オウンドメディアを立ち上げ、成果を上げていくためには記事の量産が不可欠ですが、多くのユーザーに読んでもらえる質の高い記事を制作するには執筆の手順が重要です。
特にブランディングや認知度の向上を目的とする場合は内容のわかりやすさ、情報の濃さにもこだわる必要があります。
逆にタイトルと内容が一致しない、理解しづらい、役に立たないなどユーザーのためにならない記事ばかりでは企業のイメージが損なわれる可能性も高いです。
そこで、今回は以下の記事制作の手順を解説していくので、記事制作で困っている方は参考にしてみてください。
・STEP1 ネタ作り
・STEP2 記事構成の作成
・STEP3 記事のライティング
・STEP4 第三者確認
この記事を読んだらわかること
・ペルソナとキーワードの選定方法
・タイトルや見出しの付け方
・ライティングで注意すべきポイント
・第三者による確認方法【タイトルと見出し、コピペ、文章構成】
オウンドメディアはSEOが重要で、上位表示されなければコンテンツを配信しても意味がありません。我々は自社でもオウンドメディアを運用することでそのノウハウを蓄積し、SEOに強いオウンドメディアの戦略から運用まで提案できますので、お気軽にご相談ください!
STEP1.ネタ作り
記事制作の第一歩は記事の元となるネタ作りです。記事制作が進まなくなる原因の一つにネタ切れがありますが、ここで紹介するポイントを知っておくとネタ切れの心配もいりません。
そのポイントとは以下の3つです。
・ペルソナ設定
・キーワード調査、選定
・競合調査
ペルソナ設定
ペルソナとはターゲットとなる顧客像という意味で、年齢や性別、興味のある事柄などのパーソナルデータを設定して仮想の顧客を作り出すというマーケティング手法です。
オウンドメディアの記事制作は基本的に「誰に何を伝えるか」が重要なので、集客したいユーザーの人物像を作り上げて、その人が困っていることや解決したい悩みをベースに記事を制作するとアクセスが集められます。
例えば20代の既婚男性と50代バツイチの女性では抱えている悩みや知りたい情報が大きく異なるように、「誰が」という部分が定まらなければ的確な情報の配信はできません。
ブログであればそこまで考えずとも自分を主体とした自己満足の記事でも大丈夫ですが、オウンドメディアの場合はニーズのある情報を配信しなければアクセスは増えないので、ペルソナ設定が非常に重要になります。
キーワード調査・選定
ペルソナが設定できた後は、その人物がどんなキーワードで検索をするのかを想定し、実際に検索されているかの調査、その中で効果的なキーワードを選定していきます。
例えば肌荒れで悩んでいる女性がターゲットの場合、「肌荒れ 原因」などで検索する可能性が高く、具体的に原因の目星がついていれば「肌荒れ 化粧品」「肌荒れ 寝不足」といったキーワードで検索するかもしれません。
ある程度キーワードが想定ができたら実際にGoogleのキーワードプランナーなどのツールどの程度検索されているのかボリュームをチェックし、ある程度検索されているものをキーワードとして選定します。
競合調査
キーワードの選定ができたら実際に検索をかけて、どんな記事が上位表示されるのかを確認します。上位表示される記事はユーザーや検索エンジンから評価を得ているので、その内容をチェックしてユーザーが知りたい情報を把握することが大切です。
その際に、最低でも上位10位以内に入っている記事は確認をする方がよく、情報の網羅性を高めるのであればもう少し下位の記事にも目を通す必要があります。
また、検索キーワードは同じでも細かいターゲット設定の違いから不必要な情報が入っている可能性もあるので、ペルソナに合わせて内容を取捨選択しましょう。
リサーチを中途半端にすると、情報の網羅性や情報の専門性が低い記事になってしまうので、留意してください。
STEP2.記事構成の作成
前述したネタが決まったら、次に記事の構成を制作していきます。構成とはどんな内容にするのかという骨組みを意味していて、オウンドメディアの場合はタイトルや見出しなどを決める作業です。
ここでは以下の構成に必要な要素の決め方について解説をしていきます。
・タイトル
・見出し
・簡単なメモ
タイトル
タイトルを決める際は、まず調査、選定したキーワードをタイトルの中に入れます。これは検索をされやすくするためで、前述した「肌荒れ 改善」を入れると「肌荒れに悩む女性が改善すべき3つの生活習慣」というイメージです。
また、具体的な数字も大切で、「83%の女性が効果を実感」「肌年齢が平均5.5歳若返る」などとすると信憑性が高くなります。
他にもどのような問題が解決できるのかを明確にすることも重要です。例えば「化粧品による肌荒れを改善する3つの生活習慣」とすると「化粧品が原因の肌荒れを生活習慣を変えるだけで改善できる」という情報が明確なります。
上述した3つのテクニックが全て入ったタイトルが一番ですが、長すぎると検索表示された際に見切れてしまうのであまり良くありません。全体が表示されるようにするためにタイトルは30文字以内に収めるようにしましょう。
見出し
タイトルを決めるのはなかなか難しいので、いいタイトルが浮かばなければ先に見出しを決めるというのも一つの方法です。
見出しは記事の目次に当たり、見出しを見るだけで大体どのような内容になっているのかがわからなければいけません。見出しが決まると記事の全体像が見えるのでタイトルも決めやすくなります。
また、見出しは「大見出し、中見出し、小見出し」の順で記載をするのがルールです。
なので、大見出しが「おすすめの肌荒れの改善方法3選」であれば、中見出しで各方法のやり方を紹介し、小見出しでそれぞれのメリットとデメリットを紹介するなど、正しい順番で使うという点を忘れないよう注意しましょう。
簡単なメモ
これは必ずしも決める必要はありませんが、上述した見出しを決める際にどんな内容を書くのかメモをしておきます。
例えば食生活による肌荒れ改善のメリットとデメリットであれば、
メリット
・体への負担が少ない
・肌が弱く薬などが使えない人も実践できる
デメリット
・効果が出るまでに時間がかかる
・時期によって手に入りにくい食品がある
のように箇条書きにしておくと記事制作の効率も向上するのでおすすめです。
STEP3.記事のライティング
タイトル、見出しが決まったら実際に記事のライティングに取り掛かります。ここまでのステップで執筆必要な材料は十分揃っていますが、ユーザーに最後まで読んでもらうためにはいくつかのポイントに注意しなければいけません。
そのポイントとは以下の6つです。
・余計な文字は削る
・適度な長さで改行する
・具体的、論理的に説明する
・ペルソナに合わせて専門用語や難しい漢字は極力減らす
・タイトルと本文に相違がないようにする
・語調、表記を統一する
それぞれ以下で詳しく解説していきます。
POINT1.余計な文字は削る
同じ単語や似たような内容を繰り返すと説明が長くなり、内容がわかりにくくなります。なので、不必要な文字はできるだけ削り、スッキリした文章にすることが大切です。以下の例を参考にしてみてください。
【原文】
肌荒れは10代、20代、30代と幅広い年齢の女性が悩む問題で、肌が荒れていることで化粧のノリも悪くなってしまい、それを隠そうとして化粧を厚くするとかえって肌荒れを悪化させてしまうという悪循環に陥ります。こうした肌荒れ問題を改善するには化粧をできるだけしないなど肌への刺激を少なくし、内側から改善をしていく必要があります。
【校正後】
肌荒れは年代問わず多くの女性が抱える問題です。肌荒れを隠そうと化粧を厚くするとより肌にダメージを与えるという悪循環に陥ります。
改善するには肌への刺激を極力避け、内側から改善をしていくことが大切です。
POINT2.適度な長さで改行する
前述した原文では改行がされていないため文章の塊のようになっていますし、一段落の文字数も多く要点が把握しづらいです。校正後の文章では一段落をコンパクトにまとめ、最後の段落に改行を入れて読みやすくしました。
ただ、文章を短くしすぎたり改行を入れすぎると以下のように縦に長くなって読みづらい上に、少し説明不足な印象を受けます。
肌荒れは多くの女性の悩みです。
隠そうとして厚化粧をすると悪化します。
改善するには肌への刺激を抑えることが大切です。
パソコンやスマホなど閲覧するデバイスやサイト設計によって一行あたりの文字数は異なるので明確にどの程度とは言えませんが、一段落を二行程度の文字数に抑えると要点が絞れ、読みやすくなります。
実際にユーザーが見る画面を確認しながら行数や文字数を調整しましょう。
POINT3.具体的、論理的に説明する
抽象度が高い文章は全体像が捉えやすいものの具体性に欠けるのでユーザーの理解や行動には繋がりません。ちなみにこの文章も抽象度が高く、具体的にどうすればいいのかが不明確です。以下でもう少し具体的に説明していきます。
例えば食生活を変えて肌荒れを改善するという記事は、何を食べればいいかという「方法」こそが要点です。
しかし、その方法論が「野菜を食べる」という抽象的な内容だと役に立たず、さらに普段から野菜を食べているのに肌荒れをしている人はどうすればいいのかわかりません。
それよりも「トマトを朝食に何グラム食べる」と方法を明確にし、さらに「トマトに含まれるビタミンCとEが〜」と理屈を説明すると行動しやすくなります。
では、どうすれば具体性と論理性が高くなるかというと、文章に「なぜ(ビタミンが肌質を改善するから)」「何(トマトを)」「いつ(朝食に)」「誰が」「どこで」「どのように(何グラム食べる)」を加えることです。
全てを加える必要はありませんが、多ければ多いほど内容が明確になります。
POINT4.ペルソナに合わせて専門用語や難しい漢字は極力減らす
論文は専門用語が多々含まれているため内容を理解するのは非常に難解ですが、オウンドメディアの記事も同様に難しい用語や漢字が含まれる文章は理解ができません。
例えば理屈を説明する際に、「トマトを摂取することでL-アスコルビン酸がコラーゲンを合成し〜」と専門用語を使ってしまうと理解しにくくなります。
一般的なユーザーは栄養素などについてそこまで詳しくないので、「トマトを食べるとビタミンCがシワがなくなり、ニキビ痕も消してくれます」の方が伝わりやすいです。
ただ、ユーザー設定が医師や弁護士、税理士など専門スキルを有した人たちであれば、逆に共通言語である専門用語を使うほうが理解しやすい場合もあります。
POINT5.タイトルと本文に相違がないようにする
例えば「1日30分でOK!肌荒れを改善方法する3つの習慣」というタイトルの記事で、内容が肌荒れの原因について言及したものであれば、改善方法を知りたくて訪問したユーザーはすぐに離脱をしてしまいます。
離脱率が高いとSEOの上でも不利になりますし、何よりも役に立たない情報を配信しているサイト、タイトル詐欺のサイトという悪いイメージを持たれ自社のブランドを傷つける可能性も高いです。
先にタイトルを決めてしまうと見出しを考える過程で内容がブレる可能性があるので、心配であれば前述した見出しを先に決めるという方法を活用してタイトルと内容が一致するよう注意を払いましょう。
POINT6.語調・表記を統一する
記事の語調と表記の統一は重要です。語調とは「です・ます」や「だ・である」などで、これらが混在すると「〜は〜である。従って〜します。」のように違和感のある文章になってしまいます。
なので、ですます調と決めたのであればそれを貫きましょう。また、用語の表記についても同様で、複数の記事を読むにあたり表現が統一されている方がわかりやすいです。
以下は用語の表記を統一する際の例になります。
顧客、お客様→ユーザー様
商品、サービス→製品
取引先、提携先→パートナー
提携、契約→パートナーシップ
満足度、効率→ユーザービリティ
右側はこだわりがある場合の特殊な表記ですが、特にこだわりがなければ左側の「お客様」や「商品」など一般的な表現で統一するだけでも十分です。
STEP4.第三者確認
記事が完成したら最後に第三者に確認をしてもらいます。これは記事の制作に慣れた人でも誤字脱字などのミスはありますし、主観的には問題がなくても他人が見た時にわかりにくい表現もあるためです。
また、オウンドメディアは記事が検索されなければ意味がないのでSEO対策がしっかりとされているかも確認しなければいけません。
具体的には以下で紹介する3つのポイントを重点的にチェックします。
POINT1.タイトル、見出しは適切か?
タイトルは記事が検索されるかどうか、ユーザーが読みたくなるかを左右する重要なポイントです。
そのため、キーワードが含まれているか、問題の解決につながるか、具体的な数値は入っているかをチェックします。また、タイトルが長すぎると全文表示されなくなってしまうので、コンパクトになるよう内容を調整をします。
また、タイトルと内容が違っているとユーザーに悪い印象を与えてしまうので、各見出しを見直して内容が一致していることを確かめましょう。
POINT2.コピー文章ではないか?
記事を制作する際に、他社オウンドメディアの記事を参考にする場合がありますが、内容がコピーされたものだと検索エンジンによる罰則を受けてしまい、検索順位が大きく低下します。
内容がコピーされたものでないかをチェックする際に使えるのがコピペチェックツールです。ツールには無料から有料のものまで様々ありますが、無料のものは制限も多いので必要に応じて有料のツールなども検討しましょう。
POINT3.文章の編集校正
オウンドメディアの記事は何よりもユーザーに内容が伝わらなければ意味がありません。そこで最後に読みやすいかを確認し必要に応じて文章の編集や校正を行います。
まずは全体的な誤字脱字や言い回し、ペルソナに合った表現になっているかをチェックし、読みにくい箇所は改行や文字数の削減、表現を変えるなどして最後までスラスラと読める記事にしましょう。
専門的な記事で無い限りは、中高生が読んでも分かるような内容を基準として考えるのがベストです。
まとめ:ユーザー読みたくなる記事を制作しよう
今回は記事の制作の方法について順序立てて解説をしてきましたが、オウンドメディアで成果を上げるには第一に検索される、そしてユーザーが読みたくなる記事にすることが重要です。
そのためにもまずはネタ作りとしてペルソナを設定し、誰にどんな情報を届けるのかを明確にします。次にペルソナが検索しそうなキーワードを選定して、それを元にタイトルと見出しという記事の構成を作ります。
構成ができたら実際に記事のライティングに入りますが、文字の長さや内容の具体性、難しい用語などに注意をして読みやすい内容にし、最後に第三者による確認を行うというのが一連の流れです。
まずはユーザーが読みたいと思えるような記事にするという点を意識しながら記事を制作していきましょう。
この記事のおさらいポイント
・手順はネタ作り、構成作り、ライティング、第三者確認
・ネタはペルソナ設定からキーワードを選定する
・タイトルと見出しを決めて構成を作る
・ライティングは読みやすさやわかりやすさに注意する
・第三者確認はSEO、コピーチェック、読みやすさをチェックする
オウンドメディアはSEOが重要で、上位表示されなければコンテンツを配信しても意味がありません。我々は自社でもオウンドメディアを運用することでそのノウハウを蓄積し、SEOに強いオウンドメディアの戦略から運用まで提案できますので、お気軽にご相談ください!