最近ではインターネット上に様々なサイトが増えていますが、その中でもよく利用されるオウンドメディアとキュレーションメディアの違いは理解できているでしょうか?
どちらも情報を発信するためのサイトですが、この2つはコンテンツの作り方やサイトの目的、役割など異なる点が多々あります。
サイトを運営するにあたり双方の特徴を理解した上で目的に沿ったものを選ぶことは大切です。今回はオウンドメディアとキュレーションメディアの違いを紹介していくので、サイトを立ち上げる際の参考にしてみてください。
この記事を読んだらわかること
・キュレーションメディアの種類【ユーザー投稿型、自動集約型】
・それぞれのサイトの違い【コンテンツ、目的】
・キュレーションメディアのマネタイズ方法【広告、課金、仲介、EC】
・キュレーションメディアの問題点【情報の正確性・信憑性、無断転載】
オウンドメディアはSEOが重要で、上位表示されなければコンテンツを配信しても意味がありません。我々は自社でもオウンドメディアを運用することでそのノウハウを蓄積し、SEOに強いオウンドメディアの戦略から運用まで提案できますので、お気軽にご相談ください!
オウンドメディアとは?
オウンドメディアとキュレーションメディアの違いを説明する前に、それぞれのサイト特徴を理解しておきましょう。
まずオウンドメディアとは企業が自ら所有するサイトという意味で、広義にはHPやSNSなども含まれます。ただ、企業が特定の目的のために情報を発信して集客をするサイトというのが一般的な認識です。
注意が必要なのは集客はあくまで過程という点で、本来の目的はオウンドメディアを介して商品や企業の認知、ブランディング、人材採用を行い、間接的に売上や利益に結びつけることになります。
そのため、オリジナルのコンテンツが不可欠ですし、短期的に集客ができる媒体ではないので、長期的な運用計画を立てて修正や改善を繰り返しながらファンやリピーターを獲得していかなければいけません。
キュレーションメディアとは?
次にキュレーションメディアですが、こちらは各サイトにあるバラバラな情報をテーマごとに集約させ、ユーザーが簡単に情報収集できるよう内容をまとめたサイトになります。
主な目的はアクセスを集めて広告や課金型のコンテンツを配信して収益化を図ることです。コンテンツは他社のコンテンツを集約したものが多く、オリジナルのコンテンツは一部となります。
サイトの制作もWordPressなどで簡単にできる上に、多くの人が関心を寄せているテーマであれば比較的早くアクセスを集められるので、早い段階での収益化も可能です。
また、キュレーションメディアは情報の集め方によって以下の2種類に分けられます。
ユーザー投稿型キュレーションメディア
これは一般のユーザーが自分の趣味などに合わせて集約した情報をコンテンツ化して投稿していく方式で、「NAVERまとめ」などが該当します。
この方式はコンテンツの制作を一般の人が行うので、投稿者ごとにピックアップする内容に偏りがあったり、クオリティにもばらつきがあるのが特徴です。
逆にコンテンツ制作に長けたユーザーがいるとクオリティの高い情報を配信できるので、アクセスも集めやすくなります。
自動集約型キュレーションメディア
自動集約型はプログラムを使って情報を収集する方式で、独自のアルゴリズムを設ければ情報の種類を絞ることも可能です。代表例としては世界のニュースが読める「Smartnews」などが挙げられます。
この方式で情報収集するにはシステムの構築が必要になりますが、現在ではキュレーションメディアを制作するためのCMSパッケージなどが販売されているので、それらを使うと比較的簡単にメディア制作が可能です。
ただ、競合も多いので他社との差別化を図るのであれば、集客したいユーザーに合わせて独自にシステムを開発する方が成果を上げられます。
オウンドメディアとキュレーションメディアの違い
オウンドメディアとキュレーションメディアの特徴がわかったところで、ここからが本題です。前述した特徴を比較してもわかるように2つのメディアには大きな違いがあります。
特に大きな違いは「コンテンツ」と「目的」の2つです。ここではその違いを詳しく解説していきます。
違い1:コンテンツ
オウンドメディアは外注をするケースもありますが、基本的には自社で制作したコンテンツを配信していきます。
ブランディングをする上でも検索エンジンでの上位表示のためにも高いクオリティが必須なので、時間はかかりますが、SEOなどを意識したオリジナルのコンテンツを作らなければいけません。
それに対してキュレーションメディアは運営会社がオリジナルコンテンツを制作する場合もありますが、早期収益化をするためにコンテンツの数が重要になるので他社のコンテンツを集約して制作するコンテンツが大半です。
オリジナルではないので時間やコストをかけずに大量のコンテンツが作れる反面、ユーザー投稿型の場合はクオリティにムラが生じてしまいます。
違い2:目的
オウンドメディアの目的はユーザーの役に立つ情報を配信して集客を行い、企業や商品の認知度向上やブランディング、人材採用などに繋げることです。特にファンやリピーターを作らなければいけないのでコンテンツもオリジナリティを求められます。
対してキュレーションメディアは広告収入などから収益を上げることが目的です。とにかくアクセスを増やす必要があるので、ユーザー投稿やプログラムなどの方式で次々と新しいコンテンツを制作していかなければいけません。
補足するとオウンドメディアの中にも広告を掲載して収益化を図るケースもありますが、これはメインではなくあくまでもサブ的な目的です。キュレーションメディアは収益化に特化しているので、その点が異なります。
キュレーションメディアがマネタイズする方法
前項ではキュレーションメディアが収益化に特化していると述べましたが、その方法をいくつ知っていますか?
オウンドメディアの場合は基本的に自社商品の認知や宣伝につなげ、その販売によって収益化するしかありません。しかし、キュレーションメディアは大きく分けると以下の4つの方法があります。
・広告
・課金
・仲介
・EC
実際にどのように収益化するのか見ていきましょう。
広告
広告収入は最も一般的な収益化の方法で、メディア内に設けた広告欄を貸し出したり、他社商品の宣伝をするコンテンツを制作して宣伝費用をもらったり、商品の販売実績によって報酬を得ます。
グライダーアソシエイツ社が運営するキュレーションメディア「antenna」は商品宣伝のコンテンツを制作して収益化を図っているサイトの1つです。
上記のような特定の商品に関するコンテンツを制作し、最後にセールスページへのリンクを設置して販売へ繋げています。
この方法は旅行、美容、健康など特定のテーマに特化したサイトの方が収益化しやすく、他社からの掲載依頼も獲得しやすいです。
課金
専門性の強いコンテンツやオリジナルで興味深いコンテンツを制作できる場合は、課金方式で収益を得る方法もあります。これは誰でも閲覧できるコンテンツの他に有料コンテンツを用意して、課金したユーザーのみ閲覧できるようにする手法です。
ニューズピックス社が運営する「NewsPicks」は月額課金方式で収益化をしているサイトで、オリジナルのコンテンツを閲覧する場合はプレミアサービスを申し込む必要があります。
このサイトは通常のキュレーションメディアと違い、通常のコンテンツにも専門家のコメントが掲載されていて、専門的な知見を得たいユーザーが集まるサイトです。
有料コンテンツは同社編集部がインタビュー記事や取材を元に制作したオリジナリティの高い内容となっているだけでなく、こちらにも専門家のコメントがついています。
よりディープな情報を得たいユーザーは課金をしてでも閲覧をしようとするので、金額に見合った内容の濃いコンテンツを制作できる場合は、このような月額課金型のモデルも可能です。
仲介
キュレーションメディアは仲介を必要とするビジネスにも活用でき、代表例として不動産販売サイトの「SUUMO」や転職サイトの「マイナビ」などが挙げられます。
上述した2社のように大きなサイトになると掲載料などで収益を上げる方法もありますが、不動産のように金額の大きな商材になると成功報酬型の契約も可能です。
但し、一定の収益を上げるにはある程度大きな市場でなければ収益化は難しく、運営側も仲介者として専門的な知識を必要とするので誰でもできる方法ではありません。
EC
これはインターネット上で商品を販売するECをサイトとキュレーションメディアを組み合わせた収益化方法です。
ECサイトで販売する商品に関連する情報やターゲットとするユーザーが抱えている悩みの解決方法などをコンテンツにするとアクセスを集めやすく、商品の購入に繋がる可能性も高くなります。
この方法で収益化をしているのがZOZOのグループ会社が運営する「WEAR」というサイトです。
このサイトではZOZOTOWNで販売している商品を組み合わせてトータルコーディネートをした様子を紹介していて、ユーザーは興味を持った商品があれば直接ZOZOTOWNへ移動して購入することができます。
このようにECサイトを運営している場合は、自社ECサイトの商品情報を集約してコンテンツ化し、ECサイトへの導線を作ることも可能です。
一方でオウンドメディアは整合性や信頼性がメディアとしてのブランディングを左右するため、マネタイズが難しいです。
無理やり商材に誘導しようとしたり、無意味な広告を貼ればメディアとしての価値を下げるだけでなく企業の価値すらも欠落させてしまう可能性もあります。
キュレーションメディアの問題点
キュレーションメディアは収益化に特化したサイトということで、その収益化の方法を紹介しましたが、良い面ばかりではなくいくつかの問題点もあります。
これを理解しておかなければ後々大きな問題へと発展する可能性もあるので注意が必要です。ここでは以下の2つの問題点について解説していきます。
・情報の正確性、信憑性
・無断転載
情報の正確性・信頼性
キュレーションメディアの特徴でも述べたように、これは他のサイトにある情報を集約してコンテンツとするため、情報の正確性や信憑性に欠けるというデメリットがあります。
過去には医療系のキュレーションメディアで医師など専門家の監修がないコンテンツを掲載した上に、アフィリエイトリンクを設置して収益を得ていたことが問題視され、炎上するという事態に陥りました。
現在でも一部のユーザーはキュレーションメディアの信頼性を疑問視していて、同様のサイトを嫌う傾向にあります。オリジナルのコンテンツではないからこそ専門家の監修を受けるなどしてユーザーの信頼を勝ち取らなければサイトの存続はできません。
無断転載
もう一つの問題は他社コンテンツの無断転載です。これは他社サイトにある情報や画像などを許可なく自社サイトに転載する行為で、それによって著作権侵害などで裁判沙汰になるケースがあります。
これを防ぐためには他社のコンテンツをコピーするのではなく、引用という形を採るのがベストです。ただ、コピーと引用の基準は専門家でも意見が分かれるほど難しい問題になります。
改善策としては引用元サイトの情報を掲載するなどして、コピーではないことを強調するようにしましょう。
キュレーションメディアは1つ間違えると大きな問題へと発展してしまうので、こうした注意点に気をつけて運営することが大切です。
まとめ:オウンドメディアとキュレーションメディアの違いをはっきりさせよう
今回はオウンドメディアとキュレーションメディアの違いについて解説しました。
オウンドメディアはブランディングや認知度向上などの目的を果たすために、オリジナルのコンテンツを制作して集客をするサイトで、キュレーションメディアは収益化を目的として他社サイトの情報を集約してコンテンツを制作します。
オウンドメディアは商品の販売などに繋げなければ収益化できませんが、キュレーションメディアは広告収入や課金型コンテンツの配信、仲介による報酬、ECサイトでの商品販売など様々な方法で収益化が可能です。
但し、キュレーションメディアは他社サイトにある情報をまとめてコンテンツにするため、信憑性の低さや無断転載による著作権侵害などの問題もついて回ります。
どちらのサイトもそれぞれの特徴やメリット、デメリットを理解した上で、目的を定めて運用を始めましょう。
この記事のおさらいポイント
・キュレーションメディアは他社サイトの情報を集約してコンテンツを制作し、収益化を図るサイト
・キュレーションメディアにはユーザー投稿型と自動集約型がある
・キュレーションメディアは広告、課金、仲介、ECによって収益化が可能
・キュレーションメディアは情報の正確性や信憑性にかける点と無断転載の問題がある
・オウンドメディアとキュレーションメディア双方の特徴を理解し、目的に沿ったサイトを運用する
オウンドメディアはSEOが重要で、上位表示されなければコンテンツを配信しても意味がありません。我々は自社でもオウンドメディアを運用することでそのノウハウを蓄積し、SEOに強いオウンドメディアの戦略から運用まで提案できますので、お気軽にご相談ください!