オウンドメディアは企業が自ら所有し、ターゲットとするユーザーに対して伝えたい情報を配信できる媒体です。
時間はかかりますが情報の配信を通してファンや顧客を獲得できるため、集客やブランディング、人材採用といった様々なシーンで利用されます。
ただ、オウンドメディアは検索からの流入が主体となるので、成果を上げるためにはSEO対策に力をいれなければいけません。
今回はSEO対策の重要性や注意すべきポイントについて紹介をしていくので、ぜひ参考にしてオウンドメディア運用の参考にしてください。
この記事を読んだらわかること
・SEO対策には構築する際のポイントと運用する際のポイントがある
・オウンドメディアを構築する際の8つのSEO対策
・オウンドメディアを運用する際の4つのSEO対策
・検索順位が上がらない時はドメイン自体をSEOに強くする
オウンドメディアはSEOが重要で、上位表示されなければコンテンツを配信しても意味がありません。我々は自社でもオウンドメディアを運用することでそのノウハウを蓄積し、SEOに強いオウンドメディアの戦略から運用まで提案できますので、お気軽にご相談ください!
オウンドメディアのSEO対策の重要性
なぜSEO対策が重要かというと冒頭でも述べたようにオウンドメディアが検索による流入をメインとする媒体であり、単純にコンテンツをアップしていくだけでは検索順位は上がらないためです。
SEO対策によって検索エンジンに評価されるとユーザーの閲覧が増え、そこからSNSなどを通じた拡散が起こり、より多くの人に認知されて、さらに閲覧数が増えるというサイクルが生まれるようになります。
また、現在は広告費の単価も高騰しているので、費用対効果が良くないケースも多々ありますが、検索エンジンだけで集客できるようになると広告費用が不要になるというメリットがあるのでSEO対策は非常に重要です。
オウンドメディアのSEO対策は構築と運用の2種類
SEO対策と一口に言ってしまいがちですが、やるべきことは大きく2種類に分けられます。1つはオウンドメディアを構築する際に行う対策、もう1つは運用していく上で行う対策です。
構築時のSEO対策とはオウンドメディアの立ち上げる時にする対策で、主にサイトの検索順位やそれに伴う検索エンジンからの評価に影響を与えます。
この対策を怠るとアクセス数が伸びませんし、サイト完成後に対策しようとすると大掛かりな修正を必要となるする事柄もあるので、事前に対策をしておくべきです。
運用時のSEO対策はオウンドメディアの完成後、コンテンツを制作していく際に行う対策で、主にユーザーのリピートや記事の拡散に影響するので、良質な記事を配信したり記事のリライトなどをしていく必要があります。
具体的にどのような対策をするかは後述しますが、どちらも前述した閲覧数を増やし、拡散して認知度を高めるというサイクルに欠かせないものなので、忘れずに実践しなければいけません。
【構築編】オウンドメディアのSEO対策のポイント
ここからは前述したSEO対策の具体的な方法について解説をしていきます。まずはオウンドメディアの構築時にするべき対策です。
ここで注意すべきポイントはクローラビリティで、いかに検索エンジンに評価をしてもらい検索順位を高くするかになります。
そのために行うべき対策が以下の8つです。
・簡潔なURL名にする
・リンク階層は浅くする
・URLを正規化する
・HTTPS化する
・スマホに最適化したデザイン
・XMLサイトマップを設置する
・表示速度を早くする
・適切なHTMLタグでマークアップする
以下ではそれぞれのポイントについて詳しく解説していきます。
簡潔なURL名にする
まずはやるべきSEO対策の1つ目はURL名を簡潔にすることです。URLが長すぎたり意味が通じない文字列ではユーザーも目的のページが探しづらくなるためSEOの効果も期待できません。
そのため、できるだけコンテンツのテーマに沿った内容にし、その上で短く短縮したURLにします。
ただ、毎回コンテンツを制作するたびにURLを決めるのは手間がかかるので、まずはカテゴリーページだけにURLを設定し、コンテンツ自体は番号が振られるだけという設定をするのがおすすめです。
例えばカテゴリーが「SEO<SEO対策<基礎知識」と大中小の3種類のカテゴリで分けられている場合は以下のようにURLを設定します。
トップページ:https://example.com/
1階層目のカテゴリーページ:https://example.com/seo/
2階層目のカテゴリーページ:https://example.com/seo/seotaisaku/
3階層目のカテゴリーページ:https://example.com/seo/seotaisaku/basic/
コンテンツは番号を振るだけなので以下のようなURLで大丈夫です。
記事ページ:https://example.com/00001/
このようにすればユーザーもコンテンツが探しやすくなり、ユーザービリティとクローラビリティが向上します。
リンク階層は浅くする
リンク階層とは何回クリックすれば目的のコンテンツにたどり着くかというサイトの構造を指します。上述したURLに関する階層はディレクトリ階層と言ってリンク階層とは別物なので注意しましょう。
このリンク階層は多すぎるとユーザーが目的の記事を探せず離脱に繋がるので最大でも3クリック以内にコンテンツへアクセスできるよう設定するのが望ましいです。
カテゴリーが多かったり、どうしても階層が深くなってしまう場合には以下の画像にあるパンくずリストを使うと少ないクリック数で目的の記事にたどり着けるようになります。
パンくずリストとはユーザーがサイトのどのあたりにいるのかを可視化したもので、カテゴリーごとなどに階層を表示するのが一般的です。
URLを正規化する
場合によってオウンドメディアのコンテンツは重複するケースがありますが、検索エンジンに対してどのコンテンツがオリジナルであるかを示す行為がURLの最適化です。
例えば「http://example.com/00001/」と「http;//www.example.com/00001/」というページがあり、どちらも同じ内容であれば片方は重複コンテンツとみなされペナルティが課せられます。
これを防ぐために「www.」や「.index」の有無などを統一し、重複しているコンテンツは301リダイレクトを活用してオリジナルのURLへ飛ばすなどの設定が重要です。
また、中にはPC用のページとスマートフォン用のページとでURLが異なる場合がありますが、その場合はcanonicalタグを記述することでオリジナルのURLに統一します。
まずは重複したコンテンツが生まれないようURLに注意をしつつ、重複してしまった場合は上述した方法で対処しましょう。
HTTPS化する
HTTPS化とはURLの前半部分を従来の「http」から「https」に変更するという設定です。
httpsにするとサイトが保護され、安全にコンテンツが利用できるようになります。そのため、検索エンジンも上位表示するための評価基準にhttps化を取り入れました。
また、現在ではhttps化されていないサイトは「このサイトへの接続は保護されていません」という警告文が表示されるようになり、一部のユーザーが離脱する要因となっています。
これは後からでも変更可能ですが、その場合は絶対パスの変更が必要になったりリダイレクト設定が必要になるなど手間が増えてしまいますし、設定を間違えるとうまくページが表示されないなどの不具合に繋がるので予め設定をしておきましょう。
スマホに最適化したデザイン
Googleは2018年7月からサイトの評価基準にモバイルファーストインデックス(MFI)という方式を導入しました。これはスマートフォンなどのモバイルサイトを主軸に評価し、検索順位を決めるという意味です。
従来はPC用のサイトでSEO対策をしていれば検索順位は上がりましたが、現在はユーザーが見やすいように最適化したモバイルサイトが必須となっています。
Googleが推奨するレスポンシブデザインというユーザーの利用するデバイスに応じたサイズに自動変換してサイトを表示してくれる機能を利用すれば比較的簡単にMFIに対応することが可能です。
ただ、この方法以外にもモバイル用に別のデザインを用意する方法もあります。手間はかかりますが、多くのユーザーがスマートフォンで閲覧をしている背景を考えてもその価値は十分にあると言えるでしょう。
XMLサイトマップを設置する
XMLサイトマップとはサイト内の各ページのURLや更新頻度、最終更新日などを記述したXML形式のファイルを指します。
これをサーバーにアップロードしたり、GoogleのSearch Consoleを利用してサイトマップを送信すると検索エンジンにサイト内のコンテンツを見つけてもらいやすくなり、上位表示されやすくなります。
但し、XMLファイルの作成にはプログラミングコードが必要になるので、専門知識がない場合はWordPressでサイトを制作し、プラグインを活用することで簡単にXMLファイルの作成が可能です。
余談ですが、HTMLサイトマップというユーザーがサイト内にはどのようなコンテンツがひと目でわかるマップを用意するとユーザービリティが上がるので、余裕があればこちらも作成してみましょう。
表示速度を早くする
サイトの表示速度も検索エンジンの評価項目の1つです。なかなかページが表示されないサイトはイライラするのでユーザーの離脱にも繋がりますし、検索エンジンからもマイナス評価を受けてしまいます。
表示速度を改善するためにはCSSや画像などのファイルを圧縮してファイルサイズを落としたり、コードをシンプルにするなど方法は様々です。
また、オウンドメディア立ち上げ当初は問題なかったとしても、コンテンツの増加に伴い画像なども増えていき速度が遅くなるというケースもあるので、定期的に「PageSpeed Insights」などのツールを使い表示速度をチェックしましょう。
適切なHTMLタグでマークアップする
HTMLを使ってサイトやコンテンツを作る際には「<p></p>」などのようにHTML専用のタグを用いなければいけません。これらを正しく使いHTMLの文法に沿った形式で意味付けをする作業をマークアップと言います。
コンテンツなどでは見出しを使ったり段落を設ける際に「p」や「h」といったタグを用いますが、誤った使い方をしないよう注意が必要です。
例えばhタグはタイトルにh1タグを使い、見出しにはh2やh3を使います。見出しをつける際は「h2<h3<h4」と数字が小さいものを上の階層に置き、数字が大きいものは下の階層に置かなければいけません。
なので、h3の下にh2のタグがあるのは誤りで、このような構文は無視されてしまいます。例えば、前述したコンテンツの重複を防ぐためのcanonicalの記述なども無視されてしまい、せっかく行った対策が無効になるということです。
結果的に検索順位に影響を与えるので誤りがないよう注意しましょう。
【運用編】オウンドメディアのSEO対策のポイント
次に運用時に行うSEO対策について解説をしていきます。運用の際に気をつけるポイントはユーザビリティで、サイトを訪問したユーザーが情報を探しやすい、知りたい情報が知れるなどが重要です。
また、ユーザーから信頼されるサイトになることによって検索エンジンの評価も高くなるので、こちらも同様にSEO対策に結びつきます。
どのような対策をするかというと以下の4つです。
・良質なコンテンツの追加
・SNSでコンテンツを配信
・低品質なコンテンツのリライト
・キーワードの選定
詳細を順番に解説していきます。
良質なコンテンツの追加
良質なコンテンツとはユーザーが知りたがっている事柄に対して適切な回答をしているコンテンツです。そのためには検索意図を考慮し、ユーザーがどんな気持ちで検索しているのかを考えなければいけません。
例えば「オウンドメディア SEO」というキーワードで検索をしているユーザーは「現在オウンドメディアを運用しているがSEOがうまくいっていないので、どうすれば上位検索されるのか知りたい」などと考えている可能性があります。
そうした悩みが解決できる記事こそが良質なコンテンツです。そのためには実際にキーワード検索を行い、どんなサイトが上位表示されているのかを確認するとユーザーの検索意図が理解できるようになります。
最適な文字数は?
コンテンツを制作する上で気になるのが文字数ですが、必ずしも文字数が必要というわけではありません。文字数を意識するよりも濃い内容の記事になるように注意する方が上位に表示されやすくなります。
実際に上位表示されているコンテンツの平均文字数は4000〜5000字と言われていますが、これはユーザーにわかりやすく伝えようとしたところ、このくらいの文字数になったという結果です。
なので、まずはコンテンツの中身を充実させ、わかりやすく伝えるという点に重点を置いてコンテンツを制作しましょう。
SNSでコンテンツを配信
若い世代は検索エンジンよりもSNSを利用して情報収集をしますし、さらにSNSには拡散効果があります。これを使わない手はありません。
そのためにも企業はオウンドメディア専用のSNSアカウントを作成する必要があります。また、すぐに成果を求めるのであればSNS広告を使ってフォロワーを集めることも可能です。
但し、拡散力が高い分、配信するコンテンツが低品質なものであれば逆効果になってしまいます。SNSを活用する際はしっかりと先に良質なコンテンツを完成させましょう。
低品質なコンテンツのリライト
リライトとはもともとの文章を再編集し、新しい内容に書き換えるというテクニックです。これはオウンドメディアでも有効で、コンテンツは一度配信して終わりにせず、配信後も記事の見直しや訂正を行います。
記事を修正すると新しい内容をもとに検索エンジンが再評価を行うので、質が上がっていれば検索順位も向上します。ただ、場合によっては逆に順位が下がってしまう場合もあるので、何が問題なのかをあぶり出すことが大切です。
その際には検索順位チェックツールなどを活用して順位の変動をチェックしましょう。
キーワードの選定
良質なコンテンツ制作のところでも述べましたが、検索順位を上げるためにはユーザーが知りたがっている情報を提供しなければいけません。そのためにはユーザーが検索しているキーワードをコンテンツに盛り込む必要があります。
キーワードには「メインキーワード」と「サブキーワード」の2つがあり、メインキーワードは「オウンドメディア」や「SEO」のように最初に検索する1語のワードです。
サブキーワードはメインキーワードに付属する単語で「オウンドメディア 事例」や「オウンドメディア とは」など2語以上で検索されるキーワードになります。
この他にも「オウンドメディア 事例 2019」のように更にサブキーワードを増やすことでユーザーの興味の絞り込みが可能です。
また、メインキーワードとサブキーワードがうまく掛け合うと競合も少なくなり、上位表示が狙いやすくなるので、適したキーワードを選出してコンテンツを制作しましょう。
社内に知見がない場合、外部のSEO専門家に相談することをおすすめします。
まとめ:オウンドメディアはSEO対策が必須
今回はオウンドメディアのSEO対策について解説をしてきましたが、オウンドメディアは検索エンジンが流入の主体となるので、SEO対策によって検索エンジンからの評価を得ることは欠かせません。
そこで大事になるのがオウンドメディアを立ち上げる際に行う構築時の対策とサイト完成後から行う運用時の対策です。特に構築時のSEO対策は後回しにすると手間がかかるので、事前に対策をしておく必要があります。
運用時のSEO対策は毎回のコンテンツ制作時や配信から一定期間が経過したあとにも行う必要があり、これはずっと継続していかなければいけません。
これらをしっかりと行い評価が得られるようになれば、検索エンジンで上位表示され、簡単に集客ができるようになります。ぜひSEO対策をしっかりと行い成果の上がるオウンドメディアを構築しましょう。
この記事のおさらいポイント
・検索エンジンから評価されると検索流入のみで集客ができるようになるのでSEO対策は重要
・広告は単価も上がっているので費用対効果が見合わないケースが増えている
・SEO対策にはサイト構築時に行うものと運用開始後に行うものがある
・構築時の対策にはURLの簡略化と正規化、HTTPS化、XMLサイトマップ作成などがある
・運用時は良質なコンテンツ制作とリライト、SNSによる配信、キーワード選定を行う
・上記の対策をしても順位が上がらなければドメイン自体をSEOに強くする必要がある
オウンドメディアはSEOが重要で、上位表示されなければコンテンツを配信しても意味がありません。我々は自社でもオウンドメディアを運用することでそのノウハウを蓄積し、SEOに強いオウンドメディアの戦略から運用まで提案できますので、お気軽にご相談ください!