ECサイトの平均的なリピート率は?業界ごとの数字や高める施策を解説

ECサイトにおいて『リピート率』は売上を左右する重要な指標のため、KPIに設定して効果を高めていくことが大切です。

しかし、リピート率は同じECサイトでも業界により平均値が違いますし、そもそも『リピーター率』のような似た言葉もあるため混同してうまく分析に生かせていない人も少なくありません。

今回は、リピート率について気になっている人や自社の業種の平均的なリピート率を知って向上させたい人のために、リピート率の基礎知識から業種ごとの平均値リピート率を高めるための施策について紹介していきます。

この記事を読んだらわかること

・リピート率の基礎知識
・ECサイトにおけるリピート率の重要性
・ECサイトのジャンルごとの平均的なリピート率
・リピート率を上げるための施策
・リピート率を左右する5つの要因
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リピート率とは?

リピート率を高める施策を解説する前に、まずは『そもそもリピート率とは何なのか?』を再確認していきましょう。

リピート率とは、新規で商品購入して顧客になってくれたユーザーに対し、一定期間内に2回以上購入してくれたリピーターの割合で、ユーザーの満足度などを知ることができます。リピート率の計算式は以下の通りです。

一定期間内にリピート購入したユーザー数 ÷ 全期間の累計新規顧客数 × 100 = リピート率

例えば、2019年12月にECサイトを立ち上げて2020年5月までに3000人の新規顧客を獲得できたとしましょう。月ごとの新規顧客数とリピーター数(その月に2回以上購入してくれたユーザー数)は以下のようになっていたとします。

  新規顧客数 リピーター数
2019年12月 150人 20人
2020年1月 300人 70人
2020年2月 450人 70人
2020年3月 600人 130人
2020年4月 750人 200人
2020年5月 750人 400人
合計 3000人 890人

このうち5月のリピート率を算出したい場合は、全期間の新規顧客数の合計『3000人』と、2020年5月のリピーター数『400人』を使って以下のように計算します。

400人 ÷ 3000人 × 100 = 13.33%

⇒2020年5月のリピート率は13.33%

リピート率とリピーター率の違い

リピート率を出すつもりで、リピーター率の計算をしてしまっている場合もあるので注意が必要です。

リピーター率とは、ある『一定期間の累計購入者数』に対してどれくらいリピーターがいるか?を算出した割合で、数値が大きいほど新規顧客の減少率が高まっていると判断できます。計算式にすると以下の通りになります。

一定期間内にリピート購入したユーザー数 ÷ 一定期間の累計購入者数 × 100 = リピーター率

リピート率との違いは、分母が『全期間の新規購入者数』ではなく『一定期間の購入者数』となっているところです。

例えば、前述の2020年5月で新規顧客やリピーターではなく『2020年5月の総購入者数』が1150人いた場合、リピーター率は以下の通りになります。

400人 ÷ 1150人 = 34.78%

⇒2020年5月のリピーター率は34.78%

同じ月でもリピート率は13.33%なのに対し、リピーター率は34.78%になりました。
リピート率を算出する時は分母が全期間の新規顧客数である『3000人』でしたが、リピーター率では5月の総購入者数の『1150人』になっている点がポイントです。

リピーター率が高い場合は『新規顧客が少ない』ということでもあるので、その状態を放置していると売上を伸ばすことが難しくなります。そのため、広告を打ったりキャンペーンやクーポンなどで販促していく必要があります。

ECサイトでリピート率が重要な理由

ECサイトのリピート率は何となく重要だと感じると思いますが、『具体的にどうして重要なのか?』がわからなければ、分析に支障が出てしまいます。
ここではリピート率が重要な以下の3つの理由を解説します。

  • 安定した収益を出せる
  • 新規顧客獲得のためのコストを削減できる
  • ユーザー満足度を測って品質改善・新商品開発に活かせる

安定した収益を出せる

リピート率の高さは、収益の安定性とも言い換えることができます。

リピート率が低い状態で売上を伸ばすには、新規顧客を集めなければ売上につながらないため、広告を打ったりキャンペーンやイベントやSEOなどをひたすら行なっていく必要があります。
しかし新規顧客の開拓に労力が割かれる割には、収益は安定しません。新規顧客が多く出た月はいいかもしれないですが、競合他社が行う施策や季節によって新規顧客が集まらずに売上が下がってしまう可能性もあるからです。

しかし、リピート率が高ければ新規顧客を集めなくても安定した収益が出るため、商品の質を上げたり新商品の開発をしたりと、他の業務に時間を割けるなどのメリットも得られるようになります。

新規顧客獲得のためのコストを削減できる

マーケティングの世界では、『1:5の法則』と『5:25の法則』というものがあり、以下のような意味があります。

  • 1:5の法則⇒リピーターを獲得するコストは新規顧客を獲得するコストの1/5程度
  • 5:25の法則⇒リピーターを5%増やせば利益は25%程度改善する

つまり、新規顧客がリピーターになることで広告費を大きくかけなくても収益が安定し利益が増えます。

また、新規顧客がリピーターになる際には商品や自社ECサイトが口コミで拡散されることが多いので、より宣伝費を押さえて集客が可能になり、利益率アップにつなげられます。

ユーザー満足度を測って品質改善・新商品開発に活かせる

新規顧客がリピーターになってくれる割合が増えれば、それだけ顧客行動や満足度に対するデータも貯まり、貯まったデータで以下のように分析していくことも可能となります。

  • この商品を買っている人は別のあの商品も興味を示している
  • この商品は何度もリピートされるが、この商品はリピートされない。その違いは何なのか?

このようにデータを元にして商品の品質改善に取り組んだり、そこから新商品の開発に活かしたりしながらユーザーに喜ばれやすい商品を増やすことができます。
そして、ユーザーに喜ばれる商品が増えれば自社ECサイトの価値も上がり、さらなる新規顧客も呼び込めるようにもなります。

ECサイトの業界ごとの平均的なリピート率

『ECサイトのリピート率』と一言で言っても、業界ごとにその平均値は異なります。どのくらいの数値を基準にリピート率改善に取り組めばいいか?という指標として、業界ごとに平均値を紹介していきます。

ECサイト全般の平均的なリピート率【30~40%】

まず、ECサイト全般のリピート率の平均値を知っておきましょう。ECサイト全般の平均値は30%〜40%程度となっていて、業界によってこの数値を中心に平均値が前後します。

基本的にECサイトでは、商品販売以外に特別な施策をしていなくても10%前後のリピート率は見込めますが、リピート率を上げていくためにはこの後解説していく施策が重要となってきます。

ファッション通販サイトの平均的なリピート率【約35%】

ファッション通販サイトのリピート率の平均値は、35%前後となっています。ただし、比較的ブランド力が高い通販サイトになると50%を超えることもあります。

ファッション通販を利用するユーザーは、競合他社と比較して安さや季節ごとの商品のバリエーションもチェックしています。そのため、季節に合わせて商品数を充実させるのはもちろん、クーポンや割引キャンペーンなどの施策を行なって購買意欲を高めていくことが重要です。

消耗品通販サイトの平均的なリピート率【約50%】

化粧品や衛生用品や健康食品、ペット用品や介護用品など、日頃利用する消耗品はリピート率が平均50%と高めです。

自社開発でなく他社でも取り扱っている商品を販売する場合は、ユーザーも最安値や送料やポイントなどを比較しているので、送料無料や割引・高ポイント付与などの施策を行なっていくとリピートにつながります。

また、自社開発している商品は定期購入や初回モニターなどの施策と相性がいいです。

旅行サービスの平均的なリピート率【約45%】

旅行サービスのリピート率の平均値も、45%程度と高めです。

じゃらんやトリバゴなどのように宿泊先やコースを簡単に比較できたり、割引が効いたりとユーザビリティの良いサイトを心がけるとリピート率アップにつながります。

パソコンなどの電化製品の平均的なリピート率【約25%】

対して、パソコンやテレビなど電化製品のリピート率の平均値は25%程度と若干低めです。

高単価だったり長期利用をする商材は総じてリピート率が低い傾向があるので、周辺機器や便利グッズなどを取り揃えるなどの施策も重要となります。

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リピート率を高めるためにはユーザーの満足度を高める必要があります。
ユーザーの満足度を高めるためにはユーザーの行動分析を行い、適切な場所にユーザーの求める情報をECサイト上に配置して置かなければなりません
訪問数はいいが、コンバージョン数がいまいちという方は、サイト設計に問題がある可能性があるので一度、専門家への相談ください。
池田直樹
ZERO式ECサイト制作はこちら

ECサイトのリピート率を上げるための5つの施策

ここからは、ECサイトのリピート率を上げるために押さえていきたい5つの施策について解説していきます。

  • メルマガやDMで理マーケティングを行う
  • SNSを使って情報を発信する
  • SNSフォローやメルマガ鉱毒への導線・特典を追加する
  • 割引や特典などのキャンペーンを実施する
  • アプリの制作

メルマガやDMでリマーケティングを行う

ECサイトに限ったことではありませんが、リピート率を上げるためにはユーザーと継続してコンタクトを取る必要があります。なぜなら、コンタクトを取らなくなることで、ユーザーから『存在しないECサイトや商品』という認識をもたれてしまう可能性があるからです。

『メルマガは古い』と感じている人もいますが、そんなことはありません。ユーザー1人1人に合わせた施策とPDCAサイクルを回していけば十分に効果があります。
特に、メルマガは割引や特典などのプロモーションが大切で、ユーザーの購買意欲を引き立てるのに役立ちます。

参考:ECサイトの売上を倍にするメルマガの極意とは?配信内容や重要なポイントも解説

SNSを使って情報を発信する

昨今、TwitterやFacebookやInstagramなどのSNSで気になるECサイトをフォローして情報を受け取っているユーザーも増えています。
そのため、ECサイト専用のSNSアカウントを解説してキャンペーンや役立つ情報を発信することは、商品のリピート率を上げるうえで大変おすすめの施策です。

SNSで良質な情報を発信して拡散されればユーザーの満足度を上げることもできますし、リピーターに拡散されれば集客にもつながり、相乗効果を生み出します。

SNSフォローやメルマガ購読への導線・特典を追加する

ECサイトから情報を発信しても、情報を受け取るユーザーが増えなければリピート率改善に役立てることはできません。そのためにも、SNSの公式アカウントをフォローしてもらったりメルマガに登録してもらう施策が重要となります。

例えば、ECサイトへ訪問や購入してくれたユーザーに対して、SNSフォローやメルマガ登録で特典がもらえたりポイントアップされるなどの施策を行えば、喜んで登録してもらえます。

割引や特典などのキャンペーンを実施する

ECサイトのリピート率を上げるためには、購買意欲を高めるキャンペーンも重要です。以下のようなキャンペーンを実施して販促効果を高めていきましょう。

  • ポイント制
  • 会員ランク制
  • 定期キャンペーン

ポイント制

購入ごとにポイントが貯まる制度を導入する際は、他社のポイント制を参考に還元率を決めていくのがオススメです。
ただし、高額商材や自社のオリジナル商材であればある程度高額還元が可能ですが、日用品や価格勝負をしているECサイトではどこまで還元できるかによってリピート率も変わってしまいます。
還元率が低すぎるとお得感がなくなってしまうので注意しましょう。

また、様々な企業でポイント施策が行われていて世の中にポイントが溢れかえっているので、ユーザーはポイントを獲得しても面倒に感じて放置してしまう場合があります。
そのため、ポイントに期限を設けたり実店舗と連動させたり、Tポイントのような共有ポイントに換金できるシステムを導入するなどの施策も考慮する必要があります。

会員ランク制

購入金額に応じてランクをつけて、それに対して還元したり送料無料やランク別セールなどの特典を提供する制度です。

ランク別の限定商品や還元率が高くなるなどの優待特典があればユーザーの満足度にもつながりますし、『もっとランクを上げて得したい』という動機付けにもつながります。
また、『あと少しでランクアップします』や『○○ランク限定の特典です』など、そのランクに合わせてユーザーにアプローチする理由が生まれるので、上記のメルマガ施策などが行いやすくなります。

定期キャンペーン

以下のように、定期的にキャンペーンを取り入れるとユーザーの購買意欲に繋がります。

  • 曜日や季節、イベンドなどと連動したセールキャンペーン
  • 送料無料キャンペーン

また、ポイント2倍やクーポンキャンペーンなど、他の施策と関連させても面白いキャンペーンができます。ただし、キャンペーンを行いすぎるとブランドイメージが下がってしまうため、安売りしすぎないよう注意しましょう。

アプリの制作

消耗品のように購買サイクルが速い商材や、ECサイトで商品とは別にコラムやお役立ち情報などのコンテンツを配信している場合などは、独自のアプリを開発することでリピートに繋げられます。

アプリであれば空き時間に閲覧しやすいですし、アパレルや家具や家電などを購入したらどうなるか?をARや3D技術で疑似体験してもらうこともできます。
また、ダウンロードしてもらうために特典をつけるなど他の施策と連動させることで利用者数を増やすことが可能です。

ECサイトのリピート率を左右する5つの要因

ある期間にリピート率が高まったとしても、その後に下がってしまうケースはよくあります。リピート率は以下の5つの要因に左右されてしまうため、必ずしも常に高い数値を保てるとは限らないからです。

  • 季節性や継続性
  • 初回購入とリピート時のギャップ
  • 競合やトレンド
  • 初回購入時の期待値と満足度
  • 購入後の接触頻度とその内容

リピート率を継続して上げていくためにも、これらの要因を分析しながら改善していくことが大切です。

季節性や継続性

ファッション業界やグルメ業界など季節の影響を受ける商材や、前述したPCのような高単価長期利用の家電などの商材はリピート率が低くなる可能性があります。

そのため、自社の商材がその季節にしか売れないものなのか?一度購入したら長期利用されてリピートされにくいものなのか?を把握して、リピートしてもらえるようなビジネスモデルを設計していくことが重要です。

初回購入とリピート時のギャップ

初回購入キャンペーンなどで、最初は価格が安いのにリピート時にキャンペーンが終了していきなり価格が高くなると、そのギャップで再購入しなくなる可能性が高くなります。
対して、割引キャンペーンのような大安売り施策を使用せずに獲得したユーザーは、初回購入とリピート時の価格が大きく変わらないためリピートへのハードルも少なくなります。

競合やトレンド

リピート率が上がったとしても、競合がサービスなどの施策を打ち出したりトレンドの変化に対応できていないと、リピート率を下げてしまう可能性があります。
ユーザーはトレンドに敏感ですし、商品購入の際は自社のファンになっていたとしても競合他社と比較をしているケースが多いです。

そのためトレンドの変化に対応しつつ、競合と差別化を測っていくことが重要です。

初回購入時の期待値と満足度

当たり前ですが、様々な施策が成功して新規顧客を獲得し初回購入をしてもらえても、実際に商品が届いて利用した時にユーザーが満足できなければリピートに繋がりません。
リピート率が低い商品があるなら、その理由を分析しながら改善していく必要も出てきます。

購入後の接触頻度とその内容

新規顧客が商品を購入してくれたとしても、上記で解説した施策を行わなければリピート率を上げていくことは困難です。なぜなら、ユーザーとの接触頻度が減ってしまうと次第に自社ECサイトの存在も忘れられて競合に流れてしまう可能性が高くなるからです。

『棚からぼた餅』を待つのではなく、『蒔かぬ種は生えぬ』の精神で購入後もリピートしてもらえるように施策に取り組んでいきましょう。

まとめ:ECサイトのリピート率を増やすことが売り上げにつながる

ECサイトで新規顧客の獲得は重要です。しかし、リピートがなければ、結果的にいつまで経っても新規顧客獲得に奔走しなければいけません。
新規顧客はリピーターを獲得するよりもコストがかかりますし労力もとられるので、まずはリピート率を増やすことが大切です。

リピート率を増やせば、費用対効果がよくなりECサイトの収益性も高くなるので、新商品開発や既存商品の改善に力を入れたりユーザーサポートを強化できるようになり、結果的に業績を上げることに繋がっていきます。

この記事のおさらいポイント

・リピート率は、新規顧客がリピーターになってくれた割合
・ECサイト業界全体でのリピート率の平均値は30〜40%前後
・業種によってリピート率が異なる
・リピート率向上には、常に情報発信してユーザーの購買意欲を高める施策を打つことが大切
・ただし、リピート率を左右する要因もあるため、分析・改善は必須
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