます。
また、採用担当者の顔写真掲載も重要です。どういう人たちが面接するのかがわかるだけでも安心感があり、エントリーに前向きになります。
採用サイトの社員インタビューをよりよく魅せるためのコツ
社員インタビューはリアルな職場を知ってもらうためのものですが、それ以外にも求職者の興味を引いたり、実際に働いてみたいと思わせなければいけません。
そのためには、インタビューの際に以下の6つのコツを押さえておく必要があります。
・人選は、ターゲットと整合性を合わせる
・できる限り多くの社員からインタビューを取る
・必ずインタビュワーに質問させる
・あらかじめ宣材写真の顔の向きや配置を決めておく
・スケジュールの調整は事前に
・ユーザーを意識した文字起こし
ここではそれぞれの詳細を紹介していくので、参考にしてみてください。
人選は、ターゲットと整合性を合わせる
インタビューのコンテンツを作る上で、重要であり悩むポイントでもあるのが人選です。誰にインタビューするかは求職者のターゲットをどうするかによって変えなければいけません。
例えば、女性社員にエントリーして欲しい場合、女性社員のインタビューが必要ですし、新卒社員を増やしたい場合は新卒1、2年目の社員にシンタビューするのがベストです。
狙っている人物像に近い社員を選定し、インタビューすることで求職者にも響くので、ここは外さないように注意しましょう。
できる限り多くの社員からインタビューを取る
インタビューする社員の数はできるだけ多いほうが理想的で、可能であれば社員全員が望ましいです。
難しい場合は、部署や役職ごとに分けて1人ずつインタビューしましょう。
例えば、営業、エンジニア、人事、総務、デザイナー、マーケッターなど職種によっても仕事内容や働き方、会社のイメージが変わります。
中には社員の8割以上のインタビューを掲載している企業もあります。
特に新卒はどの部署に配属されるかわからない不安要素も大きいため、なるべくオープンに社員の雰囲気などは公開していきましょう。
必ずインタビュワーに質問させる
インタビューを行う際に、質問事項をフォーマットにまとめ、ワードなどで執筆してもらうという方法もありますが、社員の声と称している以上はインタビュー形式が望ましいです。
流れとしては実際にインタビュワーを用意して質問を行い、その会話をボイスレコーダーなどで録音して、最後に文字起こしをします。
手間が多いように感じるかもしれませんが、社員と会話をしていく中で話が膨み、予定していなかった質問が浮かぶなど社員を深掘りに繋がります。
また、リラックスして会話をしてもらうためにもインタビュワーは外部の人に任せるよりも、人事など社内の人間に任せるようにしましょう。
あらかじめ宣材写真の顔の向きや配置を決めておく
社員インタビューには社員の顔写真も必要になるので、インタビューする段階で顔の向きや配置など、どんな写真を撮るかを決めておくとスムーズに制作が進められます。
また、掲載する写真はインタビュー中のもの以外に、働いている様子がわかる写真や社内のイベントの写真などがあると雰囲気が伝わりやすくなるのでもおすすめです。
撮影に関しては、多少費用はかさみますがプロのカメラマンを雇うと綺麗な写真に仕上がり、コンテンツの見栄え質の高いものになります。
写真について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
参考:反響が2倍?採用サイトに掲載する写真の特徴|重要性や撮影の料金相場も紹介
スケジュールの調整は事前に
インタビューを進める上で非常に難しいのがスケジュールの調整です。基本的にインタビューする人全員のスケジュールが合うことは稀なので、事前に調整をしておかなければいけません。
調整は主に採用担当者の仕事ですが、しっかりと社員のスケジュールを把握し、スムーズに進められるよう段取りを組んでおくようにしましょう。
インタビューする社員には回答がしやすくなるように、ヒアリング項目を事前に伝えておくなども重要です。
ユーザーを意識した文字起こし
インタビューが終わったら内容を書き起こす作業が必要ですが、その際にそのまま文字にするのはナンセンスです。せっかくインタビューを行っているので、ユーザーとなる学生や中途の求職者を意識したリアリティのある文章にしなければいけません。
例えば、会話が固い場合は少し砕けた文章にしたり、書き起こしただけではわかりにくい部分を補足する、社長の人柄を社員の声を通して伝えるなど様々な方法があります。
従来の求人募集では伝えられなかった情報もインタビューという形であれば伝えやすくなりますし、社員の口から語られるとリアルに聞こえるので、この特徴をうまく活かしてコンテンツを作りましょう。
そのため、入社したばかりで求職者の立場に近い新卒社員のインタビューや中途採用で入社してきた社員のインタビューはユーザーのニーズにピッタリです。
全社員のインタビューが理想ですが、そこまで手が回らない場合は、ユーザーに合わせた社員を選びましょう。
採用サイトの社員インタビュー項目・質問内容
ここまで社員インタビューのコツなどを紹介してきましたが、実際にどのような質問すればいいのかわからない人もいると思います。そこで以下のようにヒアリングすべき項目を表にまとめてみました。
ヒアリング項目 | 内容 |
プロフィール | 出身学部学科、入社年数、職種、入社の経歴など。 |
入社の経緯 | なぜこの業種、この会社、この職種を選んだのか。ほかに希望したものはないか。 |
会社の雰囲気 | 働いている人材。チームの紹介。入社前と入社後のギャップ。 |
仕事内容 | 1日のスケジュール。どんな職種でどんな仕事か。誰のため、なんのための仕事か。 |
仕事のやりがい | どんな時にやりがいを感じるか。 |
仕事のエピソード | 成功談や失敗談 印象に残っていること 上司や部下、仲間とのエピソード。 |
会社の働き方 | オフの過ごし方、ワークライフバランス、結婚出産など。 |
学生へのメッセージ | 学生に伝えたこと、会社のアピールポイント、どんな人に来て欲しいか。 |
上記はあくまで一例なので、これをベースにしつつインタビューする社員ごとに深掘りしていく内容を決めましょう。
例えば、女性社員であれば働きやすさや育休、結婚についてなど、新卒社員であれば入社後のギャップや現在進行系の仕事内容などです。
こういった内容は求職者の興味を引きますし、合っていると感じればエントリーに繋がる可能性も高くなるので、できるだけ掲載するようにしましょう。
社内インタービューの参考になる採用サイト5選
社員インタビューでは何を聞けばいいか、わかってところで、他社がどのような採用サイトを制作しているのかを見ていきましょう。
今回紹介する採用サイトは基本的に社内写真の使い方が秀逸なので、そういった点も自社のサイトに取り入れるとより効果が高められます。
Sky株式会社
https://www.sky-recruit.jp/
この企業はかなりの数の社員にインタビューを行っていてます。
大卒や専門学校卒、学部名、仕事内容などのタグを選択するすればインタビューを絞って閲覧できます。
ヒアリング項目は就職活動の状況や入社を決めた理由など新卒の学生を意識した内容が中心で、さらにインタビュー記事の最後には「MY PHOTO」と称して社員のプライベート写真を掲載するなど、社員の個性も強調されています。
働いている社員の人物像に焦点を当てて魅せる場合には、ぜひ参考にしてみてください。
sangetsu
https://www.sangetsu.co.jp/recruit/index.html
このサイトの社員紹介は各事業部、役職ごとに行われていて、ヒアリング項目は業務内容や仕事のやりがいが中心です。
求職者が入社後にどのような仕事をするのか具体的にイメージしやすくなる他、オフショットという形で社員のプライベートも紹介しているので、オフの時間も含めたライフスタイルを想像しやすくしています。
インタビューの数自体は多くありませんが、年齢層や仕事内容、性別などバランスがしっかり取れているため、大勢にインタビューできない場合はこのサイトの配分などを参考にしてみましょう。
楽天
https://corp.rakuten.co.jp/careers/graduates/
この採用サイトでは人によってヒアリング項目と1日の仕事の流れが異なります。ヒアリングについては仕事の内容と仕事の流れは固定で、それ以外は働く理由や過去のエピソード、心がけていることなど社員によって変わります。
また、1日の流れはどのような仕事をしているかだけでなく、時間の配分や帰社する時間など日常がリアルに再現されいてます。
働き方や仕事内容などに共感してくれる求職者を集めたい場合は、こうした魅せ方を参考にしてみてください。
大成建設
https://www.taisei.co.jp/saiyo/new/
このサイトでは入社から現在に至るまでどのような仕事に携わってきたのかが大まかな時系列で紹介されていています。
そのため入社後からのキャリアアップのイメージがしやすく、求職者にとっても就職後の人生プランが考えやすくなります。
また、採用担当者のメッセージと求める人物像も明確に記載されているので、ミスマッチなエントリーなども減らせる可能性が高いです。
キャリアアップを含めた将来性をアピールしていく場合は、ぜひこのサイトのキャリア紹介を参考にしてみましょう。
京セラ
https://www.kyocera.co.jp/recruit/new/
京セラのスタッフ紹介は社員ごとに異なるヒアリング項目が掲載されていて、さらにインタビュアーとの対話形式の文字起こしをするなど非常にオリジナリティが高いです。
また、社員一人ひとりの個性が強調されたインタビュー記事でありながら、記事の数も非常に多いので様々な属性の求職者にアプローチできます。
さらにこちらのサイトでもキャリア紹介があり、入社後のステップアップのイメージがしやすいです。全てを真似するのは難しいですが、対話形式の文字起こしや社員ごとに異なるヒアリング項目などはぜひ試してみてください。
まとめ:ターゲットに合わせた社員インタビューを考えよう
今回は社員インタビューのコツやヒアリング項目について解説をしてきましたが、効果を高めるためにはできるだけ社員全員のインタビューを乗せることです。
難しい場合はインタビューする社員を絞り、女性社員や新卒社員、役職や部署などターゲットとする求職者の属性に合った人を選ぶようにしましょう。
ぜひ今回の記事を参考に、社員インタビューを充実させて効果的な採用活動を進めてください。
この記事のおさらいポイント
・代表者、社員、採用担当者のインタビューで企業の魅力や信頼感を与える
・できるだけ社員全員のインタビューを取る
・難しい場合はターゲットとする求職者の属性に合わせて社員を絞る
・文字起こしをする際はわかりやすさや砕けた文章を意識する
・インタビュアーと対話をさせて社員ごとに深掘りするポイントを変えていく
採用サイトは、採用戦略の1つでしかなく、とりあえず採用サイトを制作しても求人が増えることはありません。
弊社は、お客様の採用戦略に最適な採用サイトの提案ができますので、ぜひご相談ください!