オウンドメディアは企業のブランディングやプロモーション活動を目的として活用されていて、ファンの増加によって集客や販売促進ができる優れた媒体です。
中にはその集客力を使って人事採用に利用している企業もあり、従来の採用活動よりも企業にマッチした人材が採用できるなど大きな成果を上げています。
そこで今回は採用活動にオウンドメディアを活用すべき理由や実際の活用方法などを紹介していくので、オウンドメディアを使った採用を検討している方は参考にしてみてください。
この記事を読んだらわかること
・採用オウンドメディアが普及した理由
・採用オウンドメディアで発信するコンテンツ
・オウンドメディアで採用活動を行っている事例5選
オウンドメディアはSEOが重要で、上位表示されなければコンテンツを配信しても意味がありません。我々は自社でもオウンドメディアを運用することでそのノウハウを蓄積し、SEOに強いオウンドメディアの戦略から運用まで提案できますので、お気軽にご相談ください!
採用オウンドメディアとは?
採用オウンドメディアとは、自社の採用情報や社内の情報を提供する採用特化型Webメディアを指します。
社内の雰囲気や仕事内容、社員インタビューといった記事が一般的で、採用サイトだけでは発信しきれないことを発信する場として有効です。企業それぞれの特徴が出るため、求職者が自分との価値観を照らし合わせる際に役立ちます。
実際、株式会社メルカリやサイボウズ株式会社といった企業が採用オウンドメディアを制作し、人材採用につながっているケースも増えてきました。
採用オウンドメディアが普及した理由
採用オウンドメディアが普及した理由の背景には、時代の変化に伴い、求職者の価値観が変化ているためです。
例を挙げると、給与などの待遇よりも社会の役に立つ仕事に就きたい、毎年安定した昇給よりも今すぐに仕事の内容に見合った給与が欲しいといった変化です。
そのため、いくら求人サイトで待遇面の良さをアピールしても社会への貢献などを優先する求職者には響かず、エントリーにも繋がりません。
また、以前は企業のWebサイトを見る人は多くありませんでしたが、最近は求職者もミスマッチを減らすために企業のWebサイトで情報を得るようになりました。そのため、多くの社内情報を発信できるオウンドメディアが注目されてるのです。
採用オウンドメディアの効果
採用オウンドメディアはユーザーに合わせた情報の配信によってターゲットを絞った集客や認知度の向上が可能です。
そのため、人事採用においても企業が必要とする人材に限定して情報を配信し、エントリーへと繋げられます。また、現在は就職売り手市場で思うように採用活動ができないという背景もあり採用オウンドメディアの需要は増しているのです。
ここではもう少し具体的に採用オウンドメディアの効果を解説していきます。紹介する主な効果は以下の5つです。
・ミスマッチが減る
・アクセス数が増える
・採用広告よりも費用対効果がいい
・誰でも簡単に情報が発信できる
ミスマッチが減る
コーポレートサイトの求人情報などから応募してくる求職者は、待遇面や求めている職種など大まかな情報は理解していたとしても、社内の雰囲気や社風など社内の詳細は理解していない場合が多いです。
その場合、入社後に実際の職場環境などを知ることになるので、イメージしていた環境とかけ離れているとそのギャップから早期離職に繋がってしまいます。
オウンドメディアではインタビュー記事などを通じて既存社員が入社した経緯、現在の仕事内容、仕事に対する情熱といったディープな情報が伝えられ、それによって求職者も社内の環境がイメージしやすくなるのでミスマッチの予防が可能です。
また、前述した仕事内容やインタビュー記事というのは独自コンテンツとしてGoogleなどの検索エンジンから高い評価を受けやすいため、SEOにも有利になります。
会社の内政がオープンになれば、ミスマッチが減り、採用したい人材も雇用しやすくなるでしょう。
アクセス数が増え、認知度が高まる
採用活動における大きな課題は企業の認知度の低さにあります。テレビCMやWeb広告などを使って認知度を高めている大企業でもない限り、自社については知らない人の方が大半です。
オウンドメディアは検索やSNSからの流入によってアクセス数が集められるので、役に立つ情報などを配信すれば企業の認知度を高められます。
例えば「採用」などのキーワードで検索されるように人材採用に関連する記事を掲載したり、「働き方」や「ライフスタイル」など求職者が知りたい情報を配信するといった方法です。
採用広告よりも費用対効果がいい
求人の広告費も高くなっていて、転職エージェントを活用した場合の手数料は年収の35%と言われています。つまり、年収500万円の人を採用する場合、175万円も広告費がかかります。
オウンドメディアの運営にも当然費用は発生しますが、求人広告よりも遥かに費用対効果が良いです。例えば1記事を執筆するのに1日かけたとしても人件費計算で1万~2万程度です。
仮に1万円で計算したとしても175万の予算があれば175本が作成できる計算になります。100本以上の記事が執筆できれば、それなりのPV数が狙えます。
一度オウンドメディアから流入できれば広告費は無料で集客できます。
誰でも簡単に情報発信できる
オウンドメディアの利点に誰でも簡単に発信できることです。従来のコーポレートサイトは1ページ記事を配信するにもコーディングなどのスキルが必要でした。
特に採用に関連する情報を配信する場合、社員の増減や部署の移転などで情報を更新しなければいけませんが、特定の人しか作業ができないと更新が後回しになり古い情報が求職者に伝わる事もあります。
採用オウンドメディアはCMSを用いるため、誰でも簡単に記事を投稿できるようになります。
採用オウンドメディアで発信するコンテンツ内容
オウンドメディアが人事採用に活用される理由がわかったところで、実際に採用に繋げるための活用方法を解説していきます。
その方法とは以下の3つです。
・SEOキーワードを狙ったコンテンツ
・社員インタビューやレポートなどのコンテンツ
・SNSなどの拡散を狙ったコンテンツ
SEOキーワードを狙ったコンテンツ
「求人」や「採用」など求職者が検索しそうなキーワードを記事の中に入れてSEO対策を狙ったコンテンツを制作します。
他にも「転職×◯◯(業界名や職種名)」や「仕事 辞めたい」など求職者が悩んでいそうな事柄や転職希望者が調べそうなキーワードをもとにコンテンツを制作するとアクセスが増える可能性も高いです。
オウンドメディアは記事を蓄積していく媒体なので、新卒や中途採用を問わず求職者が知りたい情報を配信していけば、現状は転職を考えていない人も時期が来た時に転職先の候補として検討するようになります。
社員インタビューやレポートなどのコンテンツ
前述したように求人広告や従来の求人サイトでは詳細な業務内容や部署内の雰囲気、どんな社員がいるのかなど具体的な情報を知ることができませんでした。
しかし、オウンドメディアでは社員へのインタビューやレポート記事の配信によって企業の裏側を明確に伝えられますし、実際にそういった部分を知りたがっている求職者は少なくありません。
また、上記のような情報を公開する企業は多くないので、裏側を包み隠さず見せている企業は他社よりも際立ち、それが他社との差別化やブランディングへとつながります。
他にも企業独自の風習や制度などアピールできる事柄があれば、どんどんコンテンツ化して紹介していきましょう。
SNSなどの拡散を狙ったコンテンツ
検索エンジンからの流入と同様にSNSからの流入も狙えますし、SNSは拡散力が高いのでSNSのフォロワーが多いインフルエンサーや著名人とコラボしたコンテンツも有効です。
また、立ち上げて間もないオウンドメディアは流入経路がなく、アクセスも集まりにくいですが、SNS広告を使うと早期に情報を拡散してアクセスを増やすことができます。
特にFacebook広告はターゲットの年齢や性別、住んでいる地域、興味のある事柄などで広告を配信すんする人を限定できるので、Web広告に比べると費用対効果も高く、少ない予算でも実行できるのでおすすめです。
採用オウンドメディアの事例
ここからは実際にオウンドメディアを活用して採用活動をしている事例を紹介していきます。それぞれのサイトの特徴などを紹介していくので、オウンドメディアを活用する際の参考にしてみてください。
メルカン
メルカンはフリマアプリで有名なメルカリが運営しているオウンドメディアです。コンテンツはメルカリが行っている研修内容やエンジニアへのインタビュー記事など同社の事がわかる内容が中心となっています。
他にも他社との勉強会のレポートを通じて、各社の選考基準や人材の育成、評価の方法などを紹介しており、新卒や中途採用を問わず求職者が興味を持ちそうな情報が満載です。
また、各記事は文章だけでなく写真やグラフなどがバランスよく使われているという特徴があります。総じて企業独自の情報でブランディングを行いつつ、検索からの流入でアクセスを増やしているオウンドメディアです。
Reach One
https://reachone.bizreach.co.jp/
このサイトは転職サイトなどを運営するBizReach社が運営するオウンドメディアです。コンテンツは社員へのインタビューがメインで、社員の働き方や仕事の内容、仕事に対する思いなどが紹介されています。
また、様々なジャンルの記事がある中で最も記事数が多いのは、イベントや社内の制度に関するものです。これらのコンテンツを読むと同社がどんな会社で、入社するとどんな体験ができるかといった魅力が伝わってきます。
インタビューなど社員が自身の言葉で話すコンテンツは、真実味が強調されますし、新卒社員などであれば入社前の気持ちなどを共有することで共感を得やすくなるので、インタビュー記事制作の際の参考としてみてください。
BAKE MAGAZINE
お菓子のメーカーである株式会社BAKEはTHE BAKE MAGAZINEというオウンドメディアを運営していて、同社のお菓子作りに対する思いや最新の技術、ものづくりに対するこだわりなどが語られたコンテンツが豊富です。
正にお菓子作りに興味のある人が訪問しそうなサイトという内容になっていますが、ただの自社の紹介をするだけでなく同業他社へのインタビュー記事など他のオウンドメディアとは違ったコンテンツでブランディングも図られています。
また、前述したようにこのオウンドメディアは立ち上げから1ヶ月で7万以上のPVを獲得しているので、コンテンツの内容や構成なども参考にしてみてください。
Wantedly Blog
https://tw.wantedly.com/feed/s/wantedly_blog
Wantedlyは月間200万人が利用するビジネスSNSを提供している会社で、Wantedly Blogは同社が運営するオウンドメディアです。
コンテンツは社員へのインタビューが中心ですが、特に大手から同社へ転職した人の話が多く、前職の仕事内容、転職したきっかけ、同社で携わった仕事、そこで得たものというストーリー構成がしっかりしています。
読みやすさだけでなく、求職者の共感も得やすいコンテンツがたくさんあるので、ぜひコンテンツの作り方を参考にしてみてください。
DMM INSIDE
DMM INSIDEは動画配信やマンガのレンタルサービスなど提供するDMM.comが運営しているオウンドメディアです。
このサイトではテクノロジーとカルチャーに分けてコンテンツが配信されていて、テクノロジーでは主にサービスに関わる技術やイベントのレポート記事が多く、カルチャーでは対談記事を通じて仕事の内容や同社の取り組みなどが紹介されています。
様々なサービスを提供しているDMM.comらしく様々な角度から企業の魅力を伝えているので、複数の事業を展開している企業などは特に参考にしてほしいオウンドメディアです。
まとめ:採用オウンドメディアを活用してミスマッチを防ごう
今回はオウンドメディアを活用した人材採用について解説をしてきましたが、オウンドメディアは検索やSNSからの流入が見込めるので企業の認知度を高められますし、企業の魅力をコンテンツとして配信することでミスマッチも減らせます。
また、時代の変化によって求職者の価値観も変わり、やりがいや社会貢献などを求める人が増えている他、現在では事前にWebサイトで企業の情報を調べるのが一般的です。
オウンドメディアは更新が簡単な上に、一度アクセスが集まるようになると広告費などをかけずに集客できるので求人広告よりも費用対効果が高いというメリットがあります。
ぜひ今回紹介した検索からの流入、SNSによる拡散、インタビュー記事などによるブランディングを活用し、採用活動に活かしてみてください。
この記事のおさらいポイント
・コンテンツの配信で企業の魅力や社風などを十分に伝えることができる
・求職者も企業の情報を事前に調べるのでミスマッチが減らせる
・一度アクセスが集まるようになると求人広告よりも高い費用対効果を発揮する
・インタビュー記事やレポート記事の配信によってブランディングが図れる
・オウンドメディアはコーポレートサイトと違い更新作業が簡単
オウンドメディアはSEOが重要で、上位表示されなければコンテンツを配信しても意味がありません。我々は自社でもオウンドメディアを運用することでそのノウハウを蓄積し、SEOに強いオウンドメディアの戦略から運用まで提案できますので、お気軽にご相談ください!