オウンドメディアは多くの企業が集客やブランディングなどの目的で利用しています。中には大きな成果を上げ成功している企業もありますが、反対に全く成果を出せずに失敗しているケースも少なくありません。
そこで今回は失敗しているケースに注目し、その特徴を解説していきます。これからオウンドメディアの立ち上げを検討されている方はこれらの特徴を理解し、どうすれば成功できるのか参考にしてみてください。
この記事を読んだらわかること
・失敗しないための解決策
・立ち上げ時はやらなければいけない課題が多い
・外注を利用し作業の軽減化が必要
・オウンドメディアの立ち上げには情熱と資金が必要
オウンドメディアはSEOが重要で、上位表示されなければコンテンツを配信しても意味がありません。我々は自社でもオウンドメディアを運用することでそのノウハウを蓄積し、SEOに強いオウンドメディアの戦略から運用まで提案できますので、お気軽にご相談ください!
失敗する特徴1:コンテンツの数が明らかに少ない
オウンドメディアはユーザーにとって有益な情報を提供しすることでアクセスを集めるコンテンツマーケティングを軸に運営する必要があるので、コンテンツの数が非常に重要になります。
数が不足していれば検索エンジンでも上位表示されず、アクセスも集まらないので結果にも結びつきません。
成功しているオウンドメディアを例に出すと、有名なサイボウズ式というメディアは900以上の記事数がありますし、2006年から記事を更新し続けているLIGという企業は7500以上という圧倒的な数となっています。
解決方法
解決方法は、時間をかけてコンテンツの数を増やすことです。
必要な記事数の目安は競合の強さや数、商品やサービスによっても異なりますが100記事以上が最低ラインです。
加えて、文字数は5000文字以上を目安にしてください。
これは経験則ですが、上位表示される記事の多くは5000文字以上を超えています。上位表示される記事というのは、内容が濃く必然的に文字数も多くなるためだと考えています。
字数稼ぎで、重複するような内容をだらだらと書いても意味がないので、網羅的、専門的に記事を執筆するよう心がけてください。そうすれば、自ずと5000文字を超える記事が増えてくるはずです。
失敗する特徴2:運営体制が整っていない
上述したコンテンツ不足の理由の1つにもなりますが、運営体制が整っていないことも失敗してしまう特徴の1つです。
例えば、編集者がいない、ライターが不足しているなどが、この状態を指します。
オウンドメディアを運営するにはコンテンツの企画、制作、編集、戦略立案、分析、改善といった様々な業務が必要です。各種業務の進行が乱れないようにするには専属で数名人を配置するなど体制を整えなければいけません。
解決方法
コンテンツをコンスタントに配信していくには、社内の運営体制の整備が不可欠で、最低でも統括ディレクター、編集者、企画コンテンツ制作者及びライターと専属で3名は必要です。
人員が揃ったらオウンドメディアの戦略立案からそれに沿ったコンテンツの企画、実際の制作、編集作業を行い、一定の期間が経過したらアクセスの分析をして改善に役立てるという一連のサイクルを分担して行っていきます。
また、コンテンツ制作の質を高めていくためにはライターや編集者の教育も不可欠です。一気に人を増やしてしまうとコンテンツごとの差が激しくなる可能性があるので質を向上させるために教育に力をいれましょう。
社内に全くリソースがなければ専門業者に外注するのも1つの手段です。
以下の記事では外注する際の費用の目安を紹介しているので、検討される際は参考にしてみてください。
参考:【相場早見表あり】オウンドメディア制作の料金と価格相場を解説
失敗する特徴3:誰に向けた記事であるかわからない
オウンドメディアはユーザーに興味を持ってもらえなければアクセスは伸びず成功はできません。そこで重要になるのが誰に向けた記事なのかという点です。
ユーザーが「これは自分に向けて書かれた記事だ」と感じれば読んでくれる可能性が高くなるので、ターゲットは明確にしておかなければいけません。
また、ターゲットが明確でないということは、コンテンツの内容にもまとまりがない可能性も高いです。ユーザーがオウンドメディアのファンになる際は「○○について知りたいからあのサイトを見よう」という心理が働きます。
例えば料理のレシピであればクックパッド、賃貸を探すならスーモと言うようにしっかりと内容をまとめ、特定の目的を解決したいユーザーが訪れるようなコンテンツを作りましょう。
解決方法
まずターゲットを明確にするためにペルソナの設計から始めます。ペルソナとは架空の人物像を意味していて、名前、性別、年齢、住んでいる場所、仕事、趣味、ライフスタイルなど架空のターゲット像を考える作業がペルソナ設計です。
ターゲットのペルソナが決まったらその人も悩みや知りたい事柄などを考え、その人に対するコンテンツを企画していくと内容のまとまったオウンドメディアになります。
一例を挙げるとSansanという会社が運営する「名刺管理Hack」というサイトでは名刺にフォーカスしたコンテンツが豊富です。
https://meishihacks.com/
このサイトのターゲットは大まかに言えばビジネスマンであるため、名刺に関する情報だけでなく働き方や仕事術など一般的な社会人が知りたいと思う情報も提供しています。
失敗する特徴4:コンテンツの内容が薄い
面白くない漫画や小説は人気がないように、内容が薄いコンテンツや面白み、独自性のないコンテンツにはファンはつきません。
また、中にはコンテンツよりもデザインにこだわっているサイトもあります。
ブランディングなどを目的とする場合はサイト自体の見た目も重要になりますが、コンテンツに内容がなければ薄っぺらい会社と認識される可能性が高いです。
それではかえって逆効果になってしまうので、見た目よりも内容を濃くする努力をしなければいけません。
解決方法
コンテンツの薄さを解決する最も簡単な方法は文字数を増やすことです。文字数を増やすためには必然的に掲載する内容を増やさなければいけないのでユーザーに提供する情報量も多くなります。
その際、競合のオウンドメディアではどんな事柄をコンテンツに盛り込んでいるのかを確認するリサーチ作業も重要です。そこからコンテンツのヒントを得る機会もありますし、逆に全く異なるコンテンツも制作できます。
ユーザー的にもSEO対策の面でも異なるコンテンツの方が効果は高いです。例えばインフルエンサーや社長へのインタビュー記事など、他社では真似ができないような独自性の強いコンテンツを作りましょう。
失敗する特徴5:宣伝やPRがしつこい
ユーザーは知りたい情報があるのでオウンドメディアを訪れます。
そのため、自社の商品やサービスの宣伝やPRばかりで、知りたい情報が一切得られないオウンドメディアは失敗する可能性が高いです。
特にオウンドメディアでセールスをしようと考えると宣伝に偏ってしまいます。仮に自社の商品やサービスでユーザーの悩みが解決できるのであれば宣伝も効果は得られますが、そうでない場合は役立つ情報の提供が先です。
現在は特に広告が過剰過ぎるために宣伝広告自体が嫌われている傾向にあるので、広告サイトと勘違いされると一生訪問してもらえない可能性もあります。
解決方法
解決方法は至ってシンプルで有益な情報を伝えるしかありません。有益な情報の定義はユーザーによってそれぞれ異なるので、前述したペルソナ設計や競合サイトのリサーチを通して知りたいであろう事柄を探りましょう。
参考例として転職サイトのdodaが運営する「Furi-kake」というメディアを見てみましょう。
https://furikake.doda.jp/
このサイトは日常の生活や仕事で悩んでいるユーザーに対し、何に悩んでいたのかを理解するきっかけを与えるというコンセプトになっています。
そのため、自社の紹介よりも仕事やお金、生活に関してなど様々な悩みに関するコンテンツが豊富にあり、宣伝や広告という印象はほぼ受けません。
かといって全く宣伝をしていないわけではなく全てのコンテンツが転職と深い関わりのある内容になっているので、記事を読んで仕事を変えようかと考えたらすぐに転職サイトへ飛べるようしっかり導線が引かれています。
失敗する特徴6:コンセプト・目的が決まっていない
オウンドメディアは集客の主流とも言える媒体なので、多くの企業が運営をしていますが、ただ流行りに乗ったというだけではうまくいかず、運営する目的やコンセプトを決める必要があります。
そうでなければコンテンツの企画から運営に至るまで軸がブレてしまい、社員同士の共通認識もバラバラになってしまうのでコンテンツも方向性を見失い、ユーザーも興味を示さなくなります。
また、オウンドメディアは結果が出るまでに時間がかかるため運営側の熱量がなければ途中で失速してしまいますし、どういう思いで運営しているのかをコンセプトに乗せて伝えていかなければいけません。
解決方法
これも解決方法は簡単で誰に対してなんのために情報発信するのかを決め、それを社員同士で共有するだけです。
例として人事採用を目的とするのであればターゲットは求職者になるので、求職者が知りたい事柄を発信する、商品やサービスの紹介であれば自社の顧客層に対してその人たちが悩んでいる事柄や知りたい情報を発信すれば自ずとアクセスは増えていきます。
他にも情熱やコンセプトに共感してもらえるとファンもできやすいので、運営側の熱量が伝わるようなコンテンツを作る方法も有効です。
自社が抱えている問題やビジョンなどを基に目的やコンセプトを決め、サイトの軸を作りましょう。コンセプトの決め方については以下の記事でも紹介しているので、ぜひ参照してみてください。
参考:オウンドメディアにコンセプトは必要か?設計方法や成功事例を紹介
失敗する特徴7:ソーシャルメディアを活用できていない
ソーシャルメディアとはFacebookやTwitter、Instagramのように他のユーザーと双方向のやり取りができる媒体を指します。
この媒体はユーザーから別のユーザーへと情報の拡散が可能で、他の媒体よりもその効果が高いのが特徴です。そのため、商品の写真や関連する画像などをFacebookやInstagramにアップすることで、より多くの人に情報が広まります。
オウンドメディアは通常検索からの流入しかないため、SNSのような拡散力の高い別の媒体を使って流入経路を増やさなければアクセスは伸びません。
解決方法
解決するには何かしらのソーシャルメディアでアカウントを作り、情報を配信していく方法があります。コツはユーザーが思わず他の人に教えたくなってしまうような画像や情報を掲載することです。
実際にソーシャルメディアからの流入が増えてくると検索エンジンに頼る必要がなくなります。実際にInstagramなどで数十万人というフォロワーがいる企業はイベントの告知や新しい商品の宣伝も非常に簡単です。
また、この媒体は日常的に活用するものなのでユーザーが見る確率や反応率も高く、また距離感も近いのでファンになってもらえる可能性も高まります。
ソーシャルメディアを使ったオウンドメディアの戦略について、もっと詳しく知りたい場合は以下の記事がおすすめです。
参考:ソーシャルメディアを活用しないオウンドメディアは時代遅れ?成功事例も解説
失敗する特徴8:導線設計が甘くユーザーが回遊できていない
ユーザーにとってもGoogleにとってもサイトが回遊しやすいかどうかは非常に大切なポイントです。そのため、サイト内の他のページや他のサイトへの移動がしやすくなるよう導線の設計をしなければいけません。
導線とは内部リンクや外部リンク、コンバージョンボタンなどユーザーが次に何をするかという行動の道しるべとなるものです。この導線設計がしっかりとできていなければ、せっかく訪れたユーザーも1つの情報で満足して離脱してしまいます。
解決方法
記事数がある程度増えてからになりますが、解決方法の1つに他のコンテンツへ移動するための内部リンクを設置しましょう。
関連性の低い記事は、内部リンクを設定しても、Googleから悪い評価受ける場合もあるので、内部リンクで飛ばす記事は関連性の高い記事にしてください。
また、前述したソーシャルメディアへの導線設定も重要なので、各記事にいいねボタンやシェアボタンを設置し、簡単に拡散ができるようサイトを整えましょう。
失敗する特徴9:SEO対策ができていない
先にも述べましたがオウンドメディアの流入経路は基本的に検索エンジンのみです。なので、SEO対策をしっかりしなければ上位に表示されないのでサイトを見つけてもらえず、当然アクセスも増えません。
これは単純に記事の数を増やせばいいという話ではなく、検索ボリュームからキーワードの選定を行い、それに基づいたコンテンツを制作する、流入キーワードを調べて方向性を改善していくなどの作業が必要です。
解決方法
解決方法はSEO対策をすることに尽きますが、これらは専門知識やノウハウが必要になるので、素人が見よう見まねでやろうとしても結果は出ません。なので、手っ取り早く、それでいてうまくいく確率が高いのは専門家に聞くという方法です。
ただ、全てを丸投げしてはいけません。タイトルにキーワードを入れたり、文字数を2000文字以上にするなど編集やライティング時に行うべき対策もあるので、専門家に相談しつつも自身でSEOに関するリサーチを行い知見を増やしていきましょう。
また、工数のかかる業務、例えば記事制作などを外注し、作業の軽減化および、社内にノウハウを蓄積していくことが重要です。
まとめ:オウンドメディアの立ち上げには情熱と資金が必要
今回は失敗してしまうオウンドメディアの特徴を紹介してきました。
その原因には運営体制から起きるコンテンツ数の不足や目的、ターゲットが不明確であるためにコンテンツの方向性がブレるという問題、ソーシャルメディアやSEO対策を怠るなど様々な問題があります。
しかし、どの問題も情熱と資金があれば解決できるものばかりです。目的は当然オウンドメディアにかける情熱が左右しますし、知識面や人的リソース不足は外注する資金があれば補えるからです。
コンテンツの数不足や内容の薄さ、宣伝の多さといった問題も専門家に依頼すれば解決ができますし、時間をかけてスタッフを教育するという方法もあります。
とにかく立ち上げた当初はやることも多く大変ですが、それを乗り越えるための情熱と資金を用意しておき、長期的な戦略でオウンドメディアを運営していきましょう。
この記事のおさらいポイント
・コンセプトを決め途中でコンテンツの方向性がぶれないように注意する
・宣伝やPRは極力少なくし、役立つ情報をメインに提供する
・ソーシャルメディアを活用して流入経路を増やす
・ユーザーが回遊しやすいよう導線設計を行う
・SEO対策をして検索からの流入をできるだけ増やす
・立ち上げ当初は外注なども検討して人的リソース不足を補う
オウンドメディアはSEOが重要で、上位表示されなければコンテンツを配信しても意味がありません。我々は自社でもオウンドメディアを運用することでそのノウハウを蓄積し、SEOに強いオウンドメディアの戦略から運用まで提案できますので、お気軽にご相談ください!