BtoB企業がコーポレートサイト制作をする際に、BtoC企業のコーポレートサイトを参考にしてしまうケースは少なくありません。
一見、『成功例だからBtoCでも参考にしたらいいのではないか』と思うかもしれませんが、BtoBとBtoCは顧客層や商材の性質、価格、購買プロセス、アピールポイントなどが全く違います。
そのため、参考にしてしまうと成果につながりにくくなる可能性があるので注意しなければなりません。
また、BtoBはBtoCより商材や企業の認知度が低い傾向があり、コーポレートサイトでいかにユーザーに印象付けることができるか?も重要なポイントになります。
今回は、コーポレートサイト制作をしたいBtoB企業のために、気をつけたいポイントや、参考になるBtoBサイトを紹介していきます。
この記事を読んだらわかること
・BtoBコーポレートサイト制作を制作会社に依頼する際の注意点
・参考になるBtoBコーポレートサイト事例10選
コーポレートサイトは、企業の特徴を魅力的に伝えながら、目的に適したサイト制作が必要です。
弊社は、初めてコーポレートサイトを作る方やリニューアルを考えている方など、幅広いお客様への制作に対応できますので、お気軽にご相談ください!
BtoBコーポレートサイトを制作する際の10個のポイント
BtoBコーポレートサイト制作では、BtoC企業との違いを考慮しながら次の10ポイントに気をつけていく必要があります。
- ペルソナを定める
- ブランディングを主目的としない
- 営業につながる導線を意識する
- キーワードを意識した設計
- 価格に対する強みをきちんと説明する
- 専門用語を多用しない
- よくある質問をいれる
- わかりづらい内容はデザインで魅せる
- やたらとページを分解しない
- 制作会社に丸投げしない
その1:目標・ペルソナを定める
コーポレートサイト制作は、目標・ペルソナから決めていきます。
これらが設定されていないと、どのようなデザインをしたらいいか?訴求はどうすればいいか?など、具体的な構想が見えてきません。
例えば人材が不足している企業なら目標を『人材獲得』にして、ターゲットである『求職者』の人物像を深く掘り下げて想定していきます。
このように目標やペルソナを明確に設定すれば、ペルソナに対してどのようなアプローチをしたらいいか?どのように導線を引いたらいいか?といった具体的な施策が立てやすくなります。
その2:ブランディングを主目的としない
BtoBコーポレートサイトでは、ブランディングも大切ですが必須ではありません。
なぜなら、コーポレートサイトの最大の目的は集客であるからです。
ブランディングを主な目的としてしまうと、検索エンジンに引っかからず集客できないというのは珍しくありません。
集客できなければ、ブランディングの効果もほとんど意味を持たないでしょう。
あまり認知されていないBtoB商材の場合は、ブランディングよりも検索エンジンに引っかかりやすく、商品の特徴がわかりやすいコーポレートサイトを意識した方が確実に成果を生みます。
その3:営業に繋がる導線を意識する
BtoB企業の場合、商材単価が高いので、最終的なアプローチが営業頼みな部分もあります。そのため、サイト内で完結せずに営業に繋がるための導線設計が必要になります。
【営業につながる導線設計例】
- 問い合わせフォームの設置
- 資料請求の設置
また、ただ見込み客を営業へ繋げるだけでなく、マーケティングオートメーションツールなどを使用し、行動分析結果を営業へ伝えることで満足度の高いアプローチが可能となります。
その4:キーワードを意識した設計
先ほども述べたようにBtoBコーポレートサイト制作においては集客が重要です。
検索エンジンで引っかかるためには、ユーザーが検索しているキーワードを意識してサイトを設計する必要があります。
特に企業が情報収集する際には、検索エンジンでキーワードを入力してコーポレートサイトを探すケースが多いです。そういったユーザーにコーポレートサイト自体やサービスページを見つけてもらうためには、キーワードに沿ったページ制作が重要となるのです。
まずは、自社の商材がどんなキーワードで検索されそうか?を予想しながらサイト制作をしていきましょう。
【例】
- コーポレートサイト制作 BtoB
- コーポレートサイト BtoC
- コーポレートサイト 採用
例えばWebサイト制作会社がコーポレートサイトを制作する場合は、上記のように検索上位が狙えそうなキーワードを選別して、サービスページ内にそのキーワードを入れ込んでいきます。
その5:価格に対する強みをきちんと説明する
BtoB商材の価格は高額な場合が多いです。
そのため、価格に見合うだけ理由や強みをきちんと納得できるように説明する必要があります。
例えば部品製造を行う企業が競合他社より高額な部品を提供しているなら、以下のような点で強みをアプローチできます。
【例】
- どれだけの強度か?
- なぜ強度を増す必要があるのか?
- 競合他社との違い
BtoB商材では、コーポレートサイトにアクセスしてきた担当者に決定権・決裁権があるとは限りません。上役と稟議を通す必要もあるので、価格に対する強みをダウンロード資料などにまとめて提供するのもおすすめです。
その6:専門用語を多用しない
BtoB商材は専門性が高いため、コーポレートサイトで専門用語を多用しがちです。しかしアクセスしてきた見込み客が、必ずしもその分野の専門家とは限りません。
例えばWeb知識が全くない企業が、コーポレートサイトを制作するために制作会社サイトにアクセスしてきても、専門用語が多用されていると難しく感じて離脱する可能性があります。
専門用語をあまり使わずに易しく噛み砕いて説明すれば、サービスの特徴やメリットを理解しやすくなるため導入の検討もスムーズになるのです。
ユーザーに合わせてなるべく専門用語を多用せず、別の言葉に言い換えて説明しましょう。
その7:よくある質問をいれる
コーポレートサイトでは『お問い合わせ』は必ず設置されていますが、『よくある質問』は軽視されがちです。
専門的な商材を扱うBtoB企業であるほど、コーポレートサイト内の説明だけでは伝えきれない部分も増えるため、『よくある質問』は重要です。
例えば、部品製造会社で普段から以下のような問い合わせがあるなら、それらを『よくある質問』に盛り込んでいく必要があります。
【例】
- どのくらいの料金で作れるのか?
- 見積もりにどれくらい時間がかかるか?
- 何個から注文可能なのか?
- 支払い方法はどうしたらいいか?
- 納期はどれくらいか?
- 特注も可能か?
このように、『よくある質問』でユーザーの理解度が高まり、問い合わせの際の無駄なやりとりを減らせるのです。
その8:わかりづらい内容はデザインで魅せる
前述した通り、BtoBコーポレートサイトは専門性が高くわかりづらい内容が多いです。
また、信頼性の高さや的確な情報伝達が求められるので、どのような業種でも同じようなレイアウトになりがちです。
そのため、差別化を測るためにも言葉では伝えきれない部分にインフォグラフィックや動画などを取り入れ、自社商材の魅力を伝えていきましょう。
その9:やたらとページを分解しない
BtoBコーポレートサイトは専門性が高いためか、掲載方法にこだわって細かくページを分けすぎたり階層を深くしすぎるケースがあります。しかし、一般的にユーザーは深い階層まで掘り下げたり、ページ数を細かく閲覧することはほとんどありません。
そのためコーポレートサイトを制作する際は、ページを分割しすぎずに1ページあたりの情報量を充実させることが大切になります。
また、情報量が多くトップページからの階層が深すぎないページは、検索エンジンからの評価が高くなる傾向があるので、SEO的にもページを細かく分解するのはおすすめできません。
その10:制作会社に丸投げしない
BtoB業界では『企業の顔』であるはずのコーポレートサイト制作やWeb施策を、制作会社に丸投げしてしまう企業が非常に多いです。
Web制作会社はWebのプロですが、クライアントの商材についての専門家ではありません。そのため、クライアント側から顧客層の特徴や独自の営業プロセスといった情報を提供してもらったり、意見や提案をしてもらう必要があるのです。
制作会社に依頼する場合は、制作会社と二人三脚で制作していくことが重要です。
BtoBコーポレートサイトを制作会社に依頼する際の注意点
現在、国内には15000件以上の制作会社があると言われています。その中で効果的なコーポレートサイト制作ができる制作会社を見つけるには、以下の3つのポイントに気をつけて選ぶことが大切です。
- 実績を確認する
- 得意分野を確認する
- 料金体制を確認する
実績を確認する
まず、その制作会社の過去の実績を必ず確認する必要があります。
【チェックしたい実績例】
- BtoBコーポレートサイトの制作実績があるのか?
- どのようなデザインやクオリティなのか?
- 自社の業種を扱った実績はあるのか?
- 制作後に何かしらの成果が出ているのか?など
上記のように実績を細かく確認して、自社の求めるものになるべく近い実績を持った制作会社を選別していきましょう。
得意分野を確認する
一口にWeb制作会社といっても、Webマーケティングに長けた会社もあれば、システムやデザイン寄りでSEOなどの基本的なマーケティング知識が乏しい会社もあります。
そのため、コーポレートサイトで『ブランディング』したいのか?『集客』や『認知向上』をしたいのか?といった目的を明確にし、制作会社の得意分野と一致するかどうかを確認していくことが重要です。
料金体制を確認する
上記の2点で制作会社を絞り込んだら、料金体制も確認していきましょう。
Web業界は、料金相場が均一ではありません。制作会社によって料金体制が違い、同じ料金でもサポート内容が異なります。そのため、依頼する前に必ず料金体制や対応範囲をチェックする必要があります。
制作会社によってはサイト上で料金体制を掲示していない場合もあるので、問い合わせて細かく確認していきましょう。
競合が少ない商材でも、ペルソナ・キーワードに最適化させたコーポレートサイトを制作することで、広告展開や自然検索でもコンバージョンが取れます。
詳しく知りたい方は一度ご相談ください!
参考にしたいBtoBコーポレートサイト10選
ここからは、BtoB企業のコーポレートサイト制作で参考にしたい事例を10件紹介していきます。いずれもBtoB商材を扱っている企業のコーポレートサイトです。
繁盛シール工房
ファーストビューのスライドショーで製品や製造過程の写真を流すことで『どのような企業か?』がパッとわかるようになっています。
また、ステッカー作りで悩んでいる『デザイン制作・発注担当者』という明確なターゲットに対して、ジャンル別に製品を探せるナビメニューや制作実績・事例などを設置。
『信頼性の高い企業で希望通りのシールをすぐに作りたい』というターゲットのニーズに答えています。
日立ハイテクノロジーズ
見込み顧客への製品・サービスの認知や、メディア関係者などへのアピールが目的のサイトです。株式会社日立ハイテクノロジーズでは幅広い取り組みを行なっているため、若干ターゲット設定が多めになっています。
しかし、ナビゲーションでは『製品・サービス』『企業情報』『サポート情報』の3つでシンプルに設置されていて、迷いそうになったらナビゲーションで目的の情報にたどり着くことができます。
大塚倉庫
スクロールすると、斜め左下のコンテンツへと移動していく先進的なサイトデザインがインパクトを与えていて、『物流とIT技術のコラボレーション』を実現している企業の姿をうまく表現しています。
文章だけではイメージしにくい内容も、動画・インフォグラフィックス・写真が活用されているため、訪れたユーザーは視覚的・感覚的に企業やサービスの特徴を捉えることができます。
東海バネ工業
ばねを完全オーダーメイドしたい見込み顧客をターゲットに展開されているコーポレートサイトです。
燃え上がる炉の画像がファーストビューいっぱいに掲載されインパクトを与えるとともに、画面中央のコピーが『どんな企業か?』を明確にしています。
また、ばねの種類別に特徴や計算式(設計の際に必要)などの説明をわかりやすくしていて、ばねの初心者であってもハードルを感じることなく導入を検討できます。
タクミナ
研究所やメーカーが持つ液体への悩みをオーダーメイドで解決する『株式会社タクミナ』。個々の難題を抱えたターゲットへの対応力を、ファーストビューの動画でアピールしています。
また幅広い分野の事例を用意することで、『自社のケースでは無理だろう』と思っている見込み顧客の囲い込みにも成功しています。
さらに、製品への信頼性や導入後のサポートといったターゲットのニーズを、トップページを見ただけで理解できるようなサイト構成となっています。
トパック
包装機械メーカーの株式会社トバックでは、数ある製品の認知と共に『開発秘話』や『長年培った技術と経験』『海外からも認められる技術』などをアピールすることで企業のブランディングを図っています。
また、専門家でない人にはわかりにくい機械の特徴や導入効果なども、写真やイラストや表などを用いてわかりやすく説明し、導入するメリットが的確に伝わるように工夫されています。
信州吉野電機
様々な機器の部品開発を行う信州吉野電機株式会社では、技術や製品の認知だけでなく、顧客に提供できるクオリティやそのクオリティが生み出される背景などをコーポレートサイトでアピールしています。
ファーストビューではモノづくりに対する企業全体の姿勢が表現されていて、サイト内には製品が開発された背景がわかる『開発ストーリー』も設置。
ブランディングが上手く行なわれています。
モリヤマ
『練る・混ぜる・押し出す』の一連の工程が行える機械を提供している『株式会社モリヤマ』。
機械の性能だけでも専門用語が多くなりがちな業種ですが、『練る・混ぜる・押し出す』というシンプルな言葉と動くインフォグラフィックで、機械の性能やそれぞれのアピールポイントを説明しています。
『練って押し出す機械が欲しいけど、難しいことはよくわからない』といった見込み顧客の悩みを解決しながら、強い印象を与えることにも成功しています。
オフィスナビ
オフィスナビ株式会社のコーポレートサイトでは、物件オーナーと借りたい側の両者をターゲットにサービスの認知度を高めています。
サービスサイトである『オフィスナビ』自体は、基本的に借りたい人がターゲットとなっていて、コーポレートサイトはビルオーナーも含めた両者がターゲットになっているのが特徴。
サービスへの認知度も高めながら、各地域のサービスサイトへ誘導する『ハブサイト的役割』も果たしています。
カイロスマーケティング
マーケティングオートメーションツールを展開するカイロスマーケティング株式会社では、低価格で手軽にツールを導入したいターゲットに向けてコーポレートサイトを展開しています。
マーケティングオートメーションは高価格なものが多いため抵抗感を感じている企業も多いですが、そういったターゲットに対して親しみやすいイラストデザインを使用し、手軽さをアピールしています。
まとめ:しっかり制作会社を見極めよう
BtoB業界は顧客層や商材単価、購買プロセスなど多くの点でBtoC業界と異なります。
そのため、そういったBtoB業界の特徴をしっかりと意識しながら競合分析を行い、自社の強みをコーポレートサイトで表現していく必要があります。
コーポレートサイトを制作する上で、他社との差別化を図ったり効果的なアプローチをするためには、やはり制作会社に依頼する必要性も出てくるでしょう。
制作会社は技術も価格もピンキリの世界なので、依頼する際には上記の選別ポイントによく注意して見極めていきましょう。
この記事のおさらいポイント
・目的やターゲットを必ず設定する
・制作会社へ依頼する際には、それぞれの会社をよく見極めてから依頼しよう
コーポレートサイトは、企業の特徴を魅力的に伝えながら、目的に適したサイト制作が必要です。
弊社は、初めてコーポレートサイトを作る方やリニューアルを考えている方など、幅広いお客様への制作に対応できますので、お気軽にご相談ください!