ECサイトにはBtoBとBtoCの2種類があります。普通はECサイトと言うとBtoCサイトのイメージが強いですが、最近の傾向としてはBtoB-ECサイトも伸びてきています。
しかし、いざ制作しようとすると、BtoB-ECサイトとBtoC-ECサイトの違いを理解せず、同じような構造や設計で制作してしまうWeb担当者も少なくありません。
そこで今回はBtoB-ECサイトとBtoC-ECサイトの違いやBtoB-ECサイトの種類を解説し、さらにBtoB-ECサイトを制作する上で欠かせないポイントおよび成功事例もご紹介していきます。ぜひ効果的なサイト制作・運営にお役立てください。
この記事を読んだらわかること
・BtoBとBtoC、それぞれのECサイトの違い
・BtoB-ECサイトの種類
・BtoB-ECサイトのよくある2つの課題
・BtoB-ECサイト成功事例
ECサイトは、一から構築すると莫大な費用がかかってしまいますが、弊社はWordPressを使用し、最小限に費用を抑えたECサイトの構築が得意です。ECサイトの制作で費用が気になるという方は、お気軽にご相談ください!
BtoBのECサイト市場の規模は?
BtoB-ECサイトの急成長は、何も体感的なものだけではありません。2018年の経済産業省の報告によると、BtoB業界ではEC化率が30%を超え、実に全体の3分の1以上がその市場をインターネット上にシフトしてきています。
市場規模がここまで巨額になることの要因は、BtoB-ECサイトの取引1件あたりの単価が高いためです。これからもこの市場規模はさらなる拡大が見込め、今以上に多くの企業がECサイトを保有する時代になるでしょう。。
BtoBとBtoC、それぞれのECサイトの違い
BtoB-ECサイトとBtoC-ECサイトには、そもそもどのような違いがあるのでしょうか?ここでは以下の3点においてBtoB-ECサイトとBtoC-ECサイトの違いを明らかにします。
・消費者や顧客の購買行動の違い
・機能の違い
・構築で留意する点の違い
それでは各項目について詳しく見ていきましょう。
消費者や顧客の購買行動の違い
BtoBとBtoCのECサイトでは、消費者や顧客の購買行動が明らかに異なります。個人で買物をする際の心理・行動と企業の中で役割として買物をする際にはここに大きな違いがあるので、それぞれ詳しく解説してきます。
BtoB-ECサイトの場合
BtoB-ECサイトの顧客・消費者は、購入の決断を一人で下すということがありません。BtoBの商材は単価の高い商品が多く、購入の決断はいくつかの部署、何人かの関係者の稟議を通すことが一般的です。つまりBtoBのECサイトは、即購入にはなりにくく様々な関係者を通すことを覚えておきましょう。
BtoC-ECサイトの場合
一方で、BtoC-ECサイトは、購入者の一存で買物が完結します。もちろん各個人の都合があるため、サイト閲覧者以外の同意を得てから買うというユーザーも存在するでしょう。しかし、大多数は自分の意思ひとつで購入の決断をします。また、BtoCサイトの場合は、衝動買いやウィンドウショッピング感覚での購入も十分にあり得ますが、BtoB-ECサイトではまずあり得ないでしょう。
機能の違い
BtoC-ECサイトとBtoB-ECサイトは、利用するユーザーの行動や心理に違いがあるだけでなく、サイトの機能にも違いがあります。もちろん両者の機能に共通するものもありますが、BtoBの方が機能的にはより複雑になる傾向は強く、根本的な違いは否めません。
ここではそれぞれの機能の違いをご説明します。
BtoB-ECサイトの場合
BtoB-ECサイトはビジネスで用いられるサイトであるため、社内稟議にかけやすく処理したり、経理等事務処理を楽にしたりする機能が必要不可欠となってきます。例えば、必要な機能は主に以下の通りです。
・自動見積機能
項目を設定するだけで、自動に見積ってくれる機能です。
それぞれの顧客企業に応じた割引率などを適用できる仕組みを持った自動見積もり機能があると、先方もすぐにその額を会議にかけられるため購入決定までを早められる可能性が高まります。割引率の他に仕入れ値設定もあればベスト。
・掛売り機能
BtoC-ECサイトにおいては掛売りはまずあり得ないことですが、BtoBでは掛売りの方が多数派で一般的です。掛売りは与信取引とも言い、言わばツケ状態の信用売りを意味します。月末請求書発行に対し翌月支払いなどの掛売りシステムを構築しておかなければ基本的なニーズに対応できません。
・承認フロー機能
承認フローとは経理上、複数存在する決裁者が決済の承認(意思決定)をしていく過程を共有できるいわゆるワークフローです。企業が大きければ大きいほどあると便利な機能なので、取引先や扱う商材によっては必須機能となります。
・商品マスタ管理機能
商品マスタとはそれぞれの商品の情報です。
例えば機械部品など取引する商品の種類や量が多く整理・把握が難しいものは特に商品マスタを管理する機能です。
・受発注管理機能
取引可能在庫数を示す機能便利です。設定した与信の上限額を上回った場合に通知してくれる機能もあります。
・ディスカウント管理機能
割引率を管理する機能です。
取引先や商品によって異なる場合が多いため、それぞれに設定・管理する機能がないとスムーズに業務が運びません。
BtoC-ECサイトの場合
BtoC-ECサイトの場合は機能面でも取引相手が個人であることを重要視しなければなりません。幅広い顧客ニーズに応えるためには、多様な買い方およびサイトの使いやすさに目を配る必要があります。。
例えば、BtoC-ECサイトで重視したい機能には以下のものが挙げられます。
・豊富な決済機能
BtoC-ECサイトのユーザーは、使いたい決済方法がないとECサイトからは離脱する傾向が強いです。このため、サイト運営側はなるべく幅広い決済ニーズに対応することが大切です。
クレジットカードはもちろん、年配者に好まれる傾向にある代引きや銀行振込、他にも最近台頭しているコンビニ・後払い・携帯キャリア・電子マネー各決済など、さまざまな決済方法を導入しておきましょう。
・オムニチャネル化
オムニチャネルとは”あらゆる販売経路”を指し、ECサイトにこだわらずとも、商品の注文場所・支払い場所・受け取り場所などに関し、オンラインやオフライン、ECショップ・実店舗の垣根なく買物を便利に楽しんでもらえる機能です。
・ポイント付与機能
Bto-CECサイトは、私的な買物を楽しむショップであると同時に商品代金は個人の財布から支払われます。このために必要なのがポイント制やクーポンプレゼントです。ポイントを貯めるのが楽しいという消費者心理を利用しない手はありません。
構築で留意する点の違い
BtoB-ECサイトとBtoC-ECサイトではサイト構築においても注力するポイントが異なります。それぞれ何を重視して構築していくべきなのか、ここでご説明します。
BtoB-ECサイトの場合
BtoB-ECサイトの構築で大切なのは、セキュリティです。
近年どの企業も自社の信用問題に深く関わるセキュリティ対策に注力しており、情報の漏洩や外部からの侵入・攻撃に対してたいへん警戒を強めています。セキュリティは強力な体制を取って顧客ニーズに応える必要があります。
BtoC-ECサイトの場合
BtoC-ECサイトの場合は、サイト運営者側が将来的に構築面の修正や改善を施しやすいようにしておくことが最大のポイントとなります。
規模の拡大やデザイン、その他の要件変更が頻繁に起こり得るのがBtoC-ECサイト。改善しやすいように構築しておくことで、様々なコストをカットできます。
BtoB-ECサイトの種類
一概にBtoB-ECサイトと言ってもビジネスモデルは多岐に渡ります。自社の現状やユーザーの傾向などに応じてどのタイプで運営するかを見極めることも大切です。
ここでは多数の企業がECサイトの構築に利用しているサイトタイプを2種類ご紹介します。
マルチテナント型
入荷や配送などあらゆる業務を自社で直接担うのがマルチテナント型。顧客に対してダイレクトにきめ細やかなサービスができ、顧客満足度を上げるための施策を打ちやすいタイプと言えます。楽天がマルチテナントの代表例です。
マーケットプレイス型
マルチテナントに対し、母体となるインフラ企業が入荷・分配・配送パートを担うのがマーケットプレイス型ECサイトです。業務的に面倒がない上、規模の大きな企業とも商品の良し悪しで渡り合えるといった利点はありますが、カスタマイズが難しいことから、運営の自由度は低いと言わざるを得ません。代表例はAmazonやアリババです。
BtoB-ECサイトのよくある2つの課題
世のあらゆる企業でサイト運営化が加速度的に進み、自社も遅れを取れないと焦る中小企業も増えているの中。
BtoB-ECサイトを立ち上げる際には非常によく見られる課題があります。立ち上げ前にあらかじめ理解しておきましょう。
ECサイトの構築・リニューアルの負担が大きい
前述しているに、BtoB-ECサイトはBtoCよりも構築やリニューアルに手間も時間も費用もかかります。取引先ごとに要件が異なるのはもちろん、業務フローは流動的であり、現場の人員との意思疎通まで全て完璧にして立ち上げるのはなかなか困難です。ECサイト制作の過程においても、常に現場とのコミュニケーションを図ることが重要となります。
業務フローが属人化しており、ECサイト化できない
今後BtoB-ECサイトを立ち上げようとされる場合には、すでに業務そのものや業務に関するノウハウがエクセル管理などによって属人化してしまっていると、ECサイトへの移行が難しくなります。取引先に応じた業務フローや割引率・仕入れ値など、事前に全体で把握しておかなければうまくECサイト化することはできません。
また、マーケティングなどの運用面でも費用が嵩むので、一貫して対応できる制作会社を探すといいでしょう。
一貫して依頼すれば調査や分析といった工数を削減できるので見積もりを割り引いてくれる会社もあります。
BtoB-ECサイト成功事例
BtoB-ECサイトの制作・運営は一筋縄では行かず、顧客に愛されるサイトを制作することはもちろん、効率的に運営していくのは非常に難しいことです。ここでは、BtoB-ECサイトで成果を上げている2社の例をご覧に入れますので、ECサイト化を検討中の担当者の方はぜひ参考にしてください。
モノタロウ
業者への直接注文かカタログ注文かの2択であった工業製品の仕入れに革命をもたらしたとされるのがモノタロウ。資材・工具といった、企業によって求めるアイテムも数量も全く傾向の異なる製品を簡単に仕入れることができるようになった画期的なマーケットプレイス型ECサイトです。大規模な取引はもちろん、小売り対応もカタログ対応もあるきめ細やかさで幅広い取引を成功させています。
ミスミ
ミスミは精密機器分野の大手で、機械部品を中心に扱います。インターネット通販を開始した当初、自社製品の販売に注力していましたが、本格的にBtoB-ECサイトに参入するにあたり、自社製品に限らずユーザーの利便性を追求した品揃えと圧倒的な検索機能の高さによって飛躍的に成長した好例です。
物流等外部との連携も顧客の簡便性を向上させており、これは運営側の工数削減にも一役買っています。BtoBで成功したお手本のようなECサイトと言えるでしょう。
まとめ:BtoB-ECサイトは市場が大きい分、難しさも伴う
BtoB-ECサイトは留意しなければならないことのハードルが高いため、制作・運営・リニューアルなどが非常に難しいのが特徴です。
一件あたりの単価が大きく、うまくいけば自社の業績を目覚しく躍進させられる可能性を秘めますが、逆に失敗すると初期費用がかかるだけに目も当てられません。巨大な市場でうまく立ち回るには、乗り越えるべき課題が多いBtoB-ECサイト。成功を収めるためには、専門的なノウハウを持った制作会社との連携が不可欠と言えるでしょう。
この記事のおさらいポイント
・BtoBとBtoCでは顧客の購買行動・サイトの機能・構築面で留意すべき点に違いがあるので注意
・BtoB-ECサイトは主にマルチテナント型とマーケットプレイス型の2種類
ECサイトは、一から構築すると莫大な費用がかかってしまいますが、弊社はWordPressを使用し、最小限に費用を抑えたECサイトの構築が得意です。ECサイトの制作で費用が気になるという方は、お気軽にご相談ください!